それを見ていた爪楊枝が、クレヨンの事を可哀想に思い、画用紙の黒を少し集めてあげた。
クレヨンは、先ず口が戻った。
クレヨンは、お礼を言った。
クレヨンは、次に目が戻った。
そして、驚いた。
その爪楊枝は、自分が何度か悪口の種にした相手だったのだ。それがバレて縁は切った筈なのに,,,。
何故?とクレヨンは聞いた。
爪楊枝は、にこりと笑うと画用紙を指して、言った。
「優しかった頃の、沢山助けてくれたキミが忘れられなくて。」
画用紙を見ると、黒色を削った部分から虹色が覗いていた。
クレヨンは、それを見て昔を思い出し、今までしてしまった事を思い出し、泣き出した。
沢山泣いて、沢山謝って、もうしないと心に誓った。
画用紙の上には、明るい色の新品のクレヨンが立っていた。