ご無沙汰してます。

本日、第70回ロシア語能力検定4級を受けてきました。

これから受ける方の参考になればと、

個人的な感想を書いてみます。

 

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まず、4級は筆記試験90分と、朗読10分で行われます。

筆記試験は、「文法」、「露文和訳」、「和文露訳」に分かれていて、

合格するためには、それぞれ各60点以上が必要です。

 

そのため、各部門で満遍なく出来る必要があります。

 

今回参考にしたのは、

南雲堂フェニックス刊「ロシア語能力検定試験  合格への手引き 3級・4級」と、

ロシア学院の過去問、69回、68回の2回分です。

 

(この「合格への手引き」は、Amazonで時期によっては中古のみで、

かなり高額になっていることも多いのですが、

個人的にはこれを定価以上で買うなら、過去問を3冊買ったほうがいいと思います。

値段も同じくらいだし、実際の試験の問題量が分かります。)

 

…ちなみに、自分の学習レベルは、完全独学、格変化をほんのちょっと眺めた程度で、

過去形未来形の作り方とか、今回はじめてちゃんと学習しました。

 

それでも「文法」だけなら、問題集と過去問をやっておけば、

付け焼き刃でもどうにかなるかな…と感じました。

でも意外に難門だったのが「和文露訳」です。

 

簡単な日本語の文を、ロシア語で作文します。

そして、辞書は持ち込み不可。

なので、単語の綴りを暗記している必要があります。


これが、漢字と一緒で「読めるけど書けない」…というか、

そもそも、綴りを覚える練習なんて全くしてない……(汗)

「Спасибо(ありがとう)」すら怪しい状態だったので、

過去問に出てた単語を一気に覚えるのが大変でした。

 

だいたい「文法」で動詞の活用を書く必要があり、

それを覚えるだけでいっぱいな状態だったので、

完全にキャパオーバーでした。

そのため、過去問に出てなかった「曜日」と「月」はスルーしたのですが、

今回、出題されました(泣)。

一方、覚えた数字と、何才、何時は出なかった(泣)。

 

…てな具合で、過去問(去年は出たから今年は出ない??)とか、

ある程度、予想出来るのかもしれませんが、

過去問二回分と、今回の問題の範囲を満遍なく書けるようにするには…、

 

・今日、昨日、明日。さらに朝、晩。

・1の位の数字、さらに、単位(день、год、час)の活用。

・簡単な疑問文(どこにいた?、何してた?、どこにある?)

・12ヶ月の月の名前、曜日

・机、ペン、雑誌、教科書…とか初級テキストに出てきそうな単語。

 

この辺の綴り以上を、暗記する必要があります。

これを受験前に一気に覚えるのはしんどいと思うので、

これから検定受験する予定のある方は、普段から綴りを覚える練習をしといた方が良さそうです。

 

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最後に「朗読」について。

朗読は筆記試験と同じ会場そのままで、仕切りなど何もない状況で、一斉に行われます。

イヤホンも無し。

 

ハンディレコーダーを一人一台渡されて、それに吹き込みます。

準備として黙読5分、さらに実際の朗読3分の時間設定です。

 

個人的な感覚としては、あっという間に終わってしまい、2回読んでも良いと言われていても、その時間はありませんでした。

最初のほうに知らない単語が出てきて、しどろもどろになってしまって、それで一気にテンションが落ちました…(汗)

また、風邪を引いて完治してなかったので、途中で咳き込んだりボロボロ…。

終わった後かなり落ち込みました…。


自分の実感としては、通して完璧に綺麗に読もうとするより、とりあえず分かるとこだけでもガンガン読み進めてしまうほうが良かったかも…。と思いました。

 

結果は11月に発表になります。


↓        ↓         ↓


【追加】

合格しました!

....かなりギリギリでしたが....。

でも良かったです✨✨✨



 

 

 

 

 

 

チェコ出身ミュシャの、晩年の大作「スラブ叙事詩」を見に行ってきました。
(本当は、ミュシャ展開催中にアップしたかったのですが、終わってしまいました…。)

とにかくサイズが大きくて、未完成のものもありましたが、細部の描き込みも凄い。

離れてみても、近づいてみても、どちらも堪能できる圧巻の作品群でした。

会場の中には、写真撮影できるスペースがあり、
その中に、自分のお目当て「聖アトス山」がありました。



ガラケーで撮ったせいか、イマイチ上手く撮れませんでした…。

こちらの作品は、当ブログ去年の記事

「アトスは山の名前だ!」にて

引用したのと同じ作品です。
(「三銃士」と全く関係ないですが…)

何故かなぜか、
その頃、「スラブ叙事詩」の本が、最寄り図書館に置いてあったのです。

(もちろんその時は、今回の展示会については何も知りません…。
この作品群は、チェコ国内でも交通の便が悪い、地方のお城に保管されている…とかあって、
まさかこんなに早く、見る機会が来るとは思っていませんでした。)


この「聖アトス山」で描かれているのは、多分架空の建物かと思いますが、
ギリシャ正教の聖地を描いた作品だけに、神々しい雰囲気で、
ちょっと「ルーベンスの絵をやっと見られたネロ少年」の気分を
思いやったりしました…(^_^;)。

(どうでもいいですが、↑この“ルーベンス”って、まさに「三銃士」時代の画家で、
ルイ十三世の母親マリー・ド・メディシスの依頼で、連作を描いたりしてます。)



