「受け入れる」




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私は
自動車整備士資格を持っています。

今はリアルにツナギを着て
メカニックはしていませんが
技術的な分野の仕事をしています。

机に座っているから事務が多いですが、
日々整備解説書と実車を行き来しています。


「車好きなんだね」
と言われますが、

まあ好きではありますが

別に整備士になる事が私の夢だったわけではありません。


高校を卒業して初めて工場の一般事務で就職しました。
ですが叔母さんが達が意地悪に見えて、
とかイヤになり一カ月で退社。


親には呆れられ、
完全に無視状態。


同じ家には住まわせてくれたけれど
その他は全て別にされ
一文無し。

だから
夜はスナックのバイト
昼間は工場の流れ作業で生活費を稼ぎました。
集中出来る流れ作業はとっても好きでした。

いつもチェックしていた求人広告に
少し心が動いた会社がありました。

車にオーディオを取付する会社。
すぐに応募。採用してもらえました。

身体を動かす仕事は楽しかった。
仕事頑張ろう!
と意気込んでとやっていましたね。

ここでお付き合いする同僚の彼が出来て
職場恋愛で、その中では色々あり
結果、私だけ会社を辞めさせられました。


悔しくて、
ものすごく悔しくて、
「なぜ!私が辞めさせられたのか!」
そればかり思っていました。
彼ともいつも良い争っていました。
「あんたも辞めなよ!」なんて言って罵倒していました。

少したったら

「なら、あの子を辞めさせて後悔したな」
と思わせてやる!
と執念の復讐劇。

そうとなったらまた、
夜はスナック、昼は工場で働き

お金があまりかからない様にと
職業訓練校の道を調べ、
受験勉強して合格。
(だって方程式も忘れていたから)


2年間
ひたすら勉強勉強
晴れて2級自動車整備士に合格しました。


そしてその後も色々ありながら
今にいたります。


そんなわけで、
私の自動車整備士資格は
私をないがしろにした人達への怒りと復讐のパワーで取得した資格。



その資格が今の生活の基盤を作っているなんて、なんだかとっても滑稽な感じ。

そして夢中でやってきた怒りと執念の中で培ってきたものが、私の中で根を張り
今の私をも作っている。


この道にこなければ、
多分今、私が一緒にいたい人達には誰一人として会えていない。


この不思議な、
絡まっている様で
決まっていた様な事。

「もういいじゃん」と
そういう事を全部受け入れてみようと思った今日でした。


夏月。