arashi妄想小説。a✕nのようなa+nのような。

小説の内容は全て妄想でありパラレルワールドでの出来事です。現実世界とは一切何の関係もありません。
理解できない方は閲覧禁止。
検索避けのため名前の漢字表記をしていません。
 
――――――――――――――
 

リーダーに気付かれてこっちの世界と繋がったそれは、ニノに目を付けたらしい。で、ニノをあっちの世界に連れて行こうとしていたそうだ。

「はー……でもあいばくんがタイミング良く来てくれて良かったよ」
まつもとの言葉に、確かにと同意する。
「タイミング良くっていうか、早く来いってニノが呼んでたから、すっごく急いだんだよ。あれでも」
「え、ニノそんなこと言ってた?」
嫌がってはいたけど、あいばくんを呼ぶ言葉は特になかったように思う。ニノはちらっとあいばくんを見上げて言った。
「言ってないよ。言ってないけど、この人には分かるんだって」
「ニノも俺のこと分かるでしょ?」
んんん?何を言っているんだこの二人は。という俺とまつもとの顔に気付いたニノが話し出す。
「なんかね、分かるんだよね。お互いに向けて強く思ったことが。あいばくん以外のは分かったことないんだけど」
「へえ……」
何を荒唐無稽なことを、と思うが、この二人ならあり得る、とも思ってしまう。
「なんでかなんて俺たちにも分かんないから深く聞かないでね」
「愛だよ、愛」
「お前はちょっと黙っとけ」
愛、か……。そこにももう突っ込まないことにした。この二人にはこの二人にしか分からない何かが多すぎる。
 
「失礼します。あいばさんはもういらっしゃいましたか……」
ノックとともにドアを開けたスタッフがぎょっとして立ち尽くした。そういえば片付けるのを忘れていた。
「あーこれは、あの、まあ、気にしないで」
困った時は渾身のアイドルスマイルに限る。五人揃ってキメ顔を披露したら、うっと息を呑んで、それ以上何も言われなかったので、良しとする。
打合せ場所に向かうためにぞろぞろと移動を始めた時、目の端にニノとあいばくんが映った。立ち上がりかけたあいばくんを、ニノが下から引っ張って、ほんの一瞬、かがんだあいばくんと伸び上がったニノの影が重なった、気がした。
 
廊下を歩くあいばくんはまつもとと話している。ニノはいつもどおりリーダーにくっついて楽しそうだ。いつもと変わらない光景。
 
ああ、結局、何があったって俺らは変わらないようだ。たとえお化けみたいな何かがいようと、あいばくんとニノが俺にはよく分からない関係だろうと、俺たちは五人であらしだ。
 
「しょーちゃん!!」
ドン!!
呼ばれたと同時に背中に衝撃が来た。フンっと踏ん張ると、すごい!とカラカラ明るい笑い声がする。そのまま、ニノがするりと横に立った。
「何か考えてんの?」
「んー、いや」
前を向いたままのニノを見下ろして、小さく微笑む。
「あらしっていいな、って思ってた」
ニノが俺を見上げて、ふふ、と微笑んだ。
「ありがと」
それだけ言って、ニノはまたおおのさんにくっつきに行った。
 
さあ、今日もいつもどおり頑張りますか。