ネトフリで見返すたびに、

どんどん愛おしくなる作品で、

あまりに感情持っていかれてしまって、

見た後しばらくは、

食欲ないし不眠だし体がうまく動きませんでした。

 

作品に対して溢れ出る感情を

何とか言語化して吐き出して、

普通の生活に早く戻らねば!

 

と思い、急いでアメブロのアカウント作った次第です。

 

こちらの原作は読まずに

 

 

まっさらの状態から

映画をみましたが、

思ったよりBLでビックリした。

(映画を見たあと原作読んで納得)

 

「作品」としては

思春期全部詰め込んで、

エモさ圧縮しまくってて、

 

才能と天才と天然素材の

見事な融合が織りなされていて、

萩尾望都先生が令和に日本を舞台に作品描いたら

こうだったんじゃないかな?

っていうような、「少年期」の魅力がつまってる。

 

そりゃ評価されて当然だろうという感想です。

 

役者、脚本、監督、原作。

すべてのレベルが高く、

勝因が一つではないところが

この作品の凄さですよね。

 

とくに脚本の野木先生が

他の人がへんなの書くくらいなら自分が書く!

という感じで、

責任感をもってペンをとってくれたのは本当にありがたいし、

実際にとんでもない高いレベルで書き上げてくださった。

 

その、

現実的で計算可能な要素にくわえ、

公式ホームページのプロデューサーインタビューや、本人のインタビューでもお話しされていたこと。

綾野さんは「尊い瞬間に立ち会っている」と撮影現場でよく口にしていました。

 

 

主役の子の成長期が、役と重なり合った奇跡が

「カラオケ行こ!」という映画を、

唯一無二の奇跡たらしめていると思います。

 

原作を大切に扱ってくれているからか続編ありそうな終わり方はしていたけど、

彼の

成長期にしかできない役との融合が

この作品の根幹になっているので、

 

続編やるなら映画では作られないかもしれないな。

と、

思いました。

それこそネットフリックスとかかな?

 

 

あと

実写だと

カラオケ大会の設定にかなり無理が出てくるし、

ヤクザという設定のリアリティがなくなるけど、

 

二次元より三次元はまぎれもなくリアル。

 

という、揺るがない事実(現実)によって、

無理な設定でも

ある程度は違和感なく見れました。

 

そもそも野木先生もファンタジーヤクザってシナリオブックで語ってらっしゃったくらいなので、

その辺折り込み済みなんですね。

 

そして、やっぱ

「モノローグなし」は神!

なにしろ腐りきってるので余白こそ栄養(笑)

 

某事務所の問題もあって、

少年愛っぽい要素は、

絶対に絶対に匂わすこともできないし。

モノローグのない余白に本当に感謝してる。

 

とにかく友情、

ブロマンス、

青春の幻のような一ページ

として

パッケージされた作品。

だからこそのヒット。

 

作ってくださったすべての人に感謝です。

 

私も合唱部だったので、

その目線からも

めちゃくちゃ「あるある」だらけで楽しかった!

和田君と中川さんみたいなの、いたなー

 

この映画の説得力の凄さの一端が、

コンクールの順位が下がったことが

合唱部の先生が産休になったからと、

ちゃんと筋道通って表現されていること。

 

だからこその和田君のいらだち。

これは原作にはない設定でありながら、

合唱部強豪あるあるです。

 

だからモモちゃん先生となんだか頼りないコーチには

映画での存在意義はあったと思います。

 

そしてこのモモちゃんがあまりに軽く「愛」を連呼するから、

シリアスな恋愛色に、観る側の感情が持っていかれない分

 

聡実と狂児の関係が

「青春」「友情」にとどまってくれて、

それゆえ、

沢山の人の心に届く作品になったので、

モモちゃんのガサツキャラに感謝!

