こんにちは!なついちです!


第七回目は

「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」です!





いきなりクレヨンしんちゃん!?と思ったでしょう?

というのも最近大人になるとは何かとか、そういったことを聞かれたり感じたりしたことがたて続いてそういった作品って何かあるかなーとふと気になりました。
すると記憶の引き出しの意外なところにピッタリの作品があったのでこれだ!と思い、今回の記事を書く経緯になったわけです。

あらすじ

春日部に誕生した「20世紀博」。そこはひろしやみさえたちが育った70年代のテレビ番組や映画、そして暮らしなどを再現した懐かしい世界にひたれるテーマ・パークだった。大人たちは子どもそっちのけで夢の世界に熱中。やがて、街から大人たちが消えてしまう。


この映画は歳を重ねるにつれて増えていく
「懐かしい」という感情に重きをおいたものだとして書かせていただきます。

この映画をはじめてみた時、僕はまだ子供で
(かといって今が大人かと言われたらなんとも言えませんが、、😅)ただ単純に面白い映画として見ていました。

それもそのはずで、2000年代前半のクレヨンしんちゃんの映画はギャグのクオリティがビックリするほど高く、今でも見直すとあの頃と同じように笑ってしまうくらいです。
(筆者が成長していないのでは?という疑問はナシでお願いしますね🙏)

沢山笑えて最後はいい話でハッピーエンド。
これが、小さいときに僕が抱いたこの映画の感想です。

間違いではないですが、この映画の芯を理解するには年齢を重ねるというのは避けては通れないものです。

それほどまでに大人にとって感慨深い映画だと思っています。

冒頭で触れましたが、「懐かしい」という感情がこの映画の肝になっています。

子供の頃の懐かしいおもちゃや遊びをして、
大人達の懐かしいという気持ちが最高潮になったころ、洗脳され、二十世紀博に誘拐されてしまう大人達。

子供のときにこのシーンを見たとき、いい大人が古いものに洗脳されて、自分の子供すら見捨てて
何をしてるんだ。と思ったのを覚えています。

その感想を抱くのはいたって当然で、この映画の対象の年齢ではほとんど懐かしいという感情は抱いたことがないからです。

作中、風間くんがこんなことをいっていました。
「懐かしいってそんなにいいものなのかなぁ?」
これこそがこの映画をみた小さい子供達が抱く感情そのものだと思います。

懐かしいという感情の楽しさ、そして怖さというのは年々分かっていくもので、この映画を見るたびにハッとさせられます。

懐かしいっていうのは怖いよ!と伝えてくれているこの映画ですらもう懐かしい分類になっているのがなんとも皮肉というか、、、


大人になるということは、沢山のものを失う。ということだと僕は思っています。

たしかに自由に使えるお金も、どこでもいける便利な乗り物も大人の特権です。

だから今が最高か、と聞かれたら自信満々にそうだと答えられる人。一体どれだけいるでしょう。

どれだけ便利な生活を送っていても、
どうして学生時代の他愛もない一日がこんなにも愛おしいのでしょうか。

なんでもない日常だったはずの1日が、どうして人生の宝物になるのでしょうか。

学生時代から遠退けば遠退くほどあの日々は輝いて見えます。

苦しいこともあったし、辛いことも沢山あった。それなのにどうしてあんなにも楽しかったと心から思えるのでしょうか。

それは人という生物が過去にすがりながら生きていく生き物だからだと思います。

学生時代の友人と飲みに行くと100%学生時代の話をします。それが結局一番盛り上がるし、話していても楽しいです。

社会は本当に辛い場所です。
理不尽なこともあるというより、理にかなっていることを見つける方が難しいです。

毎日毎日、友達でもない人たちと十時間近く楽しくないことをして、たまの休みも疲れたからだを癒すためについつい使ってしまいます。

そして疲れが抜けない間に休みが終わってまた一週間が始まります。

そんな救いがないような世界で生きていても、揺るぎない心の拠り所があります。

それが「懐かしい記憶」です。

あの頃は楽しかった。あの頃は気楽になんでもできた。

過去を振り返ったところで現状は何も回復はしませんが、遠くにいる友のことを考え、あの頃を思い出し、クスッと笑ってしまう。

過去があるから人は生きていけます。
過去を支えに人は生きていきます。

大人になって時代も何もかもが変化していくなかで唯一思い出はそのまま変わることも何もありません。

変わらないものへの安心感というのは計り知れないもので、絶対的な安心感のもとになります。

過去を振り返るな!という人がいますが、過去も振り返れないならそんな人生はまっぴらごめんですね。

過去にすがりながら、いばらの道を這いずり回って生きていく。
そんな経験がある人が是非ともこの映画を見てほしいです。

過去は間違いなく素晴らしい。でも、前に進まなければならない。

そんな苦悩を抱いている大人だからこそ、子供向け映画で、泣いてみる日があってもいいのではないでしょうか?


子供向け映画だとしても、大人になるほど見る価値が上がっていく、そんな映画だと思います。

今回は思い出したときにふと見たくなる。そんな作品の感想でした。

以上、なついちでした👋