『チーム・バチスタの栄光』
表題は、ミステリー好きならご存じの通り、海堂尊のデビュー作で、第4回このミス大賞受賞作である。
その後、関連作2冊が著され、チーム・バチスタ三部作といわれる一連の作品となった。
『チーム・バチスタの栄光』が序であり、個性的な登場人物を実に強烈に印象づけてくれる。その9ヶ月後に起こった「事件」を中心に『ナイチンゲールの沈黙』が展開され、その時を同じくして裏側で展開していたある出来事が、『ジェネラル・ルージュの凱旋』で語られる。そうした三部作である。
実際には『ナイチンゲール…』と『ジェネラル…』の間には『螺鈿迷宮』という一冊があるが(時間軸的には『ジェネラル…』の後になる)、舞台が違うのでここでは割愛。
もちろん、一作一作が独立して完成されたエンタテインメントであり、間違いなく一流のミステリーだ(三作目は厳密にいえば「ミステリー」ではないかもしれないが…)。
とにかく、主人公を始め、登場人物のキャラクタ設定が絶妙で、皆くっきりとした輪郭を持っている。今風にいえば、「キャラが立っている」のだ。
その上、確乎たる知識の上に構築された物語世界が生き生きと展開する。舞台は、病院という閉鎖組織であり、事件はそのコップの中で渦巻く嵐でもある(もちろん、社会的にも大きな影響を及ぼすのだが)。作者自身、現役の医者であるが故に、この物語がリアリティを持って迫る。
これは映像化される為に書かれたような本だな、と、一冊目を読んだ時から感じていたが、やはりほどなく映画化もされた。
しかし、日本の映画ってどうしてそうなのか?
原作の「神経内科教室の万年講師、不定愁訴外来(別名愚痴外来)という窓際セクションの責任者。あだ名は“行灯(あんどん)”……という、さえない40男」という設定をバッサリ切り捨て(としか言えない)、主人公の田口役に20代のピチピチ美女(死語)竹内結子を配してしまった。
主役がさえない40男という設定のままでは、映画が売れないということなのか。
しかしそれは、仮にも「このミス大賞」をとって評価も高いこの作品と、何よりミステリファンに対しても、失礼な話じゃないかと。
しかも、第2の主役といえる白鳥役に……この人物は、設定では小太りで、アルマーニを来たゴキブリのような、アンバランスな印象の「嫌みなやつ」あだ名は「ロジカル・モンスター」なのであるが……今をときめく(死語?)阿部寛である。でかい。でかすぎる。
キャラクターが濃い、というくらいしか共通点がない。
(あえて言えば、阿部寛は「ジェネラル」の為にとっておいて欲しかった……あれならばピッタリなのに)
何はともあれ、主人公がムサい中年男2人ではダメなのだきっと。ナニがなんでも美男美女でなければ……と考えると、自然と映画はスルーする方向で脳内決定された。
なにしろ、先にこの小説を読んだ人ならばわかると思うが、あまりにもキャラクターが生きているので、自分の中で「田口が美女」というのが、どうしても受け入れられなかったのである。
が、今度は、「チーム・バチスタ、TVドラマ化」というニュースが!
やったー、今度はちゃんと男だ! ただし、何故か年齢はぐーーっと下がっているが。
でも、原作の田口医師は、出世の道に興味なく40過ぎてしまった男だが、TVの方では「このままいけばそうなっていくだろう」感じの設定のようだから、まあよしとしよう。
が、しかし、やっぱり白鳥には美男系(仲村トオル)が……でもまあ、シブいしキレテツな感じもするし、これはこれで……。むー、どうしよう、見るべきか……などと逡巡していたら、先日の渋谷行きの時、目の前のビルの壁にデカデカとこう書いてあった。
は、犯人は一体誰なんだっ!