 

思春期は、体の成長とともに、ホルモンの変化によって感情(心)が危うくなって。

親と距離をとってみたり、

いじめが陰湿になったり、

グレたり、いろんなパターンがあるものの。

多かれ少なかれ誰でも必ず通る道。

 

作品をみて、心に残ったり、

感動したりするのは、

どこか沢山の人との「共感性」を有しているからだと思う。

 

そこを狙って声変わりする少年のかけがえない時間に

全乗っかりする作品が作られたんだろうけど。

 

一歩間違えれば

主役の子に相当の負担がかかることで、

場合によっては

その子の心を壊してしまうかもしれない危険性を孕んだ映画でしたね。

 

そこの危うさゆえ、

大人たちは必死で主役の子(齋藤潤君)を守ろうと頑張ったと思う。

彼にとって、彼のかけがえのない時間のために。

どんなにつらくてもやってよかったと思える作品に仕上げたい!と、

 

その目に見えない沢山の人たちの「愛」が、

この映画を見返すほどに伝わってきます。

 

もちろん、

このプレッシャーを乗り越えて演じた

齋藤潤くんの頑張りと強さのおかげで素晴らしい作品に仕上がったんですけどね。

 

 

YouTubeでいろんな映画評論みたりきいたりしましたが

BL主体での感想は無かったので、

自分で書きまくって発散したいと思います。
 

主演ふたりのシーン。

なじまない空気の演出。

違和感がちゃんと伝わってきて

最高でした。

 

二人がなじんだらこの作品の根幹が崩れる。

すごく繊細に距離間を保っていたと、

役者さんもインタビューで言ってました。

 

中学生とヤクザが

交わらないのに一緒にいる。

思い合っているけど一方通行。

という図式が、

とてもよく描かれていたと思います。

 

ここから

映画を見返しながら

おもに「BL目線」で

思ったことをここに

備忘録として書き連ねていきます。

 

感想というより、

妄想。

考察というより、

邪推。

 

 

そもそも論、

中学生が思いを寄せるくらいに

狂児に魅力が無くては、

観る側に違和感が発生してしまいます。

 

年齢差だけでなく、

立場(ヤクザ)という壁をも越えなくてはならない。

 

雰囲気(シルエット)や

空気感や

性格、声、

言葉、立ち居振る舞い。
そのすべての魅力が不可欠。

 

その結果、

ずぶぬれでたばこに火をつけるという一連の絵。

超絶セクスィーです!

狂児はイイ男という

圧倒的な説得力からはじまり、

 

そこに重なる天使の歌声(合唱)は

セクシーとは真逆の純粋な美しさ。

まさに

合唱の歌詞にある

光と影がよくあらわされています。

 

ある意味で、初台詞となる

「戸惑いながら覚悟している」

という歌詞。

 

もし続編が作られ、

作品が完結する時がくるなら、

ぜひ伏線として回収して欲しいなと思います。

(野木さんならやってくれそう)

 

モモちゃん先生のキャラでトロフィーを忘れるという

自然な流れから

二人きりの出会いに繋がるという、

演出がすごい。

 

雷の中で二人が初対面し、

タイトルでもあり、

もうめっちゃ大事なセリフ

 

「カラオケ行こ」

 

普通なら怖く聞こえてもおかしくないのに、

その前に植え付けられた

狂児のセクシーショットの下地があると、

ちゃんとナンパ(ちょっと優しく)に聞こえるのが

すんごいわ。

 

ぜひ、どういう意図で

そのセリフを言ったのか、

言わせたのか。

監督や役者さんに聞いてみたいです。

 

その後流れる音楽(劇伴)は、

それまでのシリアスな空気をベース音で不気味に表し、

その後の主旋律で

一気にコミカルな波長に押し上げてて演出最高。

 

初、カラオケボックスでは

暗い照明の中で展開される

綾野剛さんの芝居が最高of最高

 

「たのしいことあるかぁ!」

で机をたたく所

 

ちゃんと怖いのに、ちゃんとコミカル。

 

大きすぎる声を出さず、

声質をかすれさせることで厚みも出さず、

怒りの感情の範囲内にある、

最低限の迫力を出すことで、

笑いになる。

 

このシーンだけ切り取っても

ちゃんと

コントとして成立してます。

 

「紅」を歌う前に、

ジャケットをはおり、

正式なヘッドバンキング。

 

歌声こそ裏声ですが、

どれだけの敬意をもってこの歌を歌っているかがよくあらわされていて

これまた最高。

 

狂児と同年代の私からすれば、

この曲をこの熱量で歌う人の気持ちはよくわかる。

 

個人的にグっとくるのは、聡実君の去り際の

「手は上げないほうが良いです」

の関西弁のイントネーション。

 

初対面で怖さ100%だったところから、

歌声を聞いた後、チャーハンを食べられるくらいには落ち着いて、

だんだん恐怖心が薄れている(だから帰れる)という感情が出てて良かった。

 

