僕とミセス・ジョーンズ | 猫なでにき

僕とミセス・ジョーンズ

思い出の曲というものは、何をしている時に聴いても、いつでも同じ時間に引き戻してくれる。これもそんな一曲。

72年に全米ナンバーワンヒットを記録した、Billy Paulの名曲「Me And Mrs. Jones 」
町の小さなカフェで、人知れず逢瀬を重ねる青年と人妻の、切ない時間を綴った曲だ。それは許されない恋。彼女は白人の人妻で、青年は黒人だから。


僕とミセス・ジョーンズ、二人は秘密の関係
それが間違いだって、わかってるけど
ほおっておくには、二人の気持ちは強すぎる


初めてこの曲を聴いたのは、友人が作ってくれたコレクション・テープでだった。当時はまだカセットテープが主流で、MDとかCDとかの時代は遥か先のことだ。
JAZZやブラックコンテンポラリーのアルバムを多く持っていた友人が、その中から「イチオシ」の曲を集めて一本のカセットテープにしてくれたのだ。

音楽好きな彼のこと、それは本当に素晴らしい曲ばかりで、何度も繰り返し聴いた。
その中でも、この美しい曲は私のお気に入りになった。曲の内容はその時には詳しく知らなかったが、胸が締め付けられるような歌声に、うっとりと聞き入ったものだ。

何年かして、アルバムを買い歌詞カードで内容を知ると、物語のような熱い恋に憧れたりした。
でも、本当の恋を知った後は、曲の中の辛く切ない気持ちに共感し、涙がにじむようになった。もっと深く、この曲を味わうことが出来るようになったのは、それ以降だと思う。

またこれから、恋に関する視点が変わっていくにつれて、別の味わい方ができるようになるのかもしれない。
その時が、楽しみだ。




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