こんにちは。
確定申告について少しでもお役に立てばということで書いていますが、今回は「所得控除」についてです。
所得から差し引かれる金額を所得控除と言いますが、この所得控除が多いほど納める税金が少なくなるので納税者にとっては有利となります。
今回取り上げたい所得控除は扶養控除と障害者控除なのですが、収入がない子が扶養親族になるのはご承知のとおりなので、親が扶養親族であったり障害者の場合を考えてみたいと思います。
1.扶養控除
国税庁ホームページによると、扶養控除を受けるための主な要件は以下のようになっています(タックスアンサーNo.1180)。
(1)平成30年12月31日において、年齢が16歳以上
(2)配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)
(3)納税者と生計を一にしている
(4)平成30年分の合計所得金額が38万円以下(親が70歳以上で年金収入のみの場合には、年金収入が158
万円以下ということ)
通常、扶養親族と聞くと子や親を思い浮かべますが、税務上は(2)にある通り6親等内の血族及び3親等内の姻族というとても広い概念です。
ここでは(3)の「生計を一にする」の意味が重要であり、次のような説明がされています。
「日常の生活の資を共にすることをいいます。会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、①生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、②日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、『生計を一にする』ものとして取り扱われます。
親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとします。」(平成30年分 確定申告の手引き A用 34ページ、所得税基本通達2-47参照)
(明らかに独立した生活である場合を除き)同居している場合には当然に、別居している場合にも生活費の仕送りなどをしているときは「生計を一にする」ということですね。
親を扶養に入れる場合、扶養控除額の種類は次の3つが考えられます。
①一般の扶養親族 38万円
親の年齢が70歳未満
②老人扶養親族 48万円
親の年齢が70歳以上
③同居老親等 58万円
②の老人扶養親族のうち納税者(又は配偶者)と普段同居している
①→②→③の順に扶養控除額が大きくなるのですが、注意したいのは③の「同居」の意味です。
「同居老親等の『同居』については、病気の治療のため入院していることにより納税者等と別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えありません。ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。」(タックスアンサーNo.1180)。
例えば、年金収入が少額の老人ホームに入居している90歳の親がいたとします。
納税者が老人ホームの費用を一部負担したり生活費を支弁している場合には「生計を一にする」ものとして取り扱われますが、「同居」とはならないので扶養控除額としては②の48万円になります。
一方、上記にあるとおり入院であれば「同居」として取り扱われることになります。
「同居」の意味を正しく理解することで扶養控除額が10万円増える可能性があるので、該当しそうな方は検討してみて下さい。
(ただし、親の年齢が70歳未満の場合には一律38万円)
2.障害者控除
高齢の親を扶養している場合、その親が障害者に該当することも少なくありません。
障害者控除は、上記1の扶養親族の要件を満たす障害者であれば適用を受けることができます。
ここで注意をしたいのは、障害者手帳を持っていなくても適用を受けられる可能性があるということです。
これは国税庁よりもお住まいの市町村ホームページをご覧頂いた方が良いと思いますが、例えば私の住んでいる多摩市では次のようになっています。
「本人または被扶養者が障がい者である場合、確定申告等により所得税や住民税の障害者控除(所得控除)を受けることができます。
そこで、市では次の対象者要件すべてに該当する場合、障害者手帳などがなくても、障害者控除を受けることができる認定書を発行しています」
障害者控除は一般障害者と特別障害者では控除額が異なります。
①一般障害者 27万円
身体障害者手帳の交付を受けている等
②特別障害者 40万円
身体障害者手帳の障害の程度が1級または2級等
③同居特別障害者 75万円
特別障害者である扶養親族がいて納税者(又は配偶者)と普段同居している
障害者手帳を保有していなくても要介護認定を受けていることはあります。
また、障害の程度が3級の障害者手帳であれば一般障害者(27万円)に分類されますが、同時に要介護認定も受けている場合には、市町村長の認定書により特別障害者として40万円の控除が受けられる可能性があります。
同居特別障害者の場合には大きい所得控除額になりますので、ここでも「同居」の意味を正しく理解することが重要です。