ショートカットとは正規の道筋を通らず、省略した道を意図的に通ることです。
聞こえが悪いですが、それはちっちゃなウソ、ちっちゃな怠慢です。
それに慣れないでほしいという思いから、敢えて書かせてもらいます。
ここでいうちっちゃなウソっていうのは、ふだんの生活で当たり前に誰もがしている、
ウソというには、おおげさなくらいのことなんです。
車の通りが少ない道路で、車が来ないから、横断歩道の信号はまだ赤だけど渡っちゃう。
それくらいのちっちゃなこと。
道交法では、禁止されていますよね。
そして、ふだんの生活では、そういうシーンよくありますよね。
車の往来がないことを確認したなら、はねられることはまずないでしょう。
あなたは左右安全確認したんだし。
たぶん、無事に横断歩道を渡ることができます。
そして、人というのは「慣れ」る生き物です。
それを繰り返しやっていたとして、いつもの道で、一度もはねられたことはないとします。
ある日の出来事。
その日は雨が降っていました。あなたは傘をさしています。
いつもの道に差し掛かります。
今日も赤信号で、いつもの車の往来が少ない道。
あなたは左右安全確認をして、いつも通り渡ります。
そこへ一台の車が………。
そういう事ってあるんです。
いつもの通りの安全確認をしたつもりでした。
ただ、たまたまその日は傘をさしていた。傘でいつもの視界が確保できていなかった。
不幸な偶然?
違います。必然です。
守るべき、決まりを守らなかったためです。
視界が確保できていなかろうが、決まり赤信号で止まっていたら、はねられることはありませんでした。
いつも、はねられずにすんでいたことのほうが偶然です。
この話のなかの「傘」は、新人のあなたにとっては、「緊張」かもしれません。
「患者さんの目」「先輩の目」そういうものかもしれません。
「寝不足」や「彼とのケンカ」そういうものかもしれません。
そういったいつもとちょっと違う状況と、習慣が競うと、
習慣が勝つんです。
だから、視界が確保されていなかったことにすら気がつかないんです。
手順通りにやる、決められた方法でやる。
私たちが扱うのは人の命。
自分しか見ていないからといって、
いつも大丈夫だからといって、
今日、大丈夫なんて保証はどこにもない。
安易にショートカットせず、
決まりを守りましょう。