こんにちは。
税理士のKENです。
台風と地震で大変なことになっていますね。一刻も早い復興を願っています。
前回、「小規模特例」についての話をしましたが、一般的に「小規模」と聞くと、2つの税制上の優遇規定が考えられます。
1つは、事業承継税制である「小規模宅地等の特例」で、もう一つは固定資産税の軽減措置である「小規模住宅用地の特例」です。
相続税の話をしているときは「小規模宅地等の特例」、固定資産税の話をしているときは「小規模住宅用地の特例」と判断しますが、紛らわしいのでこの2つの規定について見ていきたいと思います。
(1)小規模宅地等の特例
相続税の優遇規定であることは既に述べていますが、実は相続税法ではなく、租税特別措置法(以下、「措法」といいます。)という法律に規定されています。
措法については後々書きたいとは思いますが、簡単に言うと、「その時々の政策目的等を達成するため、増減税する税制上の特例規定」です。
その目的等を達成したら改正や廃止になることも多いため、税制上の優遇規定は、措法に規定されていることが多いです。
さて、この小規模宅地等の特例ですが、措法第69条の4に規定されており、正式には「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」といいます。
ちょっと長いので、小規模宅地等の特例の他に、「小規模特例」あるいは単に「小規模」と言ったりもします。
例えば、親一人子一人で暮らしていた家族がいたとしましょう(相続人は子のみとします)。
親の所有財産は、預貯金100万円と個人事業に使用していた建物の宅地5,000万円とします。
ここで親が亡くなり子が上記の財産を相続した場合、何らの優遇規定がないと相続税は175万円となります。
相続税は金銭一括納付が原則ですので、相続した預貯金100万円だけでは支弁できず、子の固有財産を取り崩して納付しなければなりません。
金銭ではない不動産の評価額が高いがために、税額納付時に手元現金が減ってしまうということは相続ではよく起こりうることで、最悪の場合、不動産を売却してまで金銭を調達しなければならない事態も考えられます。
残された相続人の今後の生活を保障するために、子が親の事業を引き継ぐ等の要件を満たす場合には、宅地の評価額を80%(一定の場合には50%)減額するというのが、この小規模宅地等の特例です。
そうすると、宅地の評価額が5,000万円から1,000万円になり、相続税はかからなくなります。
この規定は「事業を引き継いだら適用する」ということで事業承継税制の一つなのですが、親が住んでいた居住用住宅に引き続き居住するといった場合にも80%減額を受けられることがあります。
ただし、かなり優遇された規定であるため、細かい要件が多々あります(上記「引き継ぐ等」の「等」が実は難しいです)。
それと、この規定は「相続税の課税価格の計算の特例」とあるように、原則として相続の場合のみ適用ができ、「贈与をした宅地には適用できない」ことには注意が必要です。
長くなってしまうので、固定資産税の特例の方は次回にしたいと思います。
ありがとうございました。