次に住みたい街は、もうだいたい目星をつけてある。

3駅くらい候補があるから、週末ごとに各駅に行ってみて、どこにするか心を決めたい。家賃の相場もきちんと調べなくちゃな。


部屋は古くてもいいんだけど、洗面台と台所が使いやすいところがいい。それと、部屋が明るいこと。そして、押入れタイプの収納ではなくて、洋服をかけられるようになっているクローゼットがあること。

押入れ形式が使いにくいことは、夫と一緒に住んだ2つの部屋で学んだ。押入れの中に突っ張り棒みたいなものをしてかけることもできるけれど、あれは必ず「落ちる」という悲劇を起こすから嫌いなのだ。

押入れはどんなに広くても洋服がかけられないため、結局クローゼットを別に置くことになり、部屋をとても狭くする。


夫は繁華街のある街が好きで、お店のたくさんある街でないと嫌がったけれど、私は逆なのだと気づいた。いや、ずっと気づいていたけれど、夫に合わせてその思いを封印してしまっていたのだ。

私は、帰り道にスーパーが1軒あればよくって、その代わりに部屋の使いやすさにこだわりたかったのだ。

家賃の高いしかも会社から遠い繁華街で、狭くて暗くて使いにくい部屋に住んでいたことは、私にとってとてもストレスだったんだなあ、と今さらながら驚く。


…結婚前、一度だけ私が希望するような場所に賃貸物件を探しに行ったことがあった。着いた駅は夫の気にいるような、店のいっぱいある感じではなく、かつ、夫が嫌う国道が走っていた。駅前をちょっと観察して、夫は「もういいでしょ」と言った。私は当然、他の街を見に行ったときと同様に不動産屋に行くものと思っていたのでびっくりしたのだけれど、夫の「こんなところは絶対にいやだ」という気持ちが表れている顔に、「不動産屋に行こう」と言えずそのまま帰ったのだ。きっと夫は、私もその街に幻滅したと思ったのだろう。言えなかった私も悪かったのだ。

本当は家賃相場からいっても、会社からの近さからいっても、その駅で部屋を探したかった。その街でなら、私の望む、使いやすくて広くて明るい部屋に、同じ家賃で住めたはずだったからだ。


もっと上手に自分の意志を伝えられなかったこと、夫も私の気持ちを聞こうとしなかったこと。それが私たちの敗因だったのだろう。