2011,3

通院送迎介助のNPOのS職員が来た。
リビングで三者面談。
妻は勤め人のため、自営業の私が出勤を遅らせ同席した。
ケアマネのTさんのときもそうだったが、父と私を目の前にして相手の緊張感が伝わってくる。
気を遣う必要はない、相手はプロなのだからなどと唱えながら茶を入れる。

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の父は言語障害と右麻痺である。
言葉が出にくいだけでなく方言も強い。
細かい説明や手続きなど伝わりにくい。
だからこそ家族として立ち会い病歴などを代弁するが、年月日や微妙なニュアンスが異なることを嫌がる感じは伝わってくる。

通訳が理解出来ていないものは代弁ではない。よってなるべく父本人に話しをさせる。
案の定S職員には伝わらない。伝わらないと機嫌を損ねる父。

「いらねえかの」

父は7年前脳梗塞で倒れ、退院してきたときは要介護3だったが、リハビリに専念し要支援2まで改善してきた。
リハビリというより田舎の生活はそれ自体がリハビリである。
発病後さすがに米作りは人に任せたが、退院してからもデイサービスに週一回通うかたわら、家事のほか夏は畑、冬は雪掻きとよく働いた。
2年くらいで要介護1まで回復してきた頃、母のリウマチがひどくなってきた。