映画の宣伝画像でもよく使われる「傘」の絵は

 

原作では、

顎に手を当てるように見えるギミック的な使い方をされていますが、

 

カラオケ行こ! (ビームコミックス)

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忘れた傘を返しに来ることで、

二人が無理なく再会する流れをつくっていて、

かつ、これをきっかけに

このあと手にする傘の柄(鶴)が、

狂児の刺青とリンクする。

というエモい演出道具。

 

原作へのリスペクトも感じつつ、

この傘を学校に届けることで、

ヤクザと中学生の交わらない世界線を

繋げてくれる大切なキーアイテム。

 

この作品は

絶対に表立って相手への好意を口にしない。

行為にも出さない。

だからこその、

確信犯的要素として、

相合傘を使ってくれるのはただただ感謝の極みです。

 

モモちゃん先生が

「歌で大事なのは愛!」

というセリフも

そういう描写を一切ださないという作品の補完をしてくれててありがたい。

 

ここからもちょくちょく出るお家のシーン。

リアリティあっていい。

「もうええわ」と言ってしまう

温度の低い家族とのやりとりが

「思春期」感をより高めてくれる。

 

「映画を見る部」が

ミナミギンザという地にヤクザがいるという

物語上不可欠な設定の説明を

ナチュラルに促してくれていますが、

 

この部活が

映画と原作の潤滑油として

最高の役割を果たしてくれる!

 

この部活があるおかげで

原作がめっちゃ「漫画」でも、

芸術作品たる「映画」において評価される

隠喩がふんだんに盛り込まれ、

 

思う存分伸び伸びと

BLを感じさせることなく

青春映画として

一本の作品を堂々と創り上げられるのだ!

 

これ考えたのが野木さんだとしたら、

とてつもなくすごい人!

恐ろしい人!

 

通学路の途中にある

ミナミギンザを覗いちゃう聡実君。

 

ここはまだ、

「居たらどうしよう」

「もう関わりたくない」

の気持ちがある感じ。

 

そして、もう会わないようにと渡した資料によって 

名前が知られてしまうという、

無理のない辻褄合わせ。

 

こういう細かい整合性が

役者の生理にあった芝居には欠かせないのよ。

こういう小さな穴をちゃんと埋めてくれる脚本家が意外と少ない。

すごい好き。

 

で、

私がぐっと来たセリフでもあった、

「手は上げないほうが良いです」

が、

この再会後にカラオケに行くきっかけになって、

さらに音叉に繋がるという展開がこれまたたまりませんなぁ。

 

そもそも、

中学生が大人に歌の指導をする、

という事の「説得力」が

どう描かれるかは大事なファクターだと個人的に思っていたのですが、

この音叉の出現によって

聡実君には歌に対する専門的な知識が充分あることが表現されてます。

 

これによって、

狂児が中学生を先生と呼んで

全幅の信頼とリスペクトをもって接することに違和感がなくなりました。

(あくまでも私自身の所感です)

 

二度目の(カラオケボックスのシーンの)コントも

凄ーく面白かった!

声の出し方、間の取り方。

そのままKOCに持っていけちゃいそう。

 

綾野剛の役者としての才能に全体重乗っけ感はあるものの、

それで充分面白いからいい!

前回のコントでも入れ墨のはなしのとき

聡実君をつつくんですけど、

そういうさりげない仕草がエロくてエモくて、

掌で転がされてしまいます。

 

オープニングのあのセクシーショットの前に

こんなことがあったとわねー

 

原作ではヤマハでしたけど、

「タンポポ」というネーミングセンスも抜群!!!

 

のちに「やったんぽぽ」というギャグが爆誕するので

映画オリジナル設定のすべてが面白さへと昇華されていく。

 

「天使の歌声に出会った。お告げやと思ったわ」

という口説き文句を、

真正面からくらった聡実くんの表情最高。

 

このセリフは漫画にはないので、原作ファンに対して

『映画の狂児』はこういうこと言うキャラクターですよ、

という人物紹介てきな側面もある。

 

食らった後に

初の車の助手席のシーンなので、

狂児を見る聡実君の表情がめちゃめちゃ思春期しててエモいし、

運転する狂児はもれなくエロい。

 

