透明な「みずうみ」 | 猫なでにき

透明な「みずうみ」

散歩してる時、ふと、聴きたくなる歌があって、大貫妙子の曲にはそういうものが多い。
彼女のあの細くて透明感(あれほど、「透明感」という形容が似合う声があるだろうか)、浮遊感のある歌声が頭の中によみがえると、なんだか足取りも自然と軽くなる。

その大貫妙子の歌で、かつて「みんなのうた」で放送された『みずうみ』という曲がある。
美しい旋律と詞と、彼女の声との3つがそろって、ひとつの風景になった。



原曲はグリーク作曲の組曲『ペール・ギュント』の中の『ソルヴェイグの歌』である。
イプセン作の詩劇「ペール・ギュント」の劇音楽として作られたこの組曲の中でも、ひときわ美しい曲。
ろくでなしの放蕩者であるペール・ギュントの帰りを待ちわびる恋人、ソルヴェイグの一途な心をうたった歌なのだが、その設定から離れて、少女の日の初恋を振り返る物語に変えたのは、作詞の山川啓介だ。
会いたいのは あなたよりも
そばかす気にしてた日のわたし
なんて繊細に“少女のこころの世界”を表現した一節だろうか。
そして、大貫妙子の透明感が、その世界にこれ以上なくとけ込んでいる。
最初から彼女のために用意された詞と曲であるかのような錯覚を、おこさせてくれる。

ところで「みんなのうた」の曲はなかなかオリジナル(放送バージョン)をCDで聴けないが、この曲は彼女のベストアルバム「History」に収録されてる。
このアルバムには、「みんなのうた」で歌われたもうひとつの名曲「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」も収録されているので(もちろん初期の名曲達も網羅してるし)、かなりおすすめ。


「History 1978-1984」
 大貫妙子

History 大貫妙子



「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」については、また書きたいことがあるので、そちらはまた別の機会に。



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