2020年、 ローカル線の風情あふれる勝原駅から、ところどころガードレールの無い山道を走ること、30分あまり、鳩ケ湯温泉に到着しました。


   山奥に突如、現れる立派な山小屋風の建物。 この辺りは豪雪地帯なので、古い3階建ての建物が倒壊してしまい、建て替えられているのです。 駐車場にクルマが停まっていません。これは、ラッキーです。


   玄関には『岳人の湯』と書かれています。館内はめちゃめちゃきれいです。受付で検温を受け、笑顔が素敵な女将さんから源泉の話を少し聞きます。ガツガツした温泉マニアだとバレないように、少しだけ上品に聞きます。バレたかな?  


  源泉は川の対岸にあり、塩を好むアオバトが来ていたから見つかったらしいです。アオバトは晴れた日ならよく見ることができるとのことですが、雨ですね。  

   鹿や鶴など動物やお坊さんが源泉を見つけるケースは多いですが、鳩は珍しいですね!

   毎分4、5リットルという湧出量で、味は薄い塩味に微炭酸の味とのことです。個性を感じる良いお味ですね。源泉温度が低いので、加温と循環はしているらしいです。ちょっと残念ですが、仕方ないですね。

   でも、でも、残念ではないのですよ。




   2階へ上がり、渡り廊下を通って、浴室棟へ。





   掲示されている分析書には、泉温14度と書かれていますが、女将さんは22度と言っておられました。どうなのでしょうね。
  塩素は残念です。


   脱衣所には、鍵付きロッカーが備えてあります。これは安心ですね。


   浴室だけは倒壊から免れて、残っているのですよ。もちろん、先客はなく、独泉です。
  女将さんに、誰もいなかったら撮影して良いとの許可を得たので、撮影しまくります。



   このタイルの床、素晴らしいです。いかにも鉱泉らしく、3人くらいで満杯になりそうなこぢんまりとした浴槽。源泉の成分で染まった岩。良いですねえ。撮影しがいのかる素敵な浴室です。  
  循環しているから、オーバーフローはありませんが、この蛇口に注目!  


  非加熱の源泉をセルフで注入できるようになっています。  
  ちょっと出してみて撮影。


  これは、湧出量の少ない鉱泉の使い方としてはベストだと思いますが、どうでしょうか? 蛇口に付着した成分の塊が歴史を物語っていますね。古いままのためか、きちんと絞めてもチョロッと出るのがまた良いですね。  

  お味はごく薄い塩味。かなり美味しい部類です。微炭酸とのことですが、言われてみれば、ほんの僅かに、炭酸っぽい甘味を感じるかなあ?というくらいです。
  この口に含んだ感じは22度。
   泉質は、ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉です。

   この非加熱源泉の存在と素敵な浴室が気に入って、誰もいないから、セルフタイマーで自分の入浴写真まで撮影しました。写ってはいけないモノが微妙に写ってそうに見えなくもない写真なので、公開できませんが、良い記念になりました。  


  湯上がりに、暖炉のある良い雰囲気のロビーで女将さんにお礼を言った時、良い話を聞きました。
   朝イチの浴槽には、湯の花がたっぷり出ているらしいです!これは、ぜひとも泊まってみたいです。

   公式ホームページに出ているプランは山奥にしては料理が多く、かなりお高い値段ですが、まれに、食事少なめ格安プランがホームページに出てることがあります。直近では、2023年8月に出てました。

   鳩ケ湯温泉に泊まって、朝イチの浴槽の湯の花を満喫してから荒島岳に登ってみたいと思いました。

  外に出て、涼しい外気を浴びて、川を見ます。 川の対岸の源泉湧出場所は、地面が染まっていて、そこだけ木が生えていないのですぐわかりました。

   ケータイが完全に圏外の山奥に湧く秘湯、鳩ケ湯温泉。