絵の下方にいる人達は、解説によると
「ロシアからの巡礼者」とのこと。

ギリシャ正教とロシア正教が、どのくらい近しいのかは、
不勉強にて全くわからないのですが…、
もしかしたら「アトス」という名前は、
ロシア(スラブ圏)の人達にとって、
「神聖な、高貴な」イメージがあるのではないか……??
と、妄想。

(でも、Instagramで「#Атос」を検索すると、
女性向けのファッションブランド名?
だったり、ワンコの名前だったりしますが…(^_^;)



こちらは下方左に描かれた巡礼者。
手にした杖?は何かのシンボルなんだろうか?と思ったり、
腰に急須?を下げているのを見て、
ちょっと前に読んだ「現代の英雄」でも、登場人物が
ずっと急須を持って旅してたな~と思い出して、少し楽しかったです。


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◆最後に「三銃士」ネタ

ミュシャ展会場の一階には、チェコ関連で、
チェコの人形劇に使用するパペットが展示されていたのですが…。


ぐるっと回って、窓側に小さなプロジェクターがあり、
実際のチェコ人形劇が流れていました。

何となく見ていると…。

何だか見覚えのある人形達が、
立ち回りをしている…。

親衛隊と思われる、おなじみの黒地+赤衣装の人形達と、
三銃士と思われる、3体の人形達がケンカしていて、

親衛隊たちは負け、三銃士は退場、
するとリシュリューっぽい人形が出てきて、親衛隊員を叱る…。

という、完全お子様向けのライトな芝居でしたが、
意外な所で「三銃士」と出会って驚きました。
チェコでも「三銃士」はメジャーなんだな……(*^_^*)

(小さい画面だったし、動いていたので、写真撮れず残念…)
(あと主人公側は3体しかいなくて、
ダルタニャンは何処…?
もしくは、三銃士の誰かが欠けてる…?とか気になりました。)


ではでは











◆今さらで恐縮ですが、旧ロシア版「三銃士」のWikiを最後の方まで見てみたら、制作裏話的なエピソードがたくさん載っていたので、
自分が興味深かったものを、少しご紹介したいと思います。

■『ダルタニャン役は、当初違う俳優だった。』

旧ロシア版といえば、個性際立つダルタニャンの存在が印象的ですが、
主演のミハイル・ボヤルスキーは、当初ロシュフォール役だったそうです。
(…確かに似合いそう(^_^)。一度見てみたかった気もしますが…。)

では、ダルタニャン役は誰だったかというと、
Александр Абдулов氏。画像検索してみると、ものすごく“爽やか”な二枚目俳優で、
ボヤルスキー氏とは全くキャラが違う…。

Wikiの記載によれば…、
ある日、撮影のリハーサルに遅刻してしまったボヤルスキー氏。息を切らし、かなりの混乱状態でやって来た。その派手な慌てっぷりを見た監督は、このキャラは主人公側に欲しい!…と思ったようです。

でも、ダルタニャン役は既にАбдулов氏がいたため、まずは「アトスかアラミス役」を打診したそう。
で、詳しい経過は不明ですが、ボヤルスキー氏に決定した理由のひとつとしては、
「作曲者の推薦があった」から…と記載されていました。
やはり、旧ロシア版は歌曲が多用されたミュージカル風の作品なので、彼が歌手でもある「歌える俳優」だったというのは、大きかったのかなと思います。
( Абдулов氏には、そこまで音楽素質が無かった…という様な記載あり。)

結果として、作中にはボヤルスキー氏が歌う曲が多数使用されています。
四銃士俳優の中で、実際に歌っているのは彼だけです。
(ダルタニャン以外は、♪パラパラ~で始まる「銃士の歌」も、アラミス・アトスのソロ曲も別の歌手。)

歌も歌っているし、作中のクレジット表記も単独別枠だし、…自分はてっきり“ボヤルスキー氏ありきの作品”と思っていたので、
彼が最初ロシュフォール役だった…というのは意外でした。


■『アトス役は、当初シャーロック・ホームズだった』

アトス役も、二転三転したようです。

最初の候補は ユーリー・ソローミン。(黒澤明監督「デルス・ウザーラ」や、緒形拳主演「おろしや国酔夢譚」に出演しているそう)
その次が、ロシア版シャーロック・ホームズで有名なワシーリー・リヴァーノフ。

Wikiによると、
アトス役はリヴァーノフで撮影されるはずだった。しかし、素晴らしいテスト撮影を果たした後、約束の期日に撮影現場に姿を表さなかった
…そうです。

その後監督は、当時話題になっていた舞台『巨匠とマルガリータ』を見に行き、
そこで謎の外国人(実は悪魔の首領?)ヴォランドを演じていた、ヴェニアミン・スメホフに、アトス役のオファーを決めたそう。

スメホフ氏としてはオファーを受けたものの、当時「反体制的」とされていた“タガンカ劇場の俳優”を起用するにあたっては、少し揉めそうになった様ではあります。(←その辺の詳細?まだ訳してません…。)

3つ前のスメホフさんインタ記事のなかで、「アトス役をやるまでは、ほとんど知られていなかった」…と、ご自身で語っておられます。
もしリヴァーノフ氏が、アトス役をやっていたら…?
不思議な巡り合わせだなーと思います。