井上堯之バンドの時代~PYG⑤ WCの時代 | edihの昭和音楽よもやま話

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今まで触れていなかったGSの祭典「日劇ウエスタン・カーニバル」にPYGは第44回から48回まで出場している。

初出場は71年4月、オープニングは「ウォーキン・マイ・シャドー」で登場、トップバッターを務めた。GSが相次いで解散、メンバーが一新され「ロックセクション’71」等でも同行したナベプロの“タローとアルファベッツ”“シローとブレッド&バター”“アラン・メリル“”ロック・パイロット“他は”ワイルド・ワンズ“や”フォーリーブス+ジャニーズ軍団“といった面々の出場であった。なんといってもパンフレットの広告のキャッチが印象深い。

続いて45回(71.8)からはトリで登場。演奏曲は田コロでのナンバーからのピックアップが主で、この回はコマーシャリズムの申し子"PYG"対アングラゲリラ派"モップス”のロック・グループ音の対決と題し、WCも流行りのロックの祭典にイメチェンをはかったかにも見える。
(パンフレットに最終日のみフォーリーブス枠に変わり、なんと”麻生レミ&WYND“が出場とある⁉︎

46回(72.1)では堯之と大野が音楽監督として以後ショー全体を支えることとなったこの回から、次世代アイドル候補としてナベプロがイチ押しする“伊丹幸雄”とジャニーズ枠では“郷ひろみ”を初出場させアイドルの祭典風に戻した。また堯之グループのバックに「マミー・ブルー」を競作ヒット中の“リッキー・シェーン”も登場。トリのPYGのステージ後のフィナーレは、出演者全員でオールディーズ・メドレーで幕となった。

演奏曲は
1.ラブ・サムバディ 2.ブラウン・シュガー 3.ギミー・シェルター 4.フィール・ソー・グッド 5.ユー・ガッタ・ムーブ 6.戻らない日々 7.君をのせて 8.ワイルド・ホース 9.テル・エブリワン 10.60才の時 11.自由に歩いて愛して

47回(72.5)はフォーリーブスに変わって新人三羽烏として “伊丹幸雄””西城秀樹“”田頭信幸“が、また植田芳暁の”ZOO”、キャンディーズなどのバックバンドであった”MMP”の一部メンバーが在籍していた“フレンズ”がステージ101のように交互にソロやグループで歌い最後のPYGで〆るといった構成。
ショーケンが戻り久々のPYGのステージであったが、もはやデビュー当時に目指したロックにはほど遠い選曲。

オープニングで
1. ジョイ・トゥ・ザ・ワールド 2. 君をのせて 3.カントリー・ワイン(ジュリー+三羽烏)
トリでは
1.ウィ・オール・ソング・トゥゲザー 2.許されない愛 3.ブルージンの子守唄 4.スペース・キャプテン 5.ウィズアウト・ユー 6.ホワット・アイ・セイ

そしてPYGとして最後となる48.回(72.8)前回に続いて伊丹、西城とハイ・スパンキーなどが第4景までステーを務め、トリ前に“ガロ”が初登場。最後のPYGは前回に続いてジュリー&ショーケン、演奏堯之グループといった内容のステージであった。

1.ウォント・ユー・カム・ホーム・ビル・ベイリー 2.ヒップ・シェイク 3.遠いふるさとへ 4.ブルージンの子守唄 5.許されない愛   6.ジャンピン・ジャック・フラッシュ 7.エピタフ 8.平和を我等に

49回(73.5)のウエスタン・カーニバルは今までの構成をがらりと変え、日替わりワンマンショー形式となる。
「フォーリーブス ショー」 (4日) 「郷ひろみ ショー」 (5~ 6日)「ヤング・アイドル ショー (西城、伊丹、草刈正雄)」 (7~ 8日)
そして「沢田研二 ショー」(9~10日)
構成は先の大阪フェスタとほぼ同内容で、WCを特別に意識した選曲ではなかった。

1.Opening~ハイヤー 2.ザ・レター 3.ジャンピング・ジャック・フラッシュ 4.アイ 5.オールデーズ・メドレー(10曲) 6.レディ・ジェーン 7.うつろな愛 8.今このときめきを 9.青い恋人たち 10.危険なふたり 11.あなたへの愛 12.ユア・レディ 13.しのび泣く時 14.捨てないで 15.そして今は 16.許されない愛 17.涙 18.アイ・ビリーブ・イン・ミュージック

ショーケンが得意だったストーンズ・ナンバーやフジカラーのCMソングを披露している。

余談ではあるが81年1月に行われた日劇最後のウエスタン・カーニバルではメンバーがそれぞれ出場していた。
堯之、大野は“ザ・スパイダース”として、ジュリーはオールウェイズをバックに出場し、最後2日間はピーを除き急遽集合した“ザ・タイガース”にはサリーがいた。
またショーケン曰く、開催前にテンプターズの5人が集まり再結成に関して話し合いを持ったというが、現役を退いてる3人が一般の仕事を持っているという理由からグループでの不参加を決め、現在形の“DONJUAN R&R BAND”での出場となった。メンバーの原田裕臣、田中清司に加え特別参加した大口ヒロシがトリプルドラムとして、ギターには速水清司がいた。元PYG及び歴代の堯之バンドの面々が、それぞれステージに上がっていたのである。