Nash Avenue to the Mouse

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私、ナッシュ東西がディズニーやらテーマパークやらミュージカルやらゲームやらを、あーだこーだ言いまくるブログ。

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どうもどうも、ナッシュです。

今日は中秋の名月だそうです。お月様が綺麗ですねー。

 

なーんて季節の挨拶っぽいことをしたところで、今回は斬ってみるシリーズです。

なんとなく最近書く記事が批評しかないなーと思いつつ、

なんとなくライフワークというか、自分のルーティンというかになりつつあるので、

またかよ!なんて思わずに付き合っていただけたらと思います。

 

今回は東京ディズニーランドで今年4月に新しくオープンした

ファンタジーランド・フォレストシアターのこけら落とし公演として上演されている

「ミッキーのマジカルミュージックワールド」です!

ミッキーたちがメロディーをなくしたオルゴールの中で

様々なディズニーの世界を探検していきながらメロディーを探していく姿を描いた

レビューショー形式のミュージカルです。

 

でここからはショーの内容についてガッツリ触れております。

まだ体験されていない方はこの先はご自身の判断でご覧いただきますようお願いします。

また今回はコロナ禍である2021年に鑑賞したものであることもご留意いただきたい。

 

 

さて今回のショーを一言で表せる言葉はなんだろう、としばらく考えて浮かんだのが

「ベスト盤」という言葉だ。

ベスト盤と聞くと「名曲だらけの最高のアルバム」という人が多いだろう。

しかし逆に「聞いたことある曲ばかりでオリジナルの曲が少ない」と思う人もいる。

この「ミッキーのマジカルミュージックワールド」に抱いた私の感想も

この二つの感情が混じった感じだったように思える。

 

 

まずは目をみはる舞台装置について触れたいと思う。

劇場に入ると一見カーテンが閉まっているように見えるのだが、

実はこれはLEDパネルである、ということに気付かされるところからこのショーは始まる。

しかもこれが一枚の大きなLEDパネルではなく、

ピアノの鍵盤のように細いパネルが何枚も横に連なってできているので、

一枚だけ出てきたり、何枚か出てきたり、ハケるタイミングをずらしたりすることもできる。

こうすることで映像や細かいパネルの動きで裏のステージチェンジ中も派手な演出ができ

観客を飽きさせないように作られているのは感心した。

加えて終盤のスクリーンも効果的に使われていて、まるで魔法のようであった。

 

またキャラクターの使い方も上手く、

「ひとりぼっちの晩餐会」でお茶を飲むシーンでは紅茶が関係する

メリー・ポピンズやアリスが出てくる、という珍しいスリーショットを見ることもでき、

いつもはコーラスで歌われる「星に願いを」を映画同様ジミニーが歌ったりと

よくキャラクターを理解した上で使っているな、という印象も受けた。

 

 

美女と野獣のシーンも、ジャングルのシーンも、フック船長のシーンも、

どれもダンスも含め華やかで楽しいシーンが続いていく。

ジャングルのアクロバティックもとても面白いものであった。

・・・のだが、正直にいうと「どこかで見たシーン」が多いのである。

「ひとりぼっちの晩餐会」でダンサーが食器を持って踊るのも、

キングルーイがジャングルで歌を歌うのも、

プリンセス3人が華やかに登場して音楽をマッシュアップするのも、

アースラが乱入して哀れな人々の音楽で雰囲気を変えるのも、

フック船長がチクタクワニで船から逃げ出すのも、

他のディズニーパークのショーで見たことある光景である。

 

そう、ここが「ベスト盤」だと思う理由なのである。

元々面白かったシーンを違う形で上演するのはディズニーは何度もやっているが、

このショーはそればかりな印象を受けた。

本来上演する2020年の作品だとしても、もっと新しいアニメーションを題材にした

シーンはできなかったのだろうか。

また選曲もいつものお馴染みの曲が無難なアレンジで登場する印象があり、

この点でもやはり「ありきたり」な感じがでてしまっている。

 

いや、新しいアニメーションのキャラクターは確かに登場する。

しかし唐突に登場して、何もせずにちょっと歌って退場するだけである。

このシーンのブツ切れ感がすさまじく、

ただただ新しいキャラをとりあえず出しておこうという雰囲気が出てしまい、

「おお!」と思ったらすぐ帰るがっかり感も加わってなんとも言えないシーンになった。

冒頭のオルゴールのシーンも本編と全く関係ないキャラでてくるし・・・

 

それでその「どこかで見たシーン」をLEDパネルや大型舞台装置を使って

新しく生まれ変われているか、と言われると疑問である。

特にフック船長のシーンは大きな海賊船が出てきたのに

ターンテーブルで回って終わり、と効果的に使われているかといえば使われていない。

なので展開的にも「ワン・マンズ・ドリームII」と同じような印象になってしまう。

過去のショーと差別化を図るような挑戦的な演出があまりなく、

「無難に」「いつも通りの」ディズニーショーという雰囲気になってしまっている。

せっかくの最新技術があるのだから、もっと派手に変化させて欲しかった。

 

 

 

 

「ミッキーのマジカルミュージックワールド」は良くも悪くも

ディズニーテーマパークのショーの「ベスト盤」だ。

新しい劇場の最新技術で展開されるショーは、

いい意味でも悪い意味でもいつものディズニーパークのショーの域を出ていない。

あまりディズニーのショーに馴染みがない方や、

逆にディズニーの安定した面白さを求める人には最高のショーだと思う。

だが逆に、他のショーでやっているシーンを大胆に再構成するわけでもないので、

新鮮さがあるかと言われば正直にいうとそこまで感じないだろう。

せっかくディズニーアニメーションから新しいキャラクターや音楽が生まれているのだから、

そこを上手く調理して組み込めばもっと新鮮な内容になったと思う。

技術的には2021年なのだが、肝心のショー自体がお決まりに逃げている感じがして

私にはあまり新しいショーという感じがしなかった。

しかしそれでもディズニーの素晴らしさを感じるのには十分だと思っているので、

いろんな人に見てもらいたい、というのは確かである。

ディズニーパークのショーのベスト盤である「ミッキーのマジカルミュージックワールド」

これを一つの区切りにして、

ディズニーは新しいショーをどんどん作って欲しいと思う、そんなショーであった。

 

 

 

ミッキーのマジカルミュージックワールド 8/10