ルビーの指環~寺尾聰 | edihの昭和音楽よもやま話

edihの昭和音楽よもやま話

60~70年代を中心に、音楽にまつわる話をアップします。

81年は歌手"寺尾聰"さんが大ブレークの年であった。
当時TVドラマ「西部警察」でクールな役柄の雰囲気のまま、渋めのサングラスで渋め、低い声にエフェクトをかけ甘く聴こえるトーンは、新しいタイプのシンガーであった。「ルビーの指環」はレコード大賞などその年の賞を独占、歌番組「ザ・ベストテン」では12週連続1位を記録、売り上げ枚数も年間堂々の1位であった。


アレンジはフュージョン・バンド、「PARACHUTE」のキーボード奏者の"井上鑑"氏。洋風でクロス・オーバーなAORサウンドは、PARACHUTEのメンバーの

松原正樹、今剛(G)、林立夫(Ds)、斉藤ノブ(Per)、井上鑑(Key)の面々

と、山下達郎さんの「BOMBER」で有名なチョッパー・ベースマン、田中章弘氏。

(シングル「出航」のイントロはTOTOの「Georgy Porgy」のエンディングのコード進行を拝借、ネタ元バンドも凄い!)

このメンバーで制作されたアルバム「Reflection」は、爆発的に売れ、当時最高記録の160万枚を突破。どのショップも売り切れで、なかなか手に入らなかった思い出がある。所属の石原プロは、歌手活動に専任させるため、「西部警察」でのリキ刑事を殉職降板させるまで行った。


2006年キリン・ラガーのCMで「ルビーの指環」が流れる。
テーマは「変わらない仲間」CMでは"AKIRA TERAO with Friends"とクレジット。

 

メンバーは井上鑑(Key)今剛(G)と以前のメンバーに、山木秀夫(Ds)高水"大仏"健司(B)とまた凄いメンツ。(アルバムの「ルビーの指環」のドラムはヴィニー・カリウタ)

このCMを機に、 25年ぶりに「より恰好よく」という意味で、「Re-Cool Reflection」のアルバムを「Reflection」のそのままの曲順で新アレンジ・レコーディングした。リメイク盤アルバムは珍しく、それだけの思い入れがあったのだろう。翌年、26年ぶりに紅白にも出場している。

一世を風靡した寺尾聰ソング。寺尾さんの甘い声と、井上鑑氏のアレンジとバックの高度なテクニックは今聴いても色褪せていない。

(文中一部敬称略)