オフィーリアと緑の休日 | 猫なでにき

オフィーリアと緑の休日

月曜日、祝日だからとのんびり朝をまどろんでいたら、連れ合いが急に私を夢の中から引っ張り起こした。
そして、こうのたまった。


「オフィーリアの川流れ、見に行こう」


……あーいや、言いたいことはよくわかる。

こないだから、行くなら一緒にと行っていた展覧会「ミレイ展」のことだ。
連れの言う“オフィーリアの川流れ”とは、ミレイの一番有名な絵画、これのことなのだな。


オフィーリア



しかしなんて言い方だ。
オフィーリアは河童かっ。キュウリ相撲が好きなのかっ。

まあそんなことはさておいて、会期も残り少ないし、いいアイデアだな。よし、急いで支度をして出かけよう。

ミレイ展看板
というわけで、ミレイ展。
ふたりでBUNKAMURAに来たのは1年ぶりくらいかな。前は演劇を観に。仕事帰りでバタバタだったから、こんな時間からゆっくり来るのは珍しいことだ。

しかし休日の美術館、しかも滅多に来ない絵が見られるというので、会場の混みようもなかなかすごかった。

一番人気は、当然ながらオフィーリアの川流れ……じゃなかった、「オフィーリア」だ。
絵の背景になっている場所の、現在の写真などもあって、おおー!実際にある場所なんだ!と感動。
いつか行ってみたい場所の脳内リストに早速追加。

近代の作家だけに、絵のモデルになった人物も特定されているものが多く、エピソードもいろいろ伝わっている。
オフィーリアの絵のモデルをつとめた女性は、実際に古めかしい衣装を身にまとい、湯をはったバスタブに体を沈めるポーズをとって数時間も、画家の要求に応えたという。
そのうちに湯がすっかり冷め、その後体調を崩してしまったらしい。モデルをするのも命がけなのだな…。


その他にも沢山の名画が並んでいたが、ミレイの娘達がモデルになった絵の数々が、愛らしく目をひいた。特にその中で人気を集めていたのはこの絵だ。

お説教

タイトルは、左が「最初のお説教」、右が「二度目のお説教」。

ミレイの一番上の娘が、教会で神父の説教を聴いているうちに眠りこけてしまった様子らしい。初日はシャンとしてたけどね…(笑)愛情溢れる、微笑ましい一対になっている。

他にも3人の娘と2人の息子、そして妻をモデルにした絵があった。商業的に売れる絵も沢山描いたミレイは、画家としてはとても成功した人物で、非常に裕福な暮らしだったという。
その商業的に受ける絵を描くことを応援したのは妻らしい(まあそれはいつの時代も同じことかな)。

そしてこの妻、元はミレイの恩人であったジョン・ラスキンの妻だった。ミレイの略奪婚は、そりゃあ大スキャンダルだったそうだ(まあそれはいつの時代も……)。

目当てにしていた絵がなかったりと(「盲目の少女」とか)若干のがっかりもあったが、それ以上に、こんなに素晴らしい絵の実物を見られたのだし、満足満足。


BUNKAMURA中庭
会場を出ると、目にうつる緑がすべてミレイの描く植物に見えてくる。美しい。

でも本当は、それ以上に食欲がそそられるものが沢山並んでいたのだが……。美味しいのはわかってるが、ドゥ・マゴは値段が高いっ!
目の毒だから退散退散っ。

東急屋上
そういうわけで、すっかりお昼時だったので、東急の地下で折り詰めを買って、屋上へ。ここにも緑、緑(売り物だけど)。


天気もいいし、いい絵を見て、のんびりした時間をすごして、ゆっくりと家へ帰ってきた。
連休の最後にふさわしい、ゆったりした一日だったなあ。





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