数日前の地下鉄での素敵な出来事




帰宅ラッシュの地下鉄の駅は、今日も人で溢れていた。

毎日の事とは言え、少し溜息が漏れる。






そんな私の眼の前を、白状の女性が通り過ぎた。

更に彼女のすぐ前には、次の電車を待つ人の列が。



杖で行先を探っていても、避けられず列にぶつかってしまう。


「前に人がいますよ」


思わず、声をかけ、彼女の腕に手を掛けていた。


「有難うございます」


笑顔で御礼を伝えてくれる彼女と私のもとに駅員さんが駆けつけてきた。


「お帰りなさい。

    今日は、早いんですね」


駅員さんが彼女の手をとり、2人はとても自然に笑い合いながら私から離れていった。


残された私は、少し驚いていた。


駅員の男性は、前から見かける顔だった。

たくさんいる職員の中で、彼が特に記憶に残っていたのは、ラッシュの人波を整列させる為の声かけが高圧的で、いつもイライラしている雰囲気が怖かったから。


思いがけず、垣間見た彼の優しさ。


彼女はきっとこんな風に、私達には見えない風景を見て、日々を生きているのだろう。






何だか温かなモノが心に広がって、溜息はどこかに消えていた。


🚆  🚆  🚆


後日談


彼は、今日も不機嫌に

人混みを整列させていました


あの優しさを、私達にも見せてくれたら

彼のみる風景も変わると思うのは、


私だけ・・・?