昨日、観劇してきました。
劇団スワットの「君の青空2017」。
戦時中の話ですが、戦争のシーンなどはほとんど出てきません。
主に描かれているのは、戦時中を生きた人々の他愛もない日常の笑いや触れ合い。時代に翻弄されたそれぞれの人物の葛藤、想い。
そして、夢。
戦争の悲惨さを描く作品や、特攻を勇ましく描く作品など、たくさんの戦争に関した映画や舞台がありますが、私はこの作品が1番好きでした。そして、子どもたちがもう少し大きくなったら見せたいと思いました。
快活に笑い、軽やかに冗談を言い合う。
時にみんなで大騒ぎし、仲間がいてよかったと労いあう。
そして、夢 がある。
そういう 日常 の狭間に、戦争があったのだ。
抗いようがない大きな波に飲まれてしまったのだ。
そう、そこには 日々を生きている人たち がいたのだ。
息子が徴兵された母親。
子どもが帰ってこない父親。
死にたくなんかない若者。
子どもたちの未来を憂う教師。
死にたくても死ねなかった男。
夢がある男。
よく、戦争物の作品では、過度な笑いや冗談がなかったり、笑いがあってもそこに悲しみが漂っていたりするものが多いです。
でも違うんだよね、スワットは。
ちゃんと、明るい。
で。
私は、それがほんとうだと思う。
だって、それが人間だから。
ちゃんと明るく、ちゃんと辛い。
だから、余計悲しい。
戦争反対!!!
と声高に叫ぶのでもなく、死んでいった人たちを美化するのでもなく、戦争の悲惨さを描くのでもないのに、
どんな作品より、戦争は二度と繰り返してはいけない
と、思わせてくれる。
それはたぶん、作演出である四大海が
人間はとても逞しく強い。
人間はとても弱くて脆い。
人間はとても美しく明るい。
人間はとてもずるくて不完全だ。
それは 知らない誰か じゃなく、紛れもなく自分自身の中に全てある。
ということを、見つめているからじゃないかな。
私の勝手な想像だけど。
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先月思い立ちカタカタと書いた童話の中の文章と、リンクした瞬間があった。
想像するんだ。
ソウゾウ?
夢を見るんだ。それが、この世界を楽しむヒントなんだぞ。
↑こんなことを書きました。
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理想論だと言われてもかまわないけれど、
戦争に対抗できることがあるとするなら、
夢を見ること
だと思います。
自分自身で見てふれて、感じ、
そして夢をみること。
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この作品を今観られたこと、そしてたった数年ですが、この劇団の仲間でいられたことを心から誇りに思います。
とても、よかった。
ありがとうございました。