こんにちは!

先日、朗読劇「孤島の鬼」に出演しました!
演じたのは箕浦金之助という青年の役です。

今までも朗読劇で、少年の役は何度かやってきましたが、2時間ぶっ続けで30手前の青年を演じさせていただくのは初めてだったので、かなりのチャレンジでした!!

楽しかった……。

箕浦は主人公であり、朗読劇では語りの部分の多くを箕浦が担当していたこともあって、ほとんどずっと喋りっぱなしで、体力勝負な側面もありましたが、おかげで良い緊張感・集中力でやり切れたかなと思います。

江戸川乱歩の「孤島の鬼」を読んだ一読者として、感じたことですが、これは、少数派の嗜好や思想・特徴を持った人物たちのための物語だなぁと思いました。
(以下、朗読の脚本に書いてある通りの表現を用いることをお許しください)

箕浦はあくまで読者目線のキャラというか、彼の物語であるようで、乱歩が描きたい本当のテーマの主人公となっているのは、丈五郎のような〈片輪〉であったり〈不具者〉であったり、諸戸道雄のような恋愛の嗜好が〈普通と違って〉いる者だったように思います。

特に今回の朗読劇では諸戸道雄の物語がピックアップされていたわけですが、一見ハッピーエンドかに見えるエピローグにおいて、スペイン風邪で道雄だけが呆気なく死んでしまっていたり、その前段の洞窟のシーンで、ずっと恋していた箕浦に、完璧に拒絶されてしまっていたり

道雄目線で観るこの物語はとても切なくて苦しくて、どうしようもなくて、

箕浦は最後、道雄の死に関して「本当の友はもういない」と語って締めたのですが、

箕浦にとって「本当の友」がいなくなったのはきっとあの洞窟の中なのだろうし
道雄にとって箕浦は最初から「本当の〈友〉」じゃなかったのだろうし
なんて残酷な一文で終わるんだろう……と、本番中読みながら思っていました…笑

この人間同士の関係の中で起こる、誰にもどうしようもない、誰が悪いわけでもない残酷さ、凄惨さというのが

子供の頃の夏川に「人って怖いよね」ってことを嫌というほどわからせにきてた江戸川乱歩の〈THE・江戸川乱歩〉という部分だなぁと思いました。

これはほんと、しばらく引きずっちゃうぜ。


いやしかし本当にいい経験でした!
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!


ばいなーんす!