シンゴを葬儀会場へと

送る時間がやってきた。

 

親戚や弟妹たちも

集まっていた。

 

私は喪服に着替えたけれど

 

シンゴの横でボーっとしていた。

 

シンゴのそばを離れたくなかった。

 

お客様の対応や

通夜や告別式の

打ち合わせなどは

全て義父母がやってくれていた。

 

子供たちはこの時間まで

何やってたのかもわからない。

 

実両親すらほったらかし。

 

ただただボーっと。

 

シンゴの横にいることが

私の務めのように。

 

出棺の時間。

 

背が高くがっしりしているシンゴを

2階から降ろすのに

親戚や葬儀社の方々が

苦労していた。

 

シンゴってば。

最後に迷惑かけちゃダメじゃん。

 

と思いながら見ていた。

 

霊柩車っぽいワゴンに

ストレッチャーに乗せられた

シンゴが乗る。

 

シンゴと一緒に

私だけがその車に乗った。

 

出発。

 

もうこの家に

肉体のシンゴは

戻ってこない。

 

次に戻ってくるのは

骨になってしまってから。

 

この状況は

現実なんだろうか。

 

会場へ向かう途中

涙が溢れて止まらない。

 

もうこの道を

シンゴと一緒に走ることはないんだ。

 

家族で外食へ行く。

家族で遊びに行く。

家族でスーパーへ行く。

 

二人でカフェに行く。

二人でランチに行く。

二人でデートに行く。

 

当たり前のように

通っていた道なのに

 

もうないんだ。

 

嘘みたい。

 

嘘であって欲しい。

 

ってかさ。

 

起きてくれシンゴ。

 

意地で起きてよ。

 

いつも気合と根性で

なんでもやり過ごしてきたじゃない。

 

なんで起きてくれないのよ・・・。

 

無情にも会場へと

車は到着してしまった。

 

シンゴのお通夜が始まる。

 

 

 

汗死別した人と共感したい汗

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