「ヒト活」 | 加藤夏希ブログ『Beauty Beauty』

「ヒト活」

「ヒト活」 一人活動

 

皆さんはどこまで一人で活動できるだろうか?

 

私は高校入学と同時に秋田から東京へ上京した

それだけ聞くと「一人ですごいね」と必ず言われる

後の説明や続きの話も聞く相手は対して興味がないだろうと

「そうですか〜?」と返して会話を終了させてた。

(私って最低な人間だな笑)

 

しかし実際は、母親に仕事を辞めてもらい

一緒に上京してもらった。

通学は一人だったものの、基本的には母か事務所の大人達と

共に行動をしていたので、一人でどこかへ行くということは無かった

 

20代になってから初めて一人暮らしをした。

初めての自分だけの家、空間に心がときめいた

それも2日足らずで終わり、虚しさを感じる日々の方が多くなった

初めての一人活動

食事も洗濯や掃除や、日々どうしていいか分からず

今ほどネットも充実していなかったので

(パケット代等高くついた)

調べる手立ては人に聞く事だった

しかし、いざ人の前となると自分の本来の姿を隠し

違う自分でいてしまうことがあった

強がりが出てしまう・・・誰にも聞けなかった

 

本で学ぶこともあったが、平気で専門用語を入れてくるので

好きになれなかった

手探りで一人で生活していくうちに

もっと一人で何かをしてみたくなった

強くなりたい、めげないで動揺しないで生きていきたい

 

 

(「ヒト活」 一人活動)

 

 

一人旅をしてみようか

 

ふと思い立った

3日間の休みのタイミングの時

温泉地へ、箱根へ行ってみようと

観光地だから人も沢山いるだろうし

大丈夫、怖くない・・・

 

ネットで予約をして荷造りをして・・・

いざ目的地へ!

電車の乗り換えを調べるため

携帯からポチポチ入力し(ガラケー)

電車へ乗った

 

ふと見ると・・・群馬県・・・!?

群馬県に箱根があったっけ!?

調べ直してみると、勿論無かった

どうやら宿泊施設が群馬県の猿ヶ京温泉という所にあった

キャンセルして行き先など変更すればよかったのだが

歩き始めた自分の足を止めることは出来なかった

 

未知の場所だ・・・

予備知識ゼロ・・・

 

実は泊まることになった猿ヶ京温泉の前に

何軒か予約の電話していた宿泊施設がある

そこを調べ直してみると

全部箱根の温泉だった・・・!!

しかし、予約がいっぱだったり

女性の一人というだけで断られた

猿ヶ京温泉でも旅の理由を聞かれた

(正直なんでこんなこと聞くんだ?)

(別になんだっていいじゃないか)と

心では思いながら

「観光です!」の一点張りだった

 

今思えば・・・季節は冬

この寒い時期に女性一人の旅行は心配されるのかもしれない

それは猿ヶ京温泉についてから感じた

一面雪景色だった

まるで実家に帰ってきたかのような風景

しかし山が近く秋田とはまた違う香り

 

宿泊施設の方が駅まで迎えにきてくれた

「わざわざ東京から〜何もないでしょう〜」

と親切に話しかけてくれた。

しかし、否定することも肯定することもできなかった。

ここの予備知識はゼロだ

 

チェックインの手続きをし部屋に入った

ようやく荷物を降ろせると思ったらノック

温泉の追加説明・食事の時間確認・・・

「お茶をいれますか?」

親切な対応だったのに今の私には不必要だった

「自分で入れます」

きっと無愛想だなと思われたに違いない

でもいいんだ、今日だけは今だけは・・・

 

一人になった途端旅の目的を見直すことにした

(一人活動だ・・・何か一人でやらなければ)

 

何もしないまま夕食の時間になり食事処へ

私以外に子連れの家族1組がいた

わいわいと楽しそうに過ごしていて

こちらは淡々と食事を取る・・・

この温度差がどこか心地よかった

孤独を感じたかったわけではないが

一人を十分に実感できた

 

(あぁアレルギーの話をしなかったな)

と後悔しながら甲殻類を避け大豆製品を避け・・・

食べている途中も施設の人が話しかけてくれる

 

「今日はあちらのお客様と二組だけなので静かですが楽しんでくださいね」

「お茶入りますか?」

「あれ?女優さんですか?」

 

この一人旅は仮面加藤夏希を脱いで

自分本来でいたいと願い、またその自分を一人にすることで強くさせる為の

時間だった・・・なのに容赦無くやってくる現実

 

「ハイ・・・そうです」

「あら〜こちらは初めて?撮影か何か?」

 

(予約の時点で何度も「観光です!」といったのに・・・)

 

このやりとりも日々日常的に行われる事が多かったので

当時の私には少し窮屈だった

 

「すみません、ごちそうさまです」

「あら、沢山残って、お口に合わなかった?」

「いえ、とってもおいしかったです」

 

無愛想な態度を取った会話ほど記憶に残るものはない

あんな態度を取らなきゃよかったと後悔の渦に入る

 

 

部屋に戻ると、家族と合わないように先に温泉へいった

一人でいく温泉の道は長く・・・

また少し薄暗い廊下など、より一人を感じさせた

 

その後も、何度か部屋に施設の人が訪ねてきたおかげで

ヒト活強化は、生きていく上では誰かが必要なんだという結果になった

 

(「ヒト活」 一人活動)

 

旅の話が長くなったが、実は主人と出会ってから

主人の仕事のついでに旅行に行こうとなり

同じ猿ヶ京温泉へ行ったのだ

最初は「え?なんか聞いた事があるな〜」と遠い記憶を探っていたが、

突然隕石が当たったかのような勢いで全て思い出された。

 

止まった宿泊施設も同じ、数年後にいった猿ヶ京温泉は

以前と何も変わっていなくて

施設の方も変わらず親切で気さくで

そして私が一人で来た事を忘れていた

 

「当時とんがっていた部分もあって

 失礼な態度をとっていたかもしれません

 すみませんでした」

 

一言伝えた・・・が

 

「あら〜全然覚えてないわ〜

 本当にここに泊まったの〜?

 また来てくれてありがとうございます!」

 

救われたような、まだ苦い味が残っているような

子供が産まれてからも、また猿ヶ京温泉へ足を運んだ

今の時期は行くことはできないが

寒く冬の季節になるとどうしても行きたくなる

私の一人活動の挑戦の思い出の場所

あの当時一人でいってたのに、

そのあと主人と行った時のくすぐったさ

卒業アルバム覗かれた感じがした

そして子供ができてまた一緒にいった時は

もう、当時の独りよがりの自分に教えてあげたいくらい

 

家族がいる今、一人活動の場は非常に少ない

しかし、かなり強くなったと思う

一人焼肉だって

一人しゃぶしゃぶだって

一人カラオケも

なんでも一人でできる

しかし、今はなんでも家族と行きたいなと思ってしまう

一人の時間も欲しいが、やる事がないなら不要だなとも思う

 

娘や息子が独り立ちをする時に

またこの旅行を思い出して

沢山経験をできる後押しをしてあげたい

 

そして猿ヶ京温泉の皆さん、またお邪魔するので

よろしくお願いします。

 

以上、本日のテーマはヒト活(一人活動)でした