「Sunny」悲しみは名曲の源 | 猫なでにき

「Sunny」悲しみは名曲の源

いわゆるスタンダードな名曲というものは、私などが生まれた時にはもう「スタンダード」に存在していて、つまり意識することなく耳に入ってきていたものだ。

そういう、無意識に耳に覚えてしまっているというものは、少々やっかいでもある。実際はよく知らないのに、よく知っているような錯覚に陥ってる場合があるからだ。
ああ、よく聴くあの曲だ。あれは確か誰某の曲……と思いこんで疑わなかったりすると、何かきっかけがないと間違いに気づくことはない。

数年前にフォルクスワーゲンのCMで、ある名曲のカバーが流れた。
背景は雨のシーン。そこに流れる切なげなメロディ。1966年の発表以来、数多くのミュージシャンに愛され、カバーされ続けている曲、『Sunny』。
オリジナルは、Bobby Hebbによって書かれた心揺さぶるTUNEだ。



CMでこの曲のカバーを耳にした時、オリジナルを聴きたい衝動にかられて、CDを買おうと曲のことを調べた。この時にはじめて、間違いに気がついた。私はこの曲はMarvin Gayeがオリジナルだと思っていたのだ。

しかしその上、曲の内容に関しても勘違いをしていたことがわかった。
繰り返すフレーズ
Sunny one so true
I love you
から、恋人への愛を歌っているとばかり思っていた。
しかし、事実はもっと悲しいものだったのだ。

それは1963年の11月も終わる頃。Bobby Hebbの兄のHaroldが、ナッシュビルのナイトクラブの外で、強盗に襲われ刺し殺されたのだ。奇しくもそれはケネディ暗殺の翌日で、世の中が闇に包まれたような空気の中でのことだった。

Bobby Hebbはその深い悲しみに、亡き兄を思い、書きあげたのがこの曲だと言われている。
愛を歌っているはずなのにメロディからにじみ出る哀切は、そういうことだったのかと、今更ながらこの曲が愛され続けている理由が少しわかったような気がした。


それにしても、発表直後からさまざまなカバーをされているのだが、カバーにはカバーの「個性」があるのが面白い。特に気に入っているのが、James Brownバージョン。
あまりにパワフルな「Sunny」! ビデオは1971年のもの。



そして、今時のミュージシャンもカバーしている。
こちらは、Jamiroquaiバージョン。アコースティックで、ACID JAZZな「Sunny」。
帽子をかぶってないJay Kayが珍しい(笑)




この他にも、この曲のカバーはゆうに500を超えるといわれているらしい。なにしろ、いまこの時も、新しいバージョンが増え続けているのだから、凄いことだ。

“Sunny” one so true ……なのだ。



追記:9.14 8:10


ディスコ世代のために、Boney Mバージョン「Sunny」を追加。華やかできらびやかな、ミラーボールなイメージのアレンジで楽しい。





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