Deep~都倉俊一劇場 | edihの昭和音楽よもやま話

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60~70年代を中心に、音楽にまつわる話をアップします。

「スター誕生」の厳しい審査員だった"都倉俊一"氏が、"ピンクレディー"がブレイク中の77年に「レッツゴー・ヤング」というNHKの音楽番組のメイン司会者となった。
各局のオーデション番組などから歌手デビューした新人歌手数名を「サンデーズ」という番組用にグループ化して売り出そうとしていた。

当然都倉氏が芸名から曲までプロデュースをしているのだが、まず最初に一押しだったのが"狩人"。「あずさ2号」などのヒットでその年"清水健太郎"さんと新人賞争いをするほど売れに売れていた。

 

"狩人"が売れた影響で番組プッシュを待たされたと言っていたのは"太川陽介"さん。2枚ほどさわやかタッチな"穂口雄右"氏の曲の後の3rdシングルは、ステップを踏み踊りながら歌った

「Lui Lui」

 

この曲は太川さんの代表曲となり、暮れのレコード大賞の新人賞を受賞。
「サタデー・ナイト」っぽいイントロからオールディーズ調なサウンド、〆に「Lui Lui!」と叫ぶポーズはインパクトがあった。

一方"狩人"は3rdシングル「若き旅人」は軍歌調で驚いたが、80年の「ブラック・サンシャイン」はリズムをツギハギしたパターンは都倉氏ならではのもの。

78年、スタ誕出身でサンデーズの一員だった"渋谷哲平"さんの

「Deep」は、5速車でいうときなりトップギア発進のようなイントロ、Aメロもイントロからやや3rdに落とし、Bメロはサビを盛り上げるため、2ndギアに減速気味でお馴染み「ン、チャ、ン、チャ」のポルカ風リズム、そしてサビはオーバードライブで突き抜けるいった都倉氏特有の劇的な展開。歌う前に息があがらないかと心配するイントロの激しい振り付けと、歌詞の語尾2文字の追っかけコーラス「ンで、ンで」が印象的。



この「Deep」の同系曲はピンクレディーの「レディーX」(UFOのB面)都倉サウンドは割と同年代に似たような曲が多いのが特徴。(「レディーX」のベースがまたイカスんだなぁ)"山本リンダ"さんの「どうにもとまらない」が原点でしょう。
ドアーズの「タッチ・ミー」やショッキング・ブルーの「ヴィーナス」のインパクトのあるイントロにインスパイヤーされたのだろう。

70年代、筒美京平氏と並び数々のヒット曲を生み出した都倉氏。
筒美氏の作品が"アート"型なら、都倉氏の作品は"週刊少年漫画雑誌"タイプであろう。一般大衆ウケするツボを得た作曲家と言えよう。

最後に特別編集のメドレーで。