そこからの「かずこ」のくだりで、

すぐに聡実君が車を降りようとする流れによって、

彼の気持ちが映画の演出上、

友情と恋愛感情のどっちなのかはっきりさせてなくても

「腐女子たちよ安心したまえ」と言われた気がした。

 

夜道の心配からの

「家着いたらLINEして」って

本当に本当に映画の狂児はたらしの才能の塊。

「よくできました」の返信も完璧。

 

原作だと、このたらし要素のひとつに

煙草を吸わないという気遣いが使われていたのですが、

映画はそこまで明確な「優しさ」を出さなくても

このくらいの気づくか気づかないかくらいの配慮で充分。

 

かといって、この優しさ(夜道の心配)が

あると無いでは大違い。

 

原作よんだら、

聡実が切れたあとのLINEで

「帰り道、気をつけて」ってあったから

そこから来たのかも。

 

鶴の傘がバッと開いて、

狂児の刺青の鶴とリンクして、

 

この夜が

映画の聡実君にとって

恋のはじまりだったんだろうなんだろうなぁ、

って思いました。

 

学校にいっても合唱のことより

狂児の事ばかり考えていて

映画で愛のシーンが流れ、

その中に「狂った」という文字が使われていて、

こんなに分かりやすくていいんでしょうか?!

 

みんな大好き、鮭の皮のくだり。

お父さんとお母さんは、

一番身近にいるカップルでもあるからねぇ。

 

とはいえ、「愛」は思春期の男の子が抱えるには手に余るテーマ。

すっかり狂児のペースにのってしまってかわいそう。

と思いながらみてました。

 

合唱部の和田君は、

ついついBL妄想が暴走しそうな頭を

青春に引き戻してくれる大事な大事な人。

 

全国大会に行けるくらいの強豪校なら

和田君の熱量もわからないでもないし、

彼がいてくれたから、

映画として作品が成立できてて本当に感謝。

あと中川さんみたいな女子大好き!

 

聡実君の声変わりについて、

モノローグがないので先生同士の会話と

その後の鏡で喉を見るくだりで補完しているのいい。

 

ソロパートの楽譜配られて、

落ち込んだ状態で三度目のカラオケボックス。

 

ただでさえ落ち込んでいるところに

ヤクザ勢ぞろい。

やっぱ実写なのでまぁまぁ絵面は怖い。

 

が、しかしその分、

狂児のうでにしがみつく岡君の可愛さは格別!

可愛すぎるーーー!!!!

 

で、

ここで

ヤクザって本当なのかな?の疑問が

本当だったという確信にもなるというながれ。シナリオ完璧。

 

もちろん

集団コントも面白かったし、

聡実君の「やくざ怖い」というマイナスな感情が明確に出ることによって、

「狂児に惹かれる」というプラスの感情がより引き立てられるので

スパイスとしてバッチリ。

 

ダッシュボードの「指」って

実写だとめっちゃ怖くてシリアスなのに

音楽がほのぼのしてるので

すごーく見やすい。

 

あと、グラサンの狂児もセクシー。

何度も言うけど演出最高。


「もう無理です!これ以上付き合えません」って言われたあとの、

 

「そうかぁ、ほなしゃあないなぁ」

「さとみくん中学生やしな」

「わるかったな怖い思いさせて。」

のしみじみした感じ。

綾野剛のというか狂児の演技。

声の出し方が素晴らしくて素晴らしくて。

 

「ごめんな」

の一言は、

もう絶対に何度も使ってきた

相手に100パー許してもらえる絶妙の声色。

 

まさか、女性相手にやってきたことを

中学生にやるなんて。

基本的には演技だけど、

数パーセントだけ本音?みたいな。

 

ここは何度きいてもゾクゾクします。

 

とくに、「中学生」のとこは

少しは本音として自分に言い聞かせている感じが見え隠れしてて大好き。

 

狂児って本名なんですか?

については、

「最後に聞く」っていう建前から自然な流れでもってくるのが

もうシナリオが神すぎる。

 

免許証の渡し方受け取り方がダンディーでセクシーで隙が一ミリもない。

どうしたって惚れてまう凄い説得力!

 

そして

回想シーンのすべてが面白い。

ヒコロヒーのキャスティング素晴らしいし

京子のツッコミ最高だし、

赤ちゃんの笑い顔どうやってとったの???

