決していまが不幸なわけではない。
十分恵まれていると言えるだろう。日々、笑ったり、楽しんだり、何かに興味をもったりしながら生きていられる。


でも、どうしてだろう。
年をおうごとに、持ち物が減っていると感じるのだ。
母を亡くし、配偶者を無くした。少しずつ少しずつ、私の人生は暗くなっていくように思えてしまう。
それは、仕方のないことなのだろうか。年をとって可能性が少なくなる、そういうことなのだろうか。

そんなことを考え出すと、刹那の楽しみが途端に色褪せ、生きていくことが、ただ苦行に思えてしまう。


いかんいかん、幸せなことを考えなければ!確かに幸せだと感じるあの瞬間は、たとえ刹那といえども本当なのだから。