邦題:君のためなら千回でも

英題:The Kite Runner (2007)

 

1970年代のアフガニスタン、カブールを舞台に

二人の男の子、アミルとハッサンの友情物語

 

 

 

予告編

https://www.youtube.com/watch?v=sLtavGjAOJY

 

 

あらすじ(wiki)

https://ja.wikipedia.org/wiki/君のためなら千回でも

 

 

 

 

2003年にアメリカで出版された

アフガン人のカーレイド・ホッセイニ氏の本をもとに

アメリカで映画化なんですね

アカデミー賞の作曲賞にノミネートされています

 

 

 

 

アフガニスタンが舞台ということで

人種の問題、ソビエト侵攻とそれにつづく

タリバン政権による支配、西洋諸国との摩擦、戦争

などなど、映画にもその暗い影が色濃く反映されています

 

 

 

 

主役は、ふたりの男の子

アフガニスタンで最大人口を占めるパシュトゥーン人で

裕福な家庭の息子、アミルと

少数民族で歴史的にいつも虐げられてきた

モンゴロイド系ハザール人である

アミルの家の使用人の息子、ハッサン

民族も受ける教育も全く違うのだが

同じ年頃で、同じ敷地内で育ったため

兄弟のように仲がいい

ハッサンは、特に凧揚げの腕前は天性のもので

二人一組で競い合う大会において

父の期待に応えて

アミルとハッサンは優勝を勝ち取るのでした

 

 

 

 

 

 

 

 

その凧揚げ競技は、青空に高く舞い上がる凧同士

自在に糸をあやつって、戦う相手の凧の糸を切って

落とすというもので、落とした相手の凧は戦利品

糸を切られてコントロールを失った戦利品を

アミルのために、取りに走るハッサンが叫ぶ

「君のためなら、千回でも、取りに走るさ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そのアミルは典型的なぼっちゃん育ち

父から医者になることを期待されるのですが、、、

実のところ、物書きになりたいんだ

と正直に伝えます

読み書きのできないハッサンに

自分の作った物語をきいてもらったり

父の友人のラヒムおじさんに応援してもらったことが

励ましとなって書き続けることができ

やがて、成長したのち、出版にこぎつけるのでした

 

 

 

 

 

 

 

 

けれど、凧揚げ大会で優勝した日

落とした凧をアミルのために取りに走った

ハッサンを待ち受けていたのは

いつも日常的にハザール人であるハッサンを

見下し、いじめていた、パシュトゥーン人の三人組

ハッサンは、凧を引き渡すことを拒否し

レイプされてしまいます

むむむ、これは、相当に厳しい、、、、

そして、ちっとも帰ってこないハッサンを

探し回っていたアミルは

その現場を目にするのですが

怖気付いて、声も出せず、そっとその場から

逃げ出してしまいます

ハッサンはアミルがいたことを知らないまま

アミルは罪悪感から

ハッサンを遠ざけてしまい

ふたりにとって

これが永遠の別れになってしまいます(泣)

 

 

 

 

1979年にソビエト連邦の侵攻が始まり

アミルと父は、家を捨てて、命からがら

アメリカに亡命します

ソ連軍により緑豊かだった土地の木々は伐採され

建物は荒れ放題となります

その後内戦状態となった国を制圧したのは

タリバン政権でした

 

 

 

亡命後のアミルの家を守っていたのは

父の友人ラヒムおじさんでした

しかし、彼も年老い、健康を損なって

より良い医療を受けるため、パキスタンへ出国

成長したアミルは、カリフォルニア州に落ち着き

結婚もして、出版記念講演を準備していたところ

ラヒムおじさんから電話がかかり

パキスタンに彼を訪ねて行きます

なんたって、物書きになることを応援してくれた

大事な人ですからね

 

 

 

そして、そこで、驚愕の事実を知るのでした

ラヒムおじさんは、自分が出国する前に

いろんな使用人を雇ったけれど、裏切りが多く

ある日、市場でハッサンの家族と偶然再会

彼らを改めて、家に迎えたと話してくれます

そして、ラヒムおじさんがパキスタンに出国した後も

ハッサンと奥さんは

アミルの家を守ってくれていましたが

建物の引き渡しを拒否したために

タリバン政権に殺害されてしまったことを

聞かされるのでした

 

 

 

打ちひしがれるアミルに

ラヒムおじさんは畳み掛けるように話を続けます

ハッサンは、実はアミルの兄弟だったこと

誠実で皆から慕われており尊敬していた父が

ハッサンの母と通じてできた子どもだったのだと

そして、ハッサンには、息子があり

アフガニスタンに取り残されたまま

孤児院に収容されているのだと

ラヒムおじさんは

残された、アミルのたったひとりの甥っ子である

ソーラブを探し出し助けだしてほしいと告げたのでした

 

 

 

ええっと

あんなに情勢不安なところへもう一度もどれってか?

こちとら、いのちからがら、USAに亡命して

ようやく生活が安定したところなのに、、、、

と、思うのが、まあ、普通ですが

ラヒムおじさんは

今は亡きハッサンからの手紙を

そっと差し出すのでした

文盲だったハッサンが独学して書き上げた

アミルへの手紙は

アミルを責める言葉は一つもなく

ただ、ただ、幼馴染の友達をなつかしみ

愛おしむ文章だったのです

泣けるなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、アミルは決心します

甥っ子、ソーラブを助け出して見せる!っと

おいおいおいおい

大丈夫かよ〜というところですが

タリバン戦士に

まあ、なまっちろい肌につけ髭なんぞ

一発で見破られて、殴られ放題

生まれながらに、自国での恐怖や虐待に

耐え抜いた甥っ子のほうが

勇気と行動力100倍

これまた、いのちからがらに、脱出成功します

 

 

 

USAにもどったアミルとソーラブの二人

あまりの環境の違いにソーラブは

人にも生活にも平和にも

すぐには馴染めないでいます

けれど、ソーラブの心をほぐしてくれたのは

かつてのアミルとハッサンの絆であった

凧揚げでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アミルが、ソーラブを探しにでかけた

アフガニスタンの孤児院で

責任者の放った言葉が突き刺さります

 

週になんどか抜き打ち的に

タリバン戦士がやってきて

わずかなお金とひきかえに

適当に、女の子や男の子を連れて行ってしまう

だけど、それに責任者の彼は抵抗できないでいる

 

それをアミルが、わずかなお金とともに

子どもを売るのか!と責めると、、、

 

 

 

 

抵抗すれば

連れ去られ予定だった子どもの数以上のこどもたちが

この場で射殺されるんだ!

それにその僅かなお金で、ここにいる子たちの

食料がまかなえる

自分のためじゃない

わたしのこの格好をみろ

だれもこの孤児院をたすけてくれるものはない

わたしはわたしの持てるものすべて

この孤児院にささげたんだ

おまえは、ただ、自分の甥っ子ひとりを

助け出してアメリカに連れて行き

ヒーローになった気分になるだろうが

ここには何百人という孤児が

まだ、残されたままなんだ!

(きっつうううう、でもその通り)

アミル、ぐうの音もでません。

 

 

 

 

遥か彼方の昔、4大文明の発祥地であった

豊穣極めたこの土地をめぐって

まだまだ、混迷を極めるアフガニスタン

戦争で一番辛い思いをするのは

女性やこどもたち

原作者は

映画の冒頭でチャリティを呼びかけてました

できることから、すこしずつ!