お昼ころ、弟から電話があった。
「病院から、危篤だって、少しなら面会できるみたいだからすぐ行って」
とうとう、その日が来たのか。
父と病院に駆け込む。あいにく休日、でも看護師さんが
入れてくれた。
呼吸器がもう動いていない、でも、心音がするけど数値は100以下。
「さっきまで150あったんだけど!」看護師さんが必至で声を掛けてくれる。
私も父も、体をさすり、大声で呼ぶけど、もうなんの反応もない。
「聞こえていますよ、ずっと声掛けて!」看護師さんが言ってくれる。
私も父もずっと呼びかけた。聞こえていると信じながら。
「ごめんなさい、もう時間なので、これでお部屋を出て」
看護師さんが本当に申し訳なさそうに言う。
コロナ禍だから、息を引き取るまでいられない。
弟がもうすぐ来る。
弟も間に合うと良いな。
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家に戻り弟が病院から帰って来るのを待つ。
「はあ~」
とため息しかない。落ち着かない。
コロナで亡くなったら、このまま病院で一夜を過ごし、明日12:00に
出棺になるのだ。
もう、顔も、ビニール袋越しでしか見られない。
13:30頃、病院から「呼吸が止まりました」と電話があった。
私と弟で会いに行く。父はもう行かない、と言う。
病室では、もう呼吸器もはずして、息も荒くなく、苦しくない母がいた。
もう苦しんでいない、安心した。
死亡確認、2時15分。
ゆっくりお別れを言い、顔を触り、足をさすり、...
看護師さんに「顔が見えるビニール袋を用意してくださるんですよね」
と弟が確認すると
「お母さん、もう、コロナじゃないよ。今日で解禁、アフターコロナ」
「!?」(え?)
「コロナじゃないんですか?」
「え?じゃあ、お葬式できる??」
「家に帰れる?」
「うん、もう、胸張って普通に送ってあげて」
(いやーっほー!)
(看護師さん)「葬儀屋さん、何時頃引き取りにくる?それまでに身支度しておくから」
「(葬儀屋さん??)あ、そうだ、コロナ担当の人にしか電話していない、
コロナじゃなくなった、って、連絡しなきゃ」
あわてて葬儀会社に電話。
「あの~、さきほど母が息を引き取りまして」
「ご愁傷さまです」
「それで、もう、コロナじゃないので、普通に葬儀できるそうなんですが」
「え??え~??それは良かったですね!あ、こんな時に良かったなんてごめんなさい。
すぐに普通の葬儀担当に引き継ぎますので、連絡いれますね。」
ということで、我が家はなにも用意していなかったので、それからがバタバタ。
父は母が帰って来れる、と聞いて、大喜び!
部屋を片付け、敷布団を用意して.....
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葬儀屋さんは1時間ほどで病院に迎えに来てくれるとのこと。
弟と再度病院に。
裏口に、もう車が来ていた。
母の荷物と母がストレッチャーに乗って出てくる。
私が母と一緒に車に乗り、家に着くと父が出迎えていた。
やっと、家に帰って来たよ。
8/3、最後の入院から、三か月半、お帰り。