損切りは○○○○だ!【SEハラピーのトレード部】 | 学びの冒険者 原口直敏Side←L "The Logical Brain Monster"

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株式トレードをする際に、あなたは損切りをどうとらえていますか?

次の選択肢から一番近いものを選んで下さい。

 

 

1.特別損失

2.営業費用

3.直接原価

 

 

選びましたか?

 

 

もったいぶるのは好きじゃないので、とっとと正解を書きます。

 

正解は2ですね。

 

トレードを事業として捉える場合、

本業であるトレードで発生する費用なので特別損失ではありません。

また、直接原価はレバレッジのかかっていない株式なら

その購入費にあたります。

レバレッジがかかっている場合は、最大リスク金額が直接原価にあたります。

最大リスク金額から購入費を引いた金額は借入金と見なすことになりますね。

 

そういう訳で、本業で発生する費用の内、直接原価ではない部分なので、

営業費用となります。
より説明的な言葉で表現すると、
営業費用=販売費及び一般管理費と言うことになります。
この中の一般管理費に含まれます。
 
つまり、トレードを仕掛ける場合、
この部分のコストは事前に見積もって事業計画を作る必要があるわけです。
一例を示しましょう。
 
 
▼売上目標(売却予定株価)
1,100円
▼直接原価(購入株価)
1,000円
▼営業費用(損切り:10%)
100円
▼営業利益(売上目標-直接原価-営業費用)
0円
 
 
えっと、これじゃペイしないことがわかりますよね?
 
「いや、でも損切りをしないこともあるし、
損切りしたら値上がりしても売れないじゃん!」
 
と、もっともらしいことを言う方もいるかもしれませんが、
値下がりして二度と復活しない可能性もあれば、
戻ってくるけど売上目標には届かなであろう場合もあります。
この場合は四の五の言わずに損切すべきですよね?
 
では、下がったのが結果として一時的だった場合はどうでしょう?
 
これは、下がった時点では予測がつきません。
そもそも設定した損切ラインを下回っている時点で
予測がはずれており、
そのタイミングで再設定する予測を信じる方がおかしいです。
冷静な判断が下せるのは損切ラインを越えて
再度上がってきた時ではないでしょうか?
 
そこで買い直せば良いのです。
 
1,000円で購入
900円で損切り
1,000円で再購入
 
この場合、100円の損失が出ているのがわかりますよね?
 
と、まあ、色々なパターンがあるので、
トレードの効率を概観する意味では損切分は営業費用として
確定的に織り込んでおくのがわかりやすいのです。
 
では、損切りをしない戦略の場合はどうでしょうか?
 
 
▼売上目標(売却予定株価)
1,100円
▼直接原価(購入株価)
1,000円
▼営業費用(損切り無し)
0円
▼営業利益(売上目標-直接原価-営業費用)
100円
▼特別損失見込み(50%下落+営業利益打消し)
-600円
 
 
たしかに営業利益は0円→100円に改善しています。
しかし、特別損失見込みが-600円となっています。
要は、利益を簡単に吹き飛ばした上に、
さらにマイナスに落とし込む可能性があるということです。
こんな事業計画を実行したら、そりゃあ負けてもおかしくないでしょう。
 
ここで重要なのが利益の幅をどれだけ取るか。
株価が1.5倍になることを目標にした場合はどうなるでしょうか?
 
 
▼売上目標(売却予定株価)
1,500円
▼直接原価(購入株価)
1,000円
▼営業費用(損切り:10%)
100円
▼営業利益(売上目標-直接原価-営業費用)
400円
 
 
営業利益400円でペイします。
 
では、これを損切無しでやるとどうなるでしょうか?
 
 
▼売上目標(売却予定株価)
1,500円
▼直接原価(購入株価)
1,000円
▼営業費用(損切り無し)
0円
▼営業利益(売上目標-直接原価-営業費用)
500円
▼特別損失見込み(80%下落+営業利益打消し)
-1,300円
 
 
先ほどよりも株価の上昇率を1割→5割に上げたので、
最大下落率も50%→80%に上げました。
 
営業利益は損切ありより100円多い25%増ですが、
最大損失は損切ありは100円で損切無しは800円になり、
700%増となります。
 
ここでは、わけあって期待値の概念を導入していませんが、
期待値の概念を導入したとしても、
この費用対効果のバランスを逆転するのは難しいでしょう。
 
なぜ、敢えて期待値の概念を導入しないかを簡単に説明すると、
資金量が有限である個人投資家が、
特定の銘柄に集中して投資する場合、
同一条件での試行回数を充分に確保できないため
損失部分においては確率的な期待値よりも
最大損失に注目する方が実用的だからです。
 
う~ん、わかり難いかもしれませんね。
 
需要がありそうなら、そのうちこのあたりも
わかりやすく解説して行こうと思います。
 
 
投資は自己責任。
リスク管理を徹底して投資を楽しみましょう。