気になるじゃないか……というわけで、今クール、見るドラマのひとつに決定。
だって、あの人じゃなかったら……ただでさえ全員怪しいのに……考えるだけで楽しいじゃないか…♪
案外単純な我ら夫婦。簡単にTVの戦略にのせられてしまった。
火曜に放送の第一回、これが思いの外よい出来で。ううっ、来週が待ち遠しい。
アホな話だが、この三部作を読み終えたあと、映像化されるとしたら田口は誰だ、白鳥は、院長は……と、夫婦して勝手にキャスティングして楽しんでいた。実際の映像化って、それが音を立てて崩れる瞬間でもあるよね。
その後、関連作2冊が著され、チーム・バチスタ三部作といわれる一連の作品となった。
『チーム・バチスタの栄光』が序であり、個性的な登場人物を実に強烈に印象づけてくれる。その9ヶ月後に起こった「事件」を中心に『ナイチンゲールの沈黙』が展開され、その時を同じくして裏側で展開していたある出来事が、『ジェネラル・ルージュの凱旋』で語られる。そうした三部作である。
実際には『ナイチンゲール…』と『ジェネラル…』の間には『螺鈿迷宮』という一冊があるが(時間軸的には『ジェネラル…』の後になる)、舞台が違うのでここでは割愛。
もちろん、一作一作が独立して完成されたエンタテインメントであり、間違いなく一流のミステリーだ(三作目は厳密にいえば「ミステリー」ではないかもしれないが…)。
とにかく、主人公を始め、登場人物のキャラクタ設定が絶妙で、皆くっきりとした輪郭を持っている。今風にいえば、「キャラが立っている」のだ。
その上、確乎たる知識の上に構築された物語世界が生き生きと展開する。舞台は、病院という閉鎖組織であり、事件はそのコップの中で渦巻く嵐でもある(もちろん、社会的にも大きな影響を及ぼすのだが)。作者自身、現役の医者であるが故に、この物語がリアリティを持って迫る。
これは映像化される為に書かれたような本だな、と、一冊目を読んだ時から感じていたが、やはりほどなく映画化もされた。
しかし、日本の映画ってどうしてそうなのか?
原作の「神経内科教室の万年講師、不定愁訴外来(別名愚痴外来)という窓際セクションの責任者。あだ名は“行灯(あんどん)”……という、さえない40男」という設定をバッサリ切り捨て(としか言えない)、主人公の田口役に20代のピチピチ美女(死語)竹内結子を配してしまった。
主役がさえない40男という設定のままでは、映画が売れないということなのか。
しかしそれは、仮にも「このミス大賞」をとって評価も高いこの作品と、何よりミステリファンに対しても、失礼な話じゃないかと。
しかも、第2の主役といえる白鳥役に……この人物は、設定では小太りで、アルマーニを来たゴキブリのような、アンバランスな印象の「嫌みなやつ」あだ名は「ロジカル・モンスター」なのであるが……今をときめく(死語?)阿部寛である。でかい。でかすぎる。
キャラクターが濃い、というくらいしか共通点がない。
(あえて言えば、阿部寛は「ジェネラル」の為にとっておいて欲しかった……あれならばピッタリなのに)
何はともあれ、主人公がムサい中年男2人ではダメなのだきっと。ナニがなんでも美男美女でなければ……と考えると、自然と映画はスルーする方向で脳内決定された。
なにしろ、先にこの小説を読んだ人ならばわかると思うが、あまりにもキャラクターが生きているので、自分の中で「田口が美女」というのが、どうしても受け入れられなかったのである。
が、今度は、「チーム・バチスタ、TVドラマ化」というニュースが!
やったー、今度はちゃんと男だ! ただし、何故か年齢はぐーーっと下がっているが。
でも、原作の田口医師は、出世の道に興味なく40過ぎてしまった男だが、TVの方では「このままいけばそうなっていくだろう」感じの設定のようだから、まあよしとしよう。
が、しかし、やっぱり白鳥には美男系(仲村トオル)が……でもまあ、シブいしキレテツな感じもするし、これはこれで……。むー、どうしよう、見るべきか……などと逡巡していたら、先日の渋谷行きの時、目の前のビルの壁にデカデカとこう書いてあった。
犯人は、原作と違うらしい
な、なぁ~~~にぃ~~~!? (c) クールポコ
な、なぁ~~~にぃ~~~!? (c) クールポコ
は、犯人は一体誰なんだっ!
気になるじゃないか……というわけで、今クール、見るドラマのひとつに決定。
だって、あの人じゃなかったら……ただでさえ全員怪しいのに……考えるだけで楽しいじゃないか…♪
案外単純な我ら夫婦。簡単にTVの戦略にのせられてしまった。
火曜に放送の第一回、これが思いの外よい出来で。ううっ、来週が待ち遠しい。
アホな話だが、この三部作を読み終えたあと、映像化されるとしたら田口は誰だ、白鳥は、院長は……と、夫婦して勝手にキャスティングして楽しんでいた。実際の映像化って、それが音を立てて崩れる瞬間でもあるよね。
