「それでは、お願いします」

 

と言い残して、母は家に帰っていった。

 

「もし、具合が悪くなったら保健室のベッドを

 

使って休んでね」

 

保健の先生が優しく話しかける。

 

そういわれると、その気持ちに報いてテストも

 

少しでも結果を残したくなる。

 

しかし、鉛筆を握る手に痛みがあり、

 

ただ座っているだけなのに

 

膝の関節痛もあるため集中力が途切れる。

 

テスト対策はおろか

 

授業もまともに受けられていないので

 

自信をもって解けたという

 

手ごたえがない。

 

テストを受けるという緊張感からか

 

保健室のベッドは

 

使用することはなかった。

 

 

まもなくして1学期の成績表が配布された。

 

開いてみると5段階評価で

 

『1』か『2』のオンパレードだ。

 

小学6年生までは優秀とはいかないまでも

 

3以下の成績をもらったことがないだけに

 

わたしのプライドはズタボロだった。