飛騨古川のすぱーぷるで立ち寄り湯をした後、神岡経由で奥飛騨を目指します。
私の大好きな奥飛騨温泉郷の1つ、栃尾温泉に到着したのがちょうど17時。大音量で、『遠き山に日は落ちて』が流れています。こういうのどかな感じが大好きです。そういえば、15年前まで住んであた長岡京市は、夕方、『ふるさと』が流れていたのを思い出しました。 栃尾温泉は、小さな民宿がいくつかあるようで、奥飛騨の中では、地味なイメージですが、ここに素晴らしい温泉があるのです。
泊まったのは、上栃尾のバス停前にある宝山荘という小さな蕎麦屋さんです。蕎麦屋さん?
この宝山荘さんは民宿もされていて、蕎麦屋さんの二階でお泊まりができるのです!もちろん、温泉があります。
正面の大きな入り口は民宿。右側の小さな入り口が蕎麦屋さん。こういうちょっと珍しい造りにワクワクします。
正面から入ってチェックインを済ませ、女将さんに二階のお部屋に案内していただき、お風呂と食事の説明を受けます。男女別に内湯と露天風呂があり、翌朝8時半まで入り放題。別棟にある貸し切り露天風呂は、予約制ではなく、空いていれば、一回30分程度、いつでも入れ無料とのことです。温泉が大好きな私達は、テンションが上がります。夕食は6時、朝食は7時半。固定のようです。部屋は10畳。小さなテレビと金庫があり、トイレは廊下に出てすぐのところ。畳はきれいで、清潔感があるお部屋。素晴らしいです。
なぜか、廊下に、巨大な冷凍庫があり、名前を書いてモノを入れて良いらしいです。なぜ冷蔵庫ではなく冷凍庫?
冷凍庫のことより、夕食までに温泉です!まずは、男女別内湯。シャワーを備えた洗い場は3つ。浴槽の角にある湯口からドバドバと無色透明な源泉が注がれていて、縁からオーバーフローしているほか、小さな出口から露天風呂にも流されています。岩造りの露天風呂には、内湯から流入するぬるめのお湯と別の湯口から注がれる源泉が入り混じっていて、内湯よりややぬるめの温度になっています。ぬるめの露天風呂でのんびりして、おそらく氷点下の外気で寒くなると内湯で温まり、また露天風呂へ。誰もいない貸し切り状態のなか、気持ち良さが続きます。
ああ、気持ちええなあ。
夕食は、1階の蕎麦屋さんのテーブルでいただきます。この日のお客さんは私だけのようです。どうりでお風呂で誰とも会わなかったわけです。これは、ラッキーです!飛騨牛の陶板焼き、寄せ鍋、ナマズのお刺身などが並んでいました。ナマズ、初めて食べましたが、あっさりめで美味しいです。まだ料理があり、イワナの朴葉味噌焼きがアツアツの状態でいただけました。さらに、温かくふわふわで香りが豊かなそばがきをいただけたのも、蕎麦屋らしく、とても嬉しかったです。あと、ナマズのあらの味噌汁、これも旨味があって、おいしかったです。
厨房から『クリームシチューのモトは?』という声が聞こえてきました。
待てどもクリームシチューは出てきません。民宿のご家族のメニューのようでした(笑)
民宿の小さな子供たちがうろちょろしていて、かわいいです。
お櫃には、たっぷり炊きたてご飯がありましたが、ご飯によくあうおかずたちなので、モリモリ食べます。〆の雑炊まできれいに完食。とてもおいしかったです。
『ごちそうさまでした!』 食後、ちょっと部屋でテレビを見てゴロゴロしました。こういう時間、いいなあ。温泉に入ろうと一階に降りた時、『関係者以外立ち入り禁止』の部屋から子供が出てきて、チラリと見えた部屋の中で、宿の方々がおそらくシチューであろう鍋を囲んで夕食中でした。
こういうふうに、生活が垣間見えるのも、民宿の魅力ですね。
そして温泉に入りまくり、心地よく熟睡しました。
翌朝は6時半からまた温泉へ行きます。朝は、貸し切り露天風呂へ。札を『入浴中』に裏返して入ります。
岩風呂は7~8人は楽に入れそうな広さ。朝からこんなに広い露天風呂を独占できるなんて、『ああ、来て良かった』と喜びがあふれてきました。
その後、男湯にも入ってから朝食は7時半から、昨夜と同じく蕎麦屋さんの席でいただきます。飛騨の名物の朴葉味噌焼き、玉子かけご飯、私の大好物を知ってはるのでしょうか?と思ってしまう美味しい朝ご飯、ごちそうさまでした。ご飯も炊きたてで、美味しいです!
やっぱり蕎麦屋さんなので、食事がこんなにも美味しいのですね。私は、蕎麦も大好きなので、また訪れた時に食べてみたいです。
メニューは、ざる、天ざる、鴨南蛮などで、うどんもあると書かれていました。
チェックアウトの時、ちょうど蕎麦を打っておられるのを見ることができました。当たり前ですが、素晴らしい手つきで、見とれてしまいました。
蕎麦屋で蕎麦を食べると、(泊まりのお客さん等の都合しだいですが)温泉に入れていただけることもあるらしいです。
この内容で一泊二食8500円はお得です。リピーター確定しました。宝山荘さん、大好きです。