待ち合わせ場所に着き

男の車に乗り込む



「後ろに乗って」



男のその言い方には容赦ない
圧力を感じる

後ろの座席に行くと、男もすぐに
隣にやって来た


「おつかれ。はい、ぎゅーってしよう。」


男に抱きしめられ、私も男の背中に
手を回して抱きしめる

と、直ぐさま腕を解き、スラックスと
トランクスを脱いでしまった


もう既に男のソレは、硬くなり
黒光りしていた


「ほら、どう?」


男は自分のソレをさすりながら言う


「時間無いんだから早く」


「えっ?」


「舐めて」



この時点で私は、なんとなく
嫌な、腑に落ちない気分になっていた

しかし、男の強い口調に押されて
何故か男の言いなりになっていた


「○○○、好き?」


喘ぎながら男が聞く


(好きなわけがない
こんなグロテスクなもの
何で好き好んで、、)


だんだん、白けていく自分を感じた

何故私は、仕事で疲れた身体を引きずって
男に会いに来てこんなことをしているのだ



「ねぇ、俺の上に乗ってきて」


「えっ、ここで?」


仕事終わりと言えど、まだ日は高い
そして周りには何台もの車が駐車して
いるのだ
誰かが車に戻ってきたら丸見えではないか


「いや、ここでは無理よ」


「だいじょうぶだから、早く!
時間も無いんだから」



何を言っているのだ


この場所もそうだが、私の身体は全く
感じてはいない
男は私の身体に触れてもいない
全くもって渇き切っているのだ



「ごめん、出来ない」


そう言うやいなや、男の表情は
ガラッと変わった



「そう、じゃ帰ろう」


「えっ?帰れってこと?」



男は無表情のまま、私の顔を見ることなく
前を向いていた


(そう言うことか、、前にもあったわ、
こんなこと。何も変わってない、、)



「じゃ、帰るね。」


「ごめんね、何時でも何処でも
出来る女じゃなくて!」


そう言って、車のドアを思いきり閉めた



自分の車に乗り込んだ途端
男の車は、走り去って行った




情けなかった


こんな男とまたヨリを戻した自分が
馬鹿で情けなくて仕方がなかった



男の前で涙のひとつも流せば良かった
と思った



しかし残念ながら、こんな男の為に流す
涙など、アラフィフは持ち合わせては
いなかったのである