辞書の活用法を考える【その1】~電子化の考え方 | 学びの冒険者 原口直敏Side←L "The Logical Brain Monster"

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苦手な人も、得意な人も、必要に迫られちゃった人も、
学びについて語り合おうじゃありませんか!

勉強するのに辞書は極めて重要です。
必ずしも学びの中心になるとは限りませんが、
常に学びの拠り所にはなります。
今回は、その辞書について
主に電子化の観点から考えてみようと思います。



■辞書とは何か?

そもそも辞書とは何でしょうか?

その定義は人によって微妙に違うことがあります。
ここでは、僕の辞書に対する定義を明確にしましょう。


国語辞典、漢和辞典、古語辞典、英和・和英辞典、
これらは文句なしに辞書と言えるでしょう。

○○用語辞典、現代用語の基礎知識、
これらも辞書の範疇と言って良いですね。

○○学辞典、百科事典、文法書、六法
僕はこれらも辞書の類に含めます。

要は、どう使うかは別にして、
分からない言葉や概念なりを、
ある分野で網羅的に検索することを
主な機能の一つとしているものを辞書と呼びます。



■電子化による2大メリット

僕はここ数年紙の辞書から電子辞書に
切り替えつつあります。
その主な理由は二つです。

1.省スペース
2.携帯性

他にもメリットはあると思いますが、
もっとも大きなメリットはこの二つです。

えっ、検索性能ですか?

見出しの検索だけなら、
紙の辞書に慣れた人から見ると
特筆するほどのメリットではありません。
そして、それ以外の検索は、
個々のアプリの作りに依存します。
よって、電子辞書の一般的な優位性には
カウント出来ないと考えるわけです。



■省スペースのための電子化

本好き、勉強好きの人の悩みは
そのスペースではないでしょうか?

辞書の類だけで何十冊もの量があり、
広辞苑、大辞林、ランダムハウス級の
英英辞典などは置いておくだけでも悩みの種です。

そこで、これらの辞書を電子化します。

想像はつくと思いますが、少々お高い場合もありますので、
費用対効果はご自身でご判断下さい。
僕の例で言うと、大体こんなところでしょうか。


大辞林(紙) → 大辞林(iPhoneアプリ)
American Heritage Dictionary(紙。大辞林並みにデカい奴)
→ Oxford Dictionary of English


注意点としては、これらの辞書の所有目的が
調べるためであるということ。
読んだり、暗記したりすることが目的であれば、
一部の例外を除き、圧倒的に紙の方が
使い勝手が良いです。

そして、値段につられて
クオリティーは絶対に落とさない事。

最後に、紙の辞書が使いやすいからと言って、
その電子辞書が使いやすいとは限らない。

なので、電子辞書は電子辞書として
きちんと評価してから購入する事をお勧めします。



■携帯性のための電子化

辞書を常に持ち歩く必要性は、
第一に語学系の勉強で発生し、
第二に社会人の細切れ時間を活用した
勉強で発生します。


英語で言うと、学習者用英英辞典が筆頭でしょう。
色々種類はありますが、
初学者にはLongman系かCollins Cobuild系が
良いと思いますがぶっちゃけ好みでしょう。

で、電子化する際に嬉しいのは、
Pocket Dictionaryじゃなくても良いこと。
電子データなので当然ですね。

僕が持っているのは「ロングマン現代英英辞典」なんですが、
これは紙の辞書に引きずられたと言う理由によります。

まず、欧米の辞書で、Pocket Dictionaryと書いてあっても
それが本当にポケットに入るサイズであることが
ほぼ皆無であると言う事情があります。
#Vest Pocket Dictionaryなら流石にポケットサイズですが

Longman Pocket English Dictionaryは数少ない
ポケットにようやく入る学習者向け英英辞典なのですよ。
サイズだけであれば他にも要求を満たすものはありますが、
簡潔過ぎて初学者には意味不明で上級者には物足りない。

で、電子版でもあまり考えずにLongmanを採用しました。

ただ、Longmanの電子辞書は
少し前に色々と揉めたようで、
アプリの制作会社が変わってしまいました。

既に新しい制作会社からロングマン現代英英辞典プラス
と言うのが出たので購入しようか検討中。
「Longman Activator Thesaurus」がプラスされるので、
これは面白そうです。


さて、話は変わって和英辞典です。
ある程度、慣れてくると街中で見かけたり
生活で使う日本語を全て英語に訳してみたり
し始めます。
そういう時、とっさに必要なのは表現辞典などよりも
和英辞典の方が圧倒的に多いです。

例えば、街中で商工会議所を見つけて・・・


「これ英語で何て言えば良いんだっけ?」


みたいな事が多いわけです。

「会議所? meeting place?」なぞと
考えてみるのも一興ですが、
和英辞典を引けば簡単に分かる訳ですから、
活用しない手はないと思います。


さらに、社会人は細切れの時間を使って
勉強せねばなりません。

会社帰りの喫茶店とか、昼休みとか・・・。

僕の場合は、ある事情から法律の勉強を始めましたが、
法律用語辞典と六法を常に持ち歩くのは厳しい。
そこで、用語辞典と六法は以下のラインナップで揃えました。


法律学小辞典 → 紙
有斐閣 法律用語辞典 → 電子

有斐閣 判例六法 → 紙
模範六法 → 電子


用語辞典、六法ともに紙と電子の両方を揃えています。
端的に言うと、紙は読むため、覚えるためのものであり、
電子は引くためのものです。

比較すると分かりますが、どちらも電子の方が
収録見出し数や法令数が多いです。
引くためのものだからです。

一方、法律学小辞典は、個々の解説が詳しいですし、
有斐閣 判例六法(プロフェッショナルじゃない方)は、
法令数を絞ったものを敢えて採用しています。



■電子化のプラットフォーム

今までの記述で気づいたと思いますが、
僕の電子辞書は全てiPhoneアプリです。
市販の電子辞書はパッケージ化されており
選択の自由度が低いのが一つ目の理由。
二つ目の理由は、携帯性です。
iPhoneならどこでも確実に持っているからです。
例えば、食事中にふと思いついて
調べることも出来るのです。
海外のアプリも入れ放題だし、
PodcastやiTunes Uによる講義など、
iPhoneは最高の学びのプラットフォームだと思います。



学びの冒険者 原口直敏