翌日放課後

廊下にて

夕輝「う~ん、そろそろ誰をスカウトするか決めないと」

まな「あ、あの先輩」

夕輝「え? 僕?」

まな「は、はい」

夕輝「あ、昨日の― えーと」

まな「小日向 まな… です」

夕輝「小日向さんだね。僕は美神 夕輝。昨日は大丈夫だった?」

まな「は、はい。美神先輩は大丈夫でしたか?」

夕輝「うん、大丈夫。えっと、それでなにかな?」

まな「あ、はい。えと、あの、昨日のお礼がしたいんです」

夕輝「お礼? そんなの別にいいよ。それに不良たちを追い払ったのは河羽君だし。お礼だった河羽君のほうにしてあげてよ」

まな「その、河羽先輩に言ったら夕輝先輩を助けてやれって…」

夕輝「え? 助ける? どういうこと?」

まな「困ってたって…」

夕輝「あ、もしかして暗い顔してたからかな」

まな「あの…」

夕輝「う~ん。どうしよう」

まな「その、もしかして迷惑でしょうか?」

夕輝「いや! そういうことじゃないんだけど… う~ん、それじゃあちょっと聞いてくれるかな?」

まな「はい」

夕輝「えっと、今生徒会では新しい生徒会役員を探しててね、それで、もしよかったら生徒会に入ってくれないかな?」

まな「生徒会… ですか?」

夕輝「うん、そう」

まな「えっと、私でよければ…」

夕輝「ほんと? 助かるよ! それじゃあさっそく生徒会室にいって会長に許可を取りに行こう」

まな「は、はい」

夕輝「玲奈、OKだしてくれるかなぁ」

生徒会室にて

夕輝「玲奈いる?」

明音「美神じゃないか。どうした? 今日、会議はなかったはずだが?」

夕輝「ちょっと玲奈にようがあって。そういう六条くんこそどうしたの?」

明音「俺は書類の整理をな。あの女、めんどくさい事務仕事だけ俺に押し付けやがって…」

夕輝「あはは…」(苦笑い)

明音「ところでどうしたんだ? そいつは」

夕輝「あ、えーと…」

玲奈入室

玲奈「はぁ、なんなのよあいつ。わたしはずっと断ってるじゃない…」

夕輝「あ、玲奈」

玲奈「ん? 夕輝じゃない。生徒会室になにか―」

夕輝「玲奈?」

玲奈「なに… この子…」

夕輝「え、えーと、もしかしてまずかった?」

玲奈「か、かわいい!!」

玲奈がまなに抱きつく

まな「きゃっ!」

玲奈「なになにこの子! もしかして夕輝が連れてきたの?」

夕輝「そ、そうだけど」

玲奈「いいセンスしてるじゃない! 決定! この子で決定よ!」

明音「いったいなんの話だ?」

玲奈「あとで説明するわよ。だから夕輝! 六条! いまから緊急会議をひらくわよ!」

夕輝「え! いまから!?」

玲奈「ええ、いまからよ。こうちゃんはまだどっかうろついてるだろうし、たけしは私が呼んだって言えばどこからでも来るわよ。内容はこの子の歓迎会よ」

明音「ちょっとまて、歓迎会ということはもしかしてそいつが生徒会に入るのか?」

玲奈「そうよ。そのへんのことは歓迎会で説明するから。早く準備するわよ」

明音「まぁ、それはわかったが別に明日でもいいだろう」

玲奈「こういうことはなるべく早いほうがいいでしょ。それに明日からしばらくこうちゃんがバイトで来れないの。せっかくならみんなで歓迎会したいじゃない。だから今日。そんなこともわからないから私に勝てないのよ、明音ちゃん」

