久々のブログです。
繁忙期も終わり、だいぶ落ち着いてきました。
今日は、法人税の優遇規定について書きたいと思います。
タイトルの「所得拡大促進税制」ですが、条文では「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除」と書かれています(租税特別措置法42条の12の5)
これから分かるように、「企業が従業員の給与・賞与等(以下、「給与等」といいます)や設備投資を増加させた場合には、法人税額を減らします」という規定です。
今の日本はデフレ脱却と経済再生に取り組んでおり、積極的な賃上げや設備投資をした企業にはその恩恵として減税をし、所得拡大を促進したいという狙いです。
5、6年ほど前から同様の規定があったのですが、複雑で少し分かりにくい印象でした。
それが昨年(平成30年度)の税制改正で計算方法が簡素化され、税額控除率も拡充されました。
企業の規模、設備投資の有無、従業員に対する職務訓練の有無等で適用要件、控除率が異なっていますが、制度の概要ということで、中小企業者等(資本金の額が1億円以下の法人などをいいます。)のシンプルな税額控除について説明をします。
中小企業者等におけるこの規定の適用要件は以下のとおりです。
①青色申告をしていること
②当期の給与等総額(役員等に支払ったものを除きます)が前期のそれを上回っていること
③前期と当期の全期間を通じて給与等を受けた従業員(以下、「継続雇用者」といいます)を対象に、
④その継続雇用者に支払った当期の給与等が前期に比べて1.5%増加したこと
これらの要件を満たせば、継続雇用者に限定しない全ての従業員(役員等を除きます)に対する給与等増加額の15%が法人税額から控除されます。
例えば、前期に比べて当期の給与等が300万円増加した(増加率1.5%以上とします)場合には、45万円(300万円×15%)の減税になります(地方税も考慮すると、実際は15%以上の効果があります)
注意点は以下のとおりです。
①継続雇用者は、前期と当期の全期間を通じて勤務している従業員ですので、例えば、前期に中途入社した方
や当期に中途退職した方は除外して判定することとなります。
また、継続雇用者は雇用保険の一般被保険者である必要があります。
②恣意性の排除から役員やその親族等は従業員としてカウントしません。
同族会社の場合に、経営者とその関係者の給与等を増額させてもこの規定の適用はありません。
③税額控除額は、税額控除前の法人税額の20%が限度となります。
当期の利益(所得)が少なくあまり税額が発生しない場合には、この限度に引っ掛かる可能性があります。
法人を前提に書きましたが、個人事業主の方にも適用があります。
前期に比べて当期の給与等が増加した場合には、ぜひこの規定をご検討ください。