今回は、京都国立博物館『特集展示 縁を結ぶかたな—国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞―』を見てまいりました!
<はじめに>
こちらの特集展示は平成知新館の1階、1-4・1-5展示室にて、3月22日まで展示されており、一般の入館料のみで観覧することができます。
本展覧会では、「形」「銘」「刃文」「刀身彫刻」の4つのテーマに沿って、主に刀身と鎺の展示が行われており、
展覧会の名前の通り国宝・重要文化財をしっかり鑑賞することができました!
また、私は刀剣乱舞というゲームのプレイヤー、いわゆる審神者です。
本展覧会には初期刀の陸奥守吉行、最推しの宗三左文字こと義元左文字の元ネタになった刀が展示されているということもあり、喜びもひとしおでした😆
この記事では軽く刀の説明もしながら、自分が感動したポイントや見ることができてうれしかったところなど、感想を述べていきたいと思います~!
本展覧会は撮影NGのため、文字のみの解説となります。もし気になる刀などがあれば、ぜひ見にいくか、ネットで名前を検索してみてください。どれも美しく、歴史の重みある刀たちです。
<形>
一番はじめのエリア「形」では、刀が使用用途や時代、所有者によって形を変えてきたその変遷を目で見て実感できるようになっていました!
わかりやすく異彩を放っていたのは金剛寺の『剣 無名』でしたねー。だって明らかに形が違いますもん!!これだけ縦に展示されてましたし……この剣は、お寺に奉納された儀式用の三鈷剣ですので柄の部分が金剛杵の形をしています。
また、すぐそばに展示されていた鞍馬寺の『黒漆剣』も見れてうれしかった刀でした!鞍馬寺には家族や友達といったことがあるんですが、この刀は基本非公開でなかなか見れないので💦
『黒漆剣』は征夷大将軍としておなじみ坂上田村麻呂が鞍馬寺に奉納したといわれています。奈良時代から平安初期に作られた上古刀のため、日本刀特有の反りがまだありません。1200年ぐらい前の刀が残存している事実がすごすぎる。
片刃で反りがあるという、いわゆる日本刀らしい日本刀の基本構造が出来上がったあとも、細部は年代によって異なるんですが、
今回の展示では「磨上げ」という工程を経た刀でそれらを見せてくれていました✨
「磨上げ」とは、持ち手である柄の下の部分(茎)を短く切って刀身のサイズ調整をすることです。
一度作られた刀は長く使用されるもの。その時の所有者に合わせたサイズ調整が必要でした。
また、馬に乗っての一騎打ちが戦の主流だった時代に長く作られた刀身は、戦国時代、徒歩での集団戦が主流となった戦では逆に不利となったため、多くの刀が磨り上げられて違う刀種へと変えられていきました。
磨上げの流れは江戸時代、帯刀する刀の長さが規定され、戦いの場所が郊外から市中へと変わったことでさらに加速していくこととなります。
『骨喰藤四郎』もここのエリアにありました!
てっきり「刀身彫刻」のエリアにいるとばかり。倶利伽羅竜がぴかぴかでとてもきれいでした!
『骨喰藤四郎』はもともとは鎌倉時代に作られた儀式用の長大な薙刀でしたが、時代に合わせて磨上げられ、切れ味鋭い大脇差になりました。
豊臣秀吉が愛した名刀ですが、焼身となり再刃され、今は当時とは違う様相となっています。
すぐそばの展示が静型薙刀だったので、わかりやすく大きさや形の比較ができてよかったです!
<銘>
同じく1-4展示室に飾られているのが、「銘」に関する刀剣たちです。ここが個人的に一番好きなエリアでした!!刀の解説文に若干書いてる方の怒りや驚きの感情がにじんでいるのが面白かった笑!昔の無名の職人たちの技術の高さやこだわりが伺えるのも良かったです✨
「銘」とは、刀剣の号、製作者、所有者、生産地などのサインのことです。刀剣の茎の端に彫り込まれるのが一般的でした。
絵画でも作者のサインがあるのとないのとで判別のしやすさや価値が異なるように、刀剣でも銘があるのとないのとでは、判別のしやすさが段違い……なのですが。
ここで、先ほど述べた「磨上げ」を思い返してください。戦国時代、江戸時代盛んに行われた磨上げは茎を削ってサイズ調整を行うものでした。
そうなんです。
磨上げとは、いわば銘を削る行為でもありました。たとえば今回展示されていた『太刀 銘備中以下切』は備中から先の銘がぶったぎられています。
現代においては国宝や重要文化財の銘を損うなど賠償請求ものですが、当時の刀は使えることが1番!銘はよほどの名工のものでもなければこのように切られてしまうことも少なくありませんでした。
ただ、その一方で、なんとしても銘を残したいとあの手この手を使われている刀もありまして!!今回の展示ではその試行錯誤を見ることができました。『刀 額名来国光/切付銘埋忠磨上之』や『刀 折返銘備前助村』などがそうです。
名前にもあるとおりですが、『刀 額名来国光』は磨上げで切り落とした部分から、銘のみを短冊状に切り取り、本体の新しい茎にはめ込んだ刀。
『刀 折返銘備前助村』は銘を反対側に折り曲げてから叩いて接合することで、本来端のほうに書かれていた銘を茎に残すことに成功した刀です。
はめ込んだとか折り曲げたとかいう表現を使ってますが、実物は紙やプラスチックではなく鋼と鉄ですので、それはもう技術力が問われるわけです。実物を見てそれを実感できたように思います✨
<桑名江と義元左文字>
そしてこれらのエリアの中心にどどんと置かれているのが、『桑名江』と『義元左文字』です!!
360度どの角度からも見えるの最高すぎます〜!!
『義元左文字』といえば天下人の刀!茎には所有者である織田信長の名前と、桶狭間の戦いで、元の持ち主である今川義元を討ち取った旨が書かれています。
義元左文字は元々は太刀でしたが、織田信長が自身に合わせて磨上げを命じ打刀になりました。江戸時代に妙暦の大火で焼けて再刃され、今はかつてと違う姿になっています。
当時、織田信長を魅了した刀身はいったいどんなものだったのでしょうね……!想像がふくらみます。
『桑名江』といえば、名高い刀工である江義弘作刀の名刀!
いわゆる『江』と呼ばれる刀たちは、刀工が短命だったため残存している本数が少なく、評価は高いのに滅多にお目にかかれない刀としても有名でした。このように美術館や博物館で機会を得て観に行けるのは幸運なことだとおもいます。
桑名江は、もともとは農家の神棚に飾られた正体不明の刀でしたが、本多忠政によって見出され本阿弥の鑑定でもって江と認定されたため、あとから磨上げと銘入れが行われた刀です。
「銘」のエリアに展示されている他の刀剣と順序が逆なのが面白いですよね〜
<最後に>
文字数が足りない!!残りの「刃文」と「刀剣彫刻」はまた後編の記事でご紹介します〜!!