明音「な、なに~」

まな「あの、そんな別にいいです… 歓迎会なんて…」

玲奈「なにいってるの。遠慮しなくていいのよ。それとも迷惑?」

まな「い、いえ! 迷惑だなんて… その、すごくうれしいです…」

玲奈「だったらいいわね。それじゃあ、夕輝はたけし、六条くんはこうちゃんを呼んできてちょうだい。私は歓迎会の準備をしておくわ。わかったらさっさといってきて」

夕輝「わ、わかった!」

明音「ちょっとまて! 俺はまだ―」

玲奈「あの秘密、ばらすわよ」

明音「なに、秘密? なんのことだ?」

玲奈「明音ちゃんはー 中学三年生のときにー おねし―」

明音「なんなりとお申し付けください会長!」

夕輝「えええええ!! 六条くんがそんなこと言うなんて! いったいどんな秘密なの!?」

玲奈「じゃあ二人とも頼んだわよ」

夕輝「う、うん」

明音「了解しました!」

夕輝、明音退室

明音「なぜだ… なぜ知られている… 誰にも知られてなかったはずだ… どうやって…」

夕輝「すごくショックうけてる。どんな秘密なんだろう。すごく気になるよ…」

しばらくして

生徒会室にて

玲奈「全員そろったわね」

武「おう!」

明音「ああ」

夕輝「うん」

康介「ああ、いるぜ」

玲奈「それじゃあ、まなが来てから一回目の、記念すべき生徒会会議を行うわよ」

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数時間後

下校途中

夕輝「はぁ。結局今日もダメだったなぁ。こんなんで決まるのかな?」

武「よぉ、夕輝じゃねえか。どした? なんか暗い顔して」

夕輝「河羽くん。やっぱり僕そんな顔してる?」

武「ああ、してるぜ。ま、なにがあったかはしらねえけど前向きに考えようぜ!」

夕輝「はぁ。ときどき河羽くんがうらやましくなるよ…」

武「お、そうか? 俺ってそんなすごいか? 照れるじゃないか!」

夕輝「…はぁ」

しばらくして

女の子の声A「―めなさ―よ!」

女の子の声B「―て―ださい」

夕輝「ん?」

武「どうした? 夕輝」

夕輝「なにか聞こえた気がしたんだけど…」

武「なにかってなにが?」

夕輝「なにか女の子の―、あ! あれ! 河羽くん!」

武「あれ? あ! あいつら!」

夕輝「女の子がからまれてるよ! 助けないと! って河羽くん?」

武「おまえら! 女の子をいじめて楽しいか!?」

夕輝「行動はやいよ!」

武視点

わるいやつA「ああ? なんだお前?」

武「俺は河羽 武だ! お前らに名乗る名前などない!」

わるいやつB「名乗ってんじゃねえか」

武「へ? ああ! しまった!」

わるいやつC「こいつどうする?」

わるいやつB「やっちまおうぜ」

わるいやつA「だな」

わるいやつB「おい、河羽とかいったな」

武「なんだ?」

わるいやつA「われら」

わるいやつB「三兄弟に」

わるいやつC「たてついたことを」

わるいやつABC「後悔させてやる!」

夕輝視点

夕輝「はぁ、はぁ。やっと追いついた」

不良C「なに! 俺を踏み台にした!?」

不良A「ぐわああああああ!」

不良B「ひでぶ!」

武「ふぅ。遅いぞ夕輝! なにやってたんだよ。もう終わっちまったぞ」

夕輝「河羽くんが早いんじゃないか」

武「ったく、貧弱だぞ。それはそうと大丈夫だったか? 二人とも」

歩美「はい、おかげさまで。ありがとうございました」

まな「ありがとう… ございました…」

夕輝「あれ? 歩美ちゃん?」

歩美「美神先輩?」

夕輝「それに昨日の…」

まな「昨日の先輩…」

