こんばんは。

 

今回は年末調整について書きたいと思います。

会社員の方は、この時期色々な書類の提出を求められますよね。

 

毎月給与の支払いを受ける際、所得税が源泉徴収されて(差し引かれて)いますが、この月々の源泉徴収税額はあくまで概算であり、年間を通して納めなければならない税額(以下、「年税額」といいます)とは通常一致しません。

 

この一致しない理由ですが、

①年の中途に子どもが就職したり、または結婚したりして扶養親族の数に異動があった場合、源泉徴収税額は

  増加しますが、その異動後の支払分から増加するだけで1月まで遡って修正することとはされていない

②生命保険料の控除額が月々の源泉徴収税額には反映されていない

ことなどがあげられます。

 

そこで、年末現在の状況によって年税額を算定し、それまでに徴収した税額との過不足額を精算する必要が出てきます。

この一連の作業を年末調整と呼んでいます。

 

その年末現在の状況を(会社が)把握するため、毎年11月~12月に以下の書類の提出が必要になります(今年から一枚増えています)

①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(以下、「(扶)」といいます)

②給与所得者の保険料控除申告書

③給与所得者の配偶者控除等申告書

(昨年まで②と③が一枚になっていましたが、配偶者(特別)控除に改正があったため二枚に分かれました)

 

経理の方や給与計算の方がいらっしゃるのであれば、会社で年末調整を行うこともありますし、会計事務所が請け負うことも多いです。

 

次のようなことを言われるときがあります。

「自分で確定申告をするので、年末調整は結構です」

 

国税庁が毎年発行している『年末調整のしかた』という冊子があるのですが、その中に次のように書かれています。

 

「大部分の給与所得者は、この「年末調整」によってその年の所得税~省略~の納税が完了し、改めて確定申告の手続をとる必要がないこととなるわけですから、この意味からも非常に大切な手続です」

 

「改めて確定申告の手続をとる必要がない」とあることから、年末調整をせずに確定申告を行ってもよいのではないかと捉えることもできます。

 

しかし、確定申告時期に会社員全員が税務署に行ったら大混乱になりますし時間もかかってしまいます。

現在は電子申告が普及してはいますが、それでも全員に申告させるというのは現実的ではないでしょう。

 

(もちろん理由はこれだけではないでしょうが)

そこで、上記①の(扶)を提出した方に限りますが、所得税法では年末調整は会社の義務と規定されています(所得税法第190条)。

義務である以上、確定申告をするからといって年末調整は省略できないということになります。

 

例えば、確定申告をしなければならないものとして医療費控除が有名ですが、年末調整を受けた源泉徴収票を添付して行うというのが原則になります。

 

通常の会社員であれば年末調整の対象となりますので、会社に迷惑をかけないためにも、上記3つの書類を決められた期限までに提出しましょう。

(給与収入が2,000万円を超える場合などは年末調整の対象とはなりません)

 

今年改正のあった配偶者控除について少し触れたいと思います。

 

簡単に言うと、今まで103万円の壁と言われていたものが150万円に拡充されたということです。

配偶者の給与収入が103万円を超えると配偶者「特別」控除という名称になりますが、150万円までは控除額は配偶者控除と同じです。

(これはあくまで税務の話です。会社によっては扶養手当の支給要件が従前のままであったり、社会保険への加入もまた別の話ですのでご注意下さい)

 

ただし、配偶者控除の適用を受けようとする人(例えば年収100万円の妻がいる夫)の給与収入が1,220万円を超える場合には、配偶者控除の適用が今年から受けられなくなりました。

制度が少し複雑になり全て暗記するのは難しいので、「給与収入1,000万円を超えたら要注意!」と思って調べるようにしています。

 

マイナンバー等で世帯の収入状況は容易に把握できるようになっています。

配偶者控除や扶養控除のチェックは厳しいですし、適用要件に合致していなければ修正が必要になり会社の負担が増えてしまいますので、正しい申告をお願いします。