こんにちは。

今日も寒いですね。今月は雨がとても多い気がします。

 

前回と前々回で、相続税と固定資産税の特例を見てきましたが、前者は租税特別措置法(以下、「措法」といいます。)、後者は地方税法に規定されているというお話をしました。

今回は、税金の種類と税法について書きたいと思います。


税金は、「誰が徴収するか」によって2つに分けられ、国が徴収する税金を「国税」、都道府県や市町村等の地方公共団体が徴収する税金を「地方税」と言います。
国税の具体的例としては、所得税、法人税、相続税、消費税などがあります。
地方税の具体例としては、住民税、事業税、固定資産税、不動産取得税などがあります。


納税者からすると、「どこに納めたか」を意識すると分かりやすいと思います。
例えば、確定申告をしたことがある方なら、2月~3月ぐらいに税務署(国の機関)に行って申告・納付をしますので、所得税は国税だと分かります。
一方、固定資産税は市町村(地方公共団体)から納付書が送付されて納付をしますので、地方税ということになります。

 

国税であれば、原則として、その国税ごとの法律が存在します。
所得税であれば所得税法に規定されています。
相続税も相続税法に規定されていますが、小規模宅地等の特例については措法に規定されていました。


地方税は地方税法に一括して規定されています(固定資産税法という法律は存在しないということです)。

地方税法で枠組みを定めておいて、地域事情等を考慮して各々の地方公共団体が条例で詳しいこと(課税要件等)を定めているというイメージです。

 

措法は「国税の特例」について規定しているので、地方税については規定されていません。

 

措法について、もう少し分かりやすい例を挙げます。

借入れを行ってマイホームを購入をされた場合、ほとんどの方が住宅ローン控除を受けていると思いますが、実はこの規定は所得税法ではなく措法に規定されています(住宅ローン控除は、正式には措法第41条「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」といいます)。

住宅ローン控除は、経済を活性化させるため、減税をする代わりに積極的な消費(投資)を促す制度です。

そして、現在の控除額は年末借入金等残高の1.0%となっていますが、入居年月日によっては控除率が0.4%~0.6%ということもあります。

このように、その時々の経済状況等により改正される可能性のある規定は、国税の特例として、措法に規定することとしています。

 

他には、平成29年より適用がある医療費控除の特例である「セルフメディケーション税制」も措法に規定されています(医療費控除の原則は所得税法です)。

健康の保持増進及び疾病予防に取り組む方へ認められる制度ですが、現在の日本が抱える社会保障の問題から創設されたものだと言われています。