武「なんだ? お前ら知り合いだったのか?」

夕輝「え、うん。まあ一応」

歩美「美神先輩、こちらは?」

夕輝「ああ、この人は河羽 たけ―」

不良A視点

不良A「くそ、このままじゃすまさねえぞ。これでもくらいやがれ!」

大きめの石をなげる

夕輝視点

夕輝「ってひとなんだけど―、あぶない!」

歩美「え?」

夕輝が歩美をかばう

石が額にあたる

夕輝「っ!」

歩美「美神先輩!?」

まな「先輩…!」

武「あのやろ!」

歩美「大丈夫ですか!? 美神先輩!」

夕輝「う、うん。大丈夫」

まな「先輩… 血…」

夕輝「え? あ、本当だ。でも、まあ大丈夫だよ」

歩美「大丈夫って… でもそんなにいっぱい血がでてる…」

夕輝「頭の怪我は血が出やすいんだよ。それだけだから大丈夫」

武「くそっ! すまねえ逃がしちまった」

夕輝「別にいいよ、そんなこと。それより二人をたのむね。僕はちょっと病院いってくる」

武「ああ、わかった」

歩美「あの、私も一緒にいきます!」

夕輝「で、でも」

歩美「いかせてください!」

夕輝「じゃあ、お願い… しようかな」

歩美「はい!」

夕輝「それじゃあ、また明日」

武「ああ、じゃあな。この子のことはまかせな」

武、まなと離脱

歩美「あの美神先輩、大丈夫ですか?」

夕輝「うん、全然大丈夫。意識もはっきりしてるし、そんなに心配しなくてもいいよ」

歩美「そうですか… 少し安心しました」

夕輝・歩美「………」

歩美「あの、どうしてかばってくれたんですか?」

夕輝「え? どうしてって、気付いたら勝手に体がうごいてただけだよ」

歩美「勝手にって… とんだおひとよしなんですね」

夕輝「そうかもね」

夕輝・歩美「………」

歩美「そういえば、まだお礼言ってませんでしたね」

夕輝「え?」

歩美「ありがとうございました」

武視点

まな「あの、先輩。本当に… ありがとうございました」

武「俺は俺がむかつくと思ったやつらをぶっ飛ばしただけだ。気にすんな」

まな「そ、それでも助けていただいたので… それで、だから、あの… お礼をしたいんです」

武「お礼? 別にいらねえよ、そんなもん」

まな「で、でも…」

武「どうしてもってんなら夕輝に言ってくれ。あいつ何か困ってるみたいだったしな」

まな「えっと… わかりました」

まな「あ、このあたりでいいです」

武「そうか? それじゃあ気をつけて帰れよ」

まな「は、はい。わかりました」

武「じゃあな!」

まな「は、はい」

放課後、生徒会室にて部屋には玲奈と夕輝のみ

玲奈「ねぇ、夕輝。この生徒会ができてから二週間くらいたつじゃない?」

夕輝「え? まぁそうだね。けど、それがなに?」

玲奈「私思うのよ。ここには華がないって」

夕輝「花? だったら買ってこようか?」

玲奈「そういう意味じゃないわよ。女の子が少ないってこと」

夕輝「あぁ、そういうこと。たしかにそうだね」

玲奈「ほんと失敗したわ。なんでこんなむさい生徒会つくっちゃったのかしら。人生最大の汚点よ!」

夕輝「そ、そこまでのことじゃ…」

玲奈「いいえ! そこまでのことよ! ここのままじゃ私の輝かしき経歴に傷がつくわ! それで夕輝に頼みたいことがあるの!」

夕輝「い、いいけど。頼みたいことってなに?」

玲奈「新たな生徒会役員をスカウトしてきて!もちろん女の子ね」

夕輝「え! で、でももう役職ないよ?」

玲奈「それは私がなんとかするわよ。だから夕輝はだれかかわいい子をつれてきて。あ、でも私のファンクラブのやつはダメよ。あいつみたいなやつは一人で十分よ。それに権力目当てのやつもダメね」

