槍ヶ岳の続きを書こう書こうと思いつつ、手をつけられずにいる。

出す情報を吟味して、わかりやすい分量と流れで文章で書く、という行為に拒否反応。つまり、いま仕事でそればっかりやっているからだ。


今年度は具体的な企画を通すことができず、長期戦の大型商品を来年度に出すべく下準備ばかりしている。

ということは、目先の、追われる仕事がないということで、そんな暇な人員を遊ばせておくような職場でもないため、ふだんならライターだの編プロにまるっと投げるような仕事がまわされてきている。あるいは、販促部隊がやっているような仕事も。

そんな訳で、説明調の文章を、いちから起こすという作業に飽き飽きしているのだ。


仕事でのいろいろな事情の疲れている昨今。頭を使わない暇つぶしをしたいなーと、本屋のマンガコーナーを物色していたら…

日出処の天子の、豪華版が並んでいた!

ああ、なんて美麗な絵!!すっごくほしいけど、でもストーリー知ってるもんなあと思って見送った。

ところで、私は相当な量のマンガを読んできているのだけれど、いままで読んだなかで、恋愛モノなら一番の名作は「日出処の天子」だと思っている。

読んだのが高校生という思春期だったせいもあるかもしれない。でも、あの厩戸王子の激しくて苦しい恋は胸を抉って忘れられない。刀自子郎女の狂気、大姫の苦悩も、心に残る。

本当に、あのマンガを読んだときの衝撃は忘れられない。なぜそんなにもあのパッとしない蝦夷にとらわれ、すべてを賭けてまで求めるのか。報われないことに気づかないはずもないのに、なぜそこから目をそらして、自分も相手もどこまでも追い詰めるのか。恋愛の恐ろしさと、その根底にある人の不完全さに戦慄した。


でも大人になってから、恋愛が主題のマンガにはのめりこめなくなってしまったなあ。

「ときめきトゥナイト」や「星の瞳のシルエット」から始まって、子どものころは、そればっかり求めていたのに。紡木たくとか宮川匡代にはまったこともあったし、池田理代子を読みまくった頃もあった。

いま恋愛モノを読むとしたら、魚喃キリコか西炯子くらいだ。


結局、どれが面白いのかわからず新しいマンガは読めていない。マンガはやめて、田辺聖子でも読むことにしよう。