へぇ~ | なつ

へぇ~

「隣の家に囲いが出来たんだって」





『ふ~ん』



「ちょっと聞いてんの?」


『聞いとるよ』


「・・・」


『聞いとるて。で?どっちの?こっち?村上さんち?』


「ちゃうちゃう村上さんの方やったら間に路地あるからええけど」


『あぁ長谷川さんとこ?どないしたんそれが』


「別にええんやけどぉ~」


『ほなええやん』


「うん」


『ええんやったらええやん』


「ぃゃちゃうって聞いてよ」


『なんよ、でどしたんよ』


「高さ見た?」


『ぃや~見てない』


「は?なんで?」


『なんでって見てないし』


「見てないてあんたさっき帰って来る時目ぇつぶって帰って来たん!?」


『なんでやねん。イチイチんなん隣見ながら帰ってこんわ』


「見てなくても目に入るやろ?」


『ゃから意識してないんやからどんなんやったかとか見てないって言うとるやん』


「あんたっていっつもそーやな。」


『なにが』


「ちっちゃいとこやったらほら分からんやろーけど。ほら気付かんのは分かるよ。けどなぁ、テーブルの位置変えても気付かんし、玄関の靴箱全部出して整理してきれ~に掃除しとっても気付かんし」


『そんなちょっと動かしたんとか気付くか』


「は?ちょっと?はぁ?動かしただけ?あんた、一人でテーブル動かすんどんだけ重いか分かってんの!?ぁ~あ~ほら分からんわな。せんもんな。した事ないから分からんわな。だいたいテーブルや大きいもんや重いもんは2人で持ったら軽いし早いし傷も付ける心配ないしっ…」


『わ~ったわ~った、ごめんて。ありがとうて。』


「はぁ?なんほれ、まためんどい事言よるわとか思たん。とりあえずお礼でも言うといたらて思っ…」


『ちゃうちゃうほんまに思とるて』


「ほんまに思てんの」


『思とるて』


「何思とんよ」


『ありがとうて思とるって』


「何がありがとうよ、何に対してよ」


『~ゃから自分がおらん時に片付けたり掃除してくれたりするんに感謝しとるって』


「それだけ?」


『ゃから~テーブルとか重いのに頑張って移動させたりしてくれたんやなって』


「…ほんまにー?」


『ほんまやって』


「ん~ほなええけど」


『・・・』


「・・」


『・・・』


「・・・・・・」


『・・・・』


「あっ!!」


『ん?』


「高さよ、高さ!」


『ぁぁ~ん~』


「なんよもうどうでもいいん!?」


『どうでもいいや言うてないやん自分が忘れてたんやろ?』


「どうでもよさそうな返事やんか」


『んな事ないて』


「覚えてたんやったら何の話やったっけ?とか聞いてくれたらいいやん」


『忘れてたって』


「やっぱりどうでもよかったんやん」


『違うて…っと~高さがどしたん』


「高いんよ」


『高いん?』


「うん、高い」


『・・・なんか問題あるん?』


「ないっちゃーないけどあるやろ?」


『…そーなん?』


「そーやんか」


『…どんくらい高いん?』


「一段」


『…一段?』


「ブロック一段分な、隣の方が高いんよ」


『んっ…と、そーなん?』


「そーなんよ、ちょっとびっくりせん?」


『なんで?』


「はぁ?なんでって!」


『別にいいんちゃん一段高かろ~が低かろ~が』


「ええよ、ええけど普通せんやろ!?」


『なんで』


「後から建てるんやったら気ぃ使って普通は同じ高さぐらいにせん!?」


『同じぐらいやろ?一段だけなんやったら』


「ブロック一段てけっこうあるわよ、レンガ一段とちゃうんよ?」


『ん~』


「いや逆にレンガ一段やと余計やわ。たったそれだけ高くするって余計どーよ」


『ん~』


「それかな、一言あっていいと思わん?」


『ん~』


「裏の路地が坂になってるんやから、一段分くらい高くしとかな家の中が丸見えになるから、すみませんけど少し高く作りますんで…とか」


『ん~、理由分かっとるんやったらええやん』


「分かっとるわよ。分かっとるけどな、私やったら一言言うとくわ。気ぃ悪ぅするんちゃうかな、とか気になるやん」


『ぅん、ほな自分の時は言っといたらええんちゃう?』


「こっち建ててないやん。ずっと前やし、そん時隣なかったやん」


『だからこれからまた先に建て直す時とかに、よ』


「そんなん向こうが一段高く作ったから今度はこっちがさらに向こうより高く、みたいなイヤらしい事できんわよ」


『ぃや別に高くせんでええやん。今と一緒でいいんちゃうん』


「それやったら隣に断る必要ないやん」


『やったら言わんでええんちゃう?』


「あんたさっき言ったらええって言うたやん」


『だからその立場になったらでいいやん』


「もし言いに行ってもよ、あ~自分の時言いに行ってないからわざわざイヤミ気に言いに来たとか思われたら嫌やん」


『んなん思わんやろ~』


「分からんやん。顔笑っていえいえそんなんいいですよ~とか言うとっても内心ではめっちゃ思とるかも知れんやん」


『考え過ぎやって』


「なんも考えんかって、こっちが素直に挨拶にでも行ったらあ~あ~バカがとか思われるかも知れんやん」


『そんな気にするんやったらそん時は俺が言いに行くって』


「やめてよ!そんなんあんたが言いに行ったら挨拶とかめんどい事を旦那に押し付けてるわ、あそこの奥さんて思われるやろ」


『嫌なんやろなぁって思うから言ったんやんか。』


「嫌でもそんなんさせる方が余計嫌やろ」


『ん~ほな頑張って自分で行くしかないやんなぁ』


「ほら!ほら、やっぱりあんた人事やんか。結局最終的にはめんどくさい事は全部私がせないかんのやから」


『ほなどおしたらいいんよ…』


「だいたいあんたが違和感なかったらいいんよ。」


『…違和感?』


「例えば普段から日曜大工的な事してたり、庭の手入れ大好きですってキャラ?そーいうのが出来上がってたら、建て直した時にあんたが挨拶行っても自然やんか」


『ん~~?』


「普段休みの日でもごろごろしたり、そんなだらし無い格好で偶然お隣さんと会ったりしてたら、いざ挨拶に行ったら、旦那に無理矢理行かせた雰囲気かもしだし過ぎるやろ?」


『・・・挨拶の為に日曜大工とかしてキャラ作らなあかんのん?』


「違うわよ!例えばよ!普段だらし無さ過ぎるからやろ!?」


『そー…なんかぁ?まぁ、ほらだらし無いって言われたら反論できんけど何も高さの問題とっ…』



「今は高いや低いや関係ないやろーっ!!!!!」







『・・・へぇ~』