夕輝「え、えーとそれは僕だけで?」

玲奈「あたりまえよ! それともこの私の人生最大の汚点を他の人にもさらせって言うの?」

夕輝「だったら自分で探せばいいんじゃないの?」

玲奈「私は私で忙しいのよ。だからあんたに頼んでるんじゃないの。これでもあんたのことそれなりに信用してるんだから… こんなこと言うのもあんたにだけなんだからね…」

夕輝「え、えーと」

玲奈「あ! か、勘違いしないでよ! 幼馴染だから信用してるってだけなんだから!」

夕輝「そっか、ちょっとうれしいかな」

玲奈「わ、わかったらさっさと行く!」

夕輝「わ、わかった!」

夕輝退室

玲奈「まったく、今日の私どうかしてるわ。厄日よ、厄日」

廊下にて

夕輝「とは言ってもどうするかなぁ。心当たりもないし。う~ん、普通に立候補してもらってもとりあえず1年生の教室から順にみていこうかな」

1C組教室にて

夕輝「う~ん、やっぱり僕じゃあ判断に困るよ。どうしようかなぁ」

歩美「あの~、なにかこのクラスにごようですか?」

夕輝「あ、そんなようってほどのものじゃないよ。すぐに帰るから気にしないで」

歩美「そうですか。なにかあるなら遠慮なく言ってください」

夕輝「ありがとうね。それじゃあ僕は戻るよ」

夕輝と女生徒Bがぶつかる

夕輝「わっ!」

まな「きゃっ!」

夕輝「えっと、大丈夫?」

まな「え、えっと… はい、大丈夫… です」

夕輝「ごめん、こっちが前を見てなかったから」

まな「いえ、こちらこそ… 私が不注意でした…」

夕輝「いや、僕が悪かったよ」

まな「いえ、私が… 不注意でした」

夕輝「いや、僕が」

まな「いえ、私が」

夕輝「僕が」

まな「私が」

夕輝「僕が」

まな「私が」

夕輝「僕が」

まな「私が」

歩美「いつまでやってるのよ」(あきれ)

夕輝・まな「………」(赤面)

夕輝「えーと、どっちも悪かったってことで」

まな「はい」

夕輝「じゃあ今度こそ僕は帰るよ」

歩美「はい、またいつでも来てください」

数時間後

夕輝「結局決まらなかった… また明日探そう…」

翌日放課後

廊下にて

夕輝「一応、昨日全部のクラス見てまわったと思うけど、今日はどうしようかなぁ」

康介が来る

康介「よう夕輝、どうした? 浮かない顔して」

夕輝「あ、藤岡先輩。僕そんな顔してます?」

康介「ああ、そんな顔してるな。なにかあったんなら話してくれ。力になるぜ」

夕輝「え、えーと…」

康介「いいづらいことなら無理に言わなくていい」

夕輝「はい、すいません。ちょっと」

康介「そうか、ならいい」

夕輝「で、でもそんな深刻な悩みなわけじゃないので」

康介「ああ、でも困ったことがあったときは言ってくれよ。力になるぜ」

夕輝「ありがとうございます」

康介「じゃあな」

夕輝「はい」

康介が去る

夕輝「言っちゃだめだろうなぁ。だからこそ僕一人に頼んだわけだし。あれ? でもみんなに紹介するときどうするんだろう? まぁ玲奈ならなんとでもするんだろうなぁ」

夕輝「とりあえず、もう一度教室を見てまわろうかな」

1C組教室にて

歩美「あ、昨日の先輩。今日はどうしたんです?」

夕輝「えーと、昨日と同じ理由かな。そういえばまだ名前いってなかったよね。僕は美神 夕輝」

歩美「美神先輩ですね。私は橘 歩美っていいます」

夕輝「橘さんだね」

歩美「歩美でいいですよ。」

夕輝「そ、そう? じゃあ歩美ちゃんで。そうだ歩美ちゃん、生徒会に興味ってある?」

歩美「生徒会ですか?」

夕輝「そう。実は新しい生徒会役員を探しててね。こうして知り合ったわけだしどうかな?」

歩美「生徒会ですか… せっかくですけど遠慮しておきます」

夕輝「どうして? 生徒会に入れば大きな権力持つことができて、学校の施設も使い放題! おまけに運気上昇だよ?」

歩美「どこの悪徳セールスですか。それに生徒会ってめんどくさそうですし、権力にも興味ありませんし」

夕輝「そう? まぁ、無理にとはいわないよ」

歩美「それじゃあ、私は部活があるのでこれで失礼します」

夕輝「うん。またね」