こんにちは。
1月下旬から2月初めにかけて市役所等で確定申告の無料相談を行っているのですが、納税者からのご相談で多かった医療費控除について少し触れたいと思います。
病院などで一定金額以上の医療費を支払った場合に税金の還付を受けられるというのはほとんどの方がご存知なのですが、領収書だけを持って来られる方がいらっしゃいました。
昨年(平成29年分)の申告からですが、医療費控除の適用を受ける際には「医療費控除の明細書」に記載をし確定申告書に添付することが必要となります。
この明細書は、「人ごと、病院ごと」にいくら医療費を支払ったのかを記載するようになっています。
各月合計で集計して下さっている方がいたのですが、「人ごと、病院ごと」が原則になりますので、お手数ですが再集計をお願いしなければなりません。
これから税理士の無料相談や税務署に行って医療費控除を受けようと思っていらっしゃる方は、事前にこの明細書に記載されていると時間がかからずスムーズに進むと思います。
(明細書は税務署でもらえますし国税庁HPからダウンロードもできます)
さて、今日は「損益通算」についてです。
所得税の計算は、まず、その収入を得る方法によって10種類の所得に分類することから始まります(実はこの分類がとても難しいのですが…)
例えば、個人事業を営んでいる方の収入は「事業所得」、不動産の貸付けによる収入があるのであれば「不動産所得」に分類されます。
収入から、その収入を得るためにかかった経費(交通費、家賃、固定資産税など)を引いたものが「所得」となり、所得から「所得控除」を差し引き税率をかけて所得税が算出されます。
(「所得控除」については前回のブログ参照)
とても簡単に所得税の計算方法を説明すると上記のとおりですが、「損益通算」とは収入から経費を引いたものがマイナス(損失)の場合に関係してくる規定です(所得税法第69条)
個人事業主が不動産を保有している場合、事業で出た「損」と不動産の「プラス(益)」を通算できるというものです。
逆に、不動産で出た「損」と事業の「益」を通算することもできますし、サラリーマンの方の「給与所得(益)」と通算することも可能です。
最初に10種類の所得に分類しますが、(一部を除き)最終的には全ての所得を合算して税率をかけますので、この損益通算により所得が圧縮され所得税額が少なくなります。
損益通算ができる所得は、10種類ある所得のうち4つ(に損失が出た場合)に限定されています。
(このうち2つの所得が上記で述べた「事業所得」と「不動産所得」です。他の2つは「譲渡所得」と「山林所得」ですが実務で出てくることは少ないです)
この損益通算は問題となる(悩む)場合が多く、例えば「事業を始めます!」と言って開業届を税務署に提出すれば、その収入が「事業所得」として認められるのかという点です。
納税者からすると、その「事業」に損失が発生し他に所得があるなら損益通算により税額が少なくて済むので、「事業所得」と主張することになります。
一方、「事業所得」と認められなければ、損益通算ができない他の所得に分類されることになり税額が増えてしまいます。
初めに「10種類の所得に分類することが難しい」と書きましたが、事業所得に分類するポイントとなる「事業」の意義を巡って裁判に発展することもあり、次回以降もう少し掘り下げて行きたいと思います。