 

聡い果実という表現がなーんかエロく聞こえるのは私が腐りきっているからか。

 

ちゃんと「もう無理」って言いきって

終わりにしたあと、

 

合唱部をさぼって

映画を見る部で

「いかんでええの?」

ってきかれて

 

「どっちに?」

 

と答えるセリフのチョイスが、

素晴らしすぎて悶絶しました。

めちゃくちゃ気持ちが狂児に傾いてて引き返せない所まで踏み込んでいるのがよくわかる。

 

ここであの音叉がー!

 

そして、

聡実君から言う「カラオケ行こ!」のセリフのやばみ。

背徳感というか、いけない事してる感が半端ない。

 

この後のカラオケボックスのシーンはもうコントなし。

もはやデート。

選曲した紙を見せた後の、

狂児がじーっと聡実君を見る目は危険。

頭なでるにとどめたことを褒めてあげたい。

 

で、カラオケシーンは

あの手この手で終始聡実君の表情で絵が持つのがすんばらしい。

狂児の歌が下手じゃないから耳も持つし。

 

ここで、紅という歌のテーマを

掘り下げざるを得ない展開にして、

映画の大事な大事な大事な

なくてはならない太軸にはいる

無理のない演出(脚本)が良いよね。

 

和訳をさらに関西弁に訳すというのが

より一層エモくて。

 

どうやって和訳を語るか色んなパターンを試したそうですが、

音楽バックで朗読はぐっちょいす。

 

「かずこさん」の回収のポイントとしてもベストタイミング。

 

「大人って汚いよな」

っていう言葉が、

子供から大人への階段を昇りかけている

刹那的な

「思春期」を分かりやすくおしえてくれるので。

映画としてはどこかのタイミングで入れる必要があったと思うけど、

この言葉のすぐ後に

巻き戻せないビデオデッキまで出てきてて、

ここでかずこの話を聞いた後の聡実君の中のモヤモヤが

「恋愛感情」ではなく、

思春期として大人の汚さと向き合った感が強くなる。

そしてここでもBL色を消して現実に引き戻してくれる和田君ありがとう、

おかげで「いい映画」になってる。

 

ビデオデッキを買いに行くと、そこがミナミギンザ。

という展開も、本当に無理なくすんなりみれる。

 

マジで脚本が神。

 

「可愛いのみっけてん」で、

空気がすっとかわる狂児に

「中学生」のセリフを言うときにちらっと見え隠れした愛情の欠片が、

かいまみえて、壮絶にエモかった。

 

ビデオデッキ無事に変えてよかったね。の安心感。

 

で、屋上のシーンは一旦曇りでとったけど、

晴れた日に取り直したそうで、もう大正解!

ここは明るい青空がいい!

 

聡実君にとって狂児が

身を助けてくれただけでなく、

心も助けてくれる大事なシーン。

 

光合成する狂児は可愛い♪

 

入れ墨を掘られるなら好きなものを掘ってもらえばいいという、

ラストカットや、もしも続編があるとしたら、

絶対に絶対に外せない重要なくだりもあって。

 

その後、

両親からお守り貰って、

愛とは与えること、の前振りがある中で、

LINEで「元気あげます」という

かなり浮かれたメッセージ。

 

次の日、

「好きな人」には絶対に見られたくないところをみられた

(中川さんにできてると言われる下り)ことがショックで、

「部活の話をしてただけです」を2回繰り返すのも、
 

あの晴れ晴れした屋上のひと時で、

聡実君にとって狂児が「好きな人」に

確定したからこそだと思うし。

 

聡実君のブチギレは、

単にからかわれたことに対してよりも、

狂児への恋愛感情がないと成立しないイラ立ちなので、

 

あの屋上のシーンがものすごいターニングポイントになってる。

 

で、おそらく

彼にとって初めての感情なので、

原作でもそうだったけど何が何だかわからないまま

ただただ怒りだけをぶつけてしまう。

 

そんな彼を目の当たりにして、

 

彼が自分にむけている感情の種類に気が付く狂児の

短いながら無言の間。

そこの綾野剛の芝居が秀逸。

 

原作とは違うLINEの順番も

本当に素晴らしい。

 

 

結局モヤモヤしたまま本番の日を迎え、

 

事故現場をみるバスのくだりは

それはそれは美しいカットでした。

彼をバスに乗せてくれてありがとう!

綺麗に見せてくれてありがとう!

