石川県白山市にある行善寺温泉は、その名前のとおり、お寺にある温泉です。

  小松市にある西園寺温泉と同じく、お寺そのものの建物です。


   そして、同じく、社会福祉法人仏子園が温泉施設を運営しています。支店みたいなものですね。



   お寺らしい入口から入ると、玄関付近はかなり近代的に改装されています。

 ロビーでは、お年寄りやスタッフらしき若い女性が数名くつろいでおられます。 

  ここも、デイサービスを営業されているのです。


   運営方針は同じで、地域の方々は入浴無料、近隣の地域の方がボランティアをしたら無料入浴、良いですね。隣に保育園もあり、ここが地域の交流の場になるようにという考え方のもとに運営されているのは同じなのですが、さらに、ここには、ブータンからの留学生が来ているという話を食事処の方から聞きました。 同じ場所に、年齢や性別、障がいのある無し、国籍も問わずに交流するスペースの中心に温泉があるのが素晴らしいですね。

   温泉は男女入れ替えがあり、浴室の雰囲気が違います。海の湯と山の湯。

  この日の男湯は山の湯。開店間なしに来たせいか、たまたま誰も居なかったので、撮影できました。少し黄色がかった湯は、舐めると出汁のような味で、旨味があります。



   内湯は水墨画のような山の絵があり、山好きには嬉しく、居心地の良い空間です。 かけ湯槽からこぼれたお湯は浴槽に入っていきます。適温の内湯はやや薄暗いのが落ち着きますね。



   うってかわって、露天風呂は明るい空間になっていて、外気が気持ち良いですね。

   お寺の温泉で福祉施設ということで興奮してしまい、吸い込み口を細かく確認していませんが、おそらく内湯も露天風呂も循環併用のかけ流しかなあと思います。


   湯上がりは、お寺の趣が残っている食事処でランチをいただきます。



  メニューがいろいろあるので迷ったあげく、おろし蕎麦と天丼にします。

  ブータンのそば粉使用の蕎麦と『かえし』を推すようなメニューが多いので、ここは素直に選びましたが、大正解です。  


  天丼の天ぷらは揚げたてサクサクで、このかえしのタレがご飯に染みてめちゃくちゃ美味しいです。 香りのよい蕎麦と辛みのある大根も相性がよく、蕎麦つゆも濃いめで美味しかったです。 

  お寺らしい空間で食事って、貴重な体験です。


  食べ物への感謝の気持ちが自然に出てきます。


   パリッと焼かれた皮とアンコが美味しいこのお菓子、名前を忘れてしまいました。 デザートまで食べて大満足。



   仏様に見守られる足湯に、鐘まで備えたお寺の空間は、美味しい食事と気持ち良い温泉を備えた、素晴らしいコミュニティ空間になっていました。

   あっ、鐘を突くのを忘れてました。今度、行ったら、確認して鐘を突かせてもらいたいなあと思います。