 

そして映画で追加された要素に

《バス》があるのも凄い。

最初の合唱コンクールの時から既にバスの話出てるし。


例え気になって降りたくても降りられなくて

会場まである程度強制的に連れて行かれる、

という状況があると、

一旦は合唱部が集まれるし。


その結果

音叉の演出最高!


こういう細かいところまで行き届く脚本は本当に本当に素晴らしい!!!


学生服で走る聡実君は、

紅の曲は劇中では全く流れないけど、

頭の中にその曲がどうしても流れる。

 

ここ無音で走らせる演出すごすぎません?!

 

だって、ここまでの流れで絶対に曲とリンクしちゃうように、

こっち(観客)の脳内が遠隔操作されてるんだもん。

 

「狂児はどうしたんですか!」

って叫んでる声、

完全に変声期の声でめちゃくちゃ尊い。

 

役者自身、彼が一生に一度しか出せない叫び声。

 

合唱部と一緒に歌をスタートさせることで、

彼がそこにいないことに違和感はなくなり、

 

そして、歌とともに

積み重ねてきた狂児との時間が走馬灯として流れる。

思いすべて、愛の叫びそのもの。

 

2番の

「すぐそばにいるのに」のあと、

歌う彼を見つめる狂児の表情が

「絶対」で「確信」すぎる。

これほど思われる相手になった自分が、

これ以上関わってはいけないという覚悟につながる。

 

ココだけなんだよね。

狂児の聡実君への愛情(本音)が明言されているシーンは。

 

ただ、

原作知らない人の中には

なんで写すんだ?って人もいたけど。

 

BL的に狂児→聡実がみれるのはここしかなかったので、

どうか許してほしい。。。

 

一方通行どうし。けして交わらない二人の

両片思いが走り抜けたなぁって感じ。

 

映画を見る部で全て巻き戻されたテープ📼は、

いつか、

巻き戻される記憶という布石であれと願ってしまいます。

そのときのための

「俺ら高校卒業してしまうわ」

大事なキーワード

 

紅の歌詞に合わせて街を歩いて

原作のカラオケボックスではなく、

あの光あふれる屋上で終わるというのも

 

映画作品たらしめていて、素晴らしい。

 

屋上チョイス本当に神。

 

ホテル建設中の映像で、

聡実が高校卒業してもう犯罪ではなくなるので

「さぁ腐女子よ、映画の二人の今後を好きに妄想するがよい!」

という終わり方に、

 

五体投地で感謝の祈りをささげる。

 

 

 

映画の出来が良すぎて、

この映画の世界線での続編がみたいけど、

(数年後に合唱部の教本とか音叉とかどこかで出たらむっちゃエモいよ)

原作のある作品なので、

厳しいかなと思う所もあります。

 

映画に出てこない

ファミレスにいる二人は、

続きは漫画でみてね、というメッセージなのか。

 

はたまた続編の匂わせなのか。

 

単なる原作トレースなのか。

 

 

まんがいち、

このとんでもない難しさを乗り越えて、

 

映画のファンも原作ファンも

納得できる続編が作られたとしたら。

 

歴史が変わるほどの奇跡。

 

その奇跡を期待しながら、

もう戻らない青春の一ページを

 

白黒映画を愛でるように、

これからも愛で続けていきたいとおもいます。

 

DVD豪華版を買う為に

夏まで極貧生活がんばるよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【蛇足の個人的感想】

 

今回の構図

ヤクザ×思春期

は、

 

怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー

警察(正義)×怪盗

とそっくり。

 

ミナミギンザで狂児が偶然(?)、

通学路の聡実君を発見するところと似たシーンが

ルパパトにもあります。

 

ただ、

若い方が怪盗(影)で

大人が正義(光)

となっていて

聡実(光)と狂児(影)の

年齢的関係性と立場がテレコになってるけどね。

 

正義の大人としてまもる時は全身全霊命がけ。

グイグイいくところはグイグイいくけど、

感情に振り回されない心の強さで、けして一線を越えない。

 

その辺の表にはださない

内側に秘めた深い深ーい愛が

朝霞圭一郎と狂児で似ているなぁって思いました。

 

うわー!ルパパトの続編が見たいよー

 

無理なのはわかってるけど、

どうしても

Wレッドが結ばれるストーリーがみたいよー!!!

 

まさか、カラオケ行こ!をみることで、

自分の欲望がここへ帰結することになるとは。。。