学ぶためのノート術~究極のノートサイズ | 学びの冒険者 原口直敏Side←L "The Logical Brain Monster"

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学ぶための方法や時間活用術、戦略、Tips、実績等々。
苦手な人も、得意な人も、必要に迫られちゃった人も、
学びについて語り合おうじゃありませんか!


学校と言う純粋培養された環境ではなく
リアルな社会で学んで行くためには、
ノート選びって実は肝なんじゃないかと思います。


そして、僕が重視するのはとりわけその【サイズ】です。


もちろん、学びの達人たる者、
何も書くモノが無い時には
ナプキンだろうがなんだろうが、
その辺にあるものを片っ端から使えなきゃいけない。

これは、当たり前の話で、
【何に】書くかより、【何を】書くかの方が
重要だからですよね。
とっとと書かないと、
その【何か】を忘れてしまうかもしれない。

ですが、ある程度まとまったものを
学ぶ事が分かっているなら、
そのためのノートを準備した方が
はるかに効率良く、かつ効果的に
学べるはずだと思いませんか?



■ノートに要求される条件とは?

ノートと言ってもその用途は様々です。
まずは、用途を分類して考えてみましょう。


【用途によるノートの分類】
1.記録するためのノート
  →議事録、仕事のメモ、スケジュール帳、etc.
2.知的創造のためのノート
  →問題解決、企画の発案、etc.
3.学ぶためのノート
  →易経、経済、法学などのテーマ、
   または、本のタイトル毎、etc.


それでは、それぞれのノートに
要求される条件は何でしょう?
簡単にまとめてみました。


【それぞれのノートに要求される条件】
1.記録するためのノート
  →携帯性、判読性又は一覧性、etc.
2.知的創造のためのノート
  →サイズがA4程度以上、
   罫線など発想を制約するものがない、etc.
3.学ぶためのノート
  →携帯性、サイズがB6程度以上、etc.


いかがでしょうか?

サイズについては、
多くの方はあまり意識していないかもしれません。
簡単に説明しましょう。



■ノートのサイズと知的活動

【知的活動】と言う観点で
もっとも理想的なサイズがあるとしたら、
それは無限大の大きさのノートです。
ついでに既に書いたものを自由に動かせたら
全く文句がありません。

とは言え、実用上は極めて問題があるので、
無限大の多きさのノートを持ち歩いている人には
未だかつてお目にかかった事はありません。

では、【知的活動】への効果を充分に発揮する
実用上の大きさは?

これ、実はかなり大きなテーマで
真面目に書くと本が一冊出来てしまうかもしれません。
なので、簡単に駆け足で書きます。

知的活動にアイディアを作るという観点で
アプローチした名著があります。


「アイデアのつくり方」(A technique for producing ideas)
ジェームズ・W・ヤング著
1940年原著出版


ここでは情報収集用に5×3インチのカードが
薦められています。
そして、確かに情報収集のために
このサイズのカードを使うのは極めて合理的。
そして、このサイズのカードは流行りましたし、
今も流行っています。

しかし、その風潮に一石を投じた名著が
日本で出版されました。


「知的生産の技術」
梅棹忠夫著
1969年出版


正確に言うと、ジェームズ・W・ヤングの
著書や方法論に異を唱えているわけではありません。
ただ、フィールドワークに実際に使う場合には、
5×3インチはちょっと小さい。
B6のカードが一番使い勝手が良い。

実際のフィールドワーカーの立場で
このB6のカードを使ったシステムを作り上げました。
これが有名な京大カードです。

一つのカードに一つの項目と言うのは
両者とも共通しています。
一つのカードになんでもかんでも
詰め込むものじゃありません。

ただ、実際に多少まとまったことを書こうとすると
B6の京大式カードがかなりフィットするのです。

では、京大式カードの方が優れているかと言うと、
それは用途によります。

アイデアの材料として事実を収集したいという
アイデアメイカーの立場では5×3インチのカードが
良いかもしれません。
しかし、それらに簡単な状況の記述や考察なども
付加したいと考えるフィールドワーカーの立場では
B6の京大式カードが良いでしょう。


ただ、これらのカードのサイズは
インプットになる情報をまとめるためのサイズで、
それらを統合して分析する時は
広いスペースを利用しているわけです。

では、項目単体ではなく、
複合的な関係を記述する際に
必要な大きさってどのていどでしょうか?

その参考の一つが、トニー・ブザンが提唱した
マインドマップの考え方です。
マインドマップはA4以上の紙に書く事が
推奨されています。
もちろん、絶対ではないですが、
A4以下だとサイズから受ける制約が
確かに高くなります。
また、知的創造が必要な仕事に使う場合、
取りあえず、A4の大きさの紙に何かを書くと、
かなり高い確率で仕事が進み始めます。

と、これらを踏まえて色々実験していく中で
以下の様な経験則が生まれました。


【経験則としてのノートサイズの基準】
1.ガッツリ知的生産をする場合はA4程度以上
2.知的生産的要素が少し入っている場合はB6程度以上



■学ぶためのノートにベストなサイズ

それでは、最初のテーマに立ち戻りましょう。
今一度、以下の条件を見て下さい。


【それぞれのノートに要求される条件】
1.記録するためのノート
  →携帯性、判読性又は一覧性、etc.
2.知的創造のためのノート
  →サイズがA4程度以上、
   罫線など発想を制約するものがない、etc.
3.学ぶためのノート
  →携帯性、サイズがB6程度以上、etc.


学ぶためのノートに要求される条件は、
【携帯性】と【サイズがB6程度以上】になります。

学生などはそもそも学ぶことが本業ですし、
使用するテキストが大きいことが多いので、
大学ノート即ちB5版がベストのサイズになります。
携帯性を失わない最大のサイズが
大学ノートのサイズってことですね。


では、社会人や社会人ならずとも、
色々な本から知識を吸収していく人にとって
ベストなサイズとは?


それは、A5サイズのノートである!


経験上、これがベストですね。
どんなサイズの本と合わせても
携帯しやすく充分な大きさがこのサイズなのです。

では、学ぶテキストのサイズとの比較で
実際に検証して行きましょう。



■四六版(一般的な新刊書のサイズ)との相性


画像は「ヘッジファンド」と言う書籍と
A5のノートを開いたものを撮影したものです。

四六版とは日本の新刊書における一般的なサイズで、
多くのビジネス書はこのサイズで出版されます。
B6サイズよりちょっと大きいサイズ、
つまりA5のノートよろちょっと小さいサイズになります。

これらの本と合わせるには、
最適の組み合わせだと言うことが分かると思います。



■A5版(専門書、学習書に多い)との相性


A5版は四六版よりちょっと大きめで、
専門書や学習書に使われることが多いサイズです。
ある専門分野を学ぶ時に、
良く出会うのではないでしょうか。

A5とA5なので、もちろん相性はバッチリです。



■B5版(大きめの専門書、学習書)との相性


専門書や学習書には大きめのものもあります。
大抵の場合、それらはB5版です。
正直なところ、このサイズのテキストがメインなら
B5サイズの大学ノートを使っても良いと思います。

ただ、社会人の場合は、
このサイズの本はたまにしか出て来ないので
A5のノートで通しちゃって問題無いと思います。



■A4版(一般的な資料、大判雑誌)との相性


A5版のノートは見開きでA4の資料と同じ大きさになります。
場合によっては見開きで使うことも出来るため、
この大きさで違和感は感じません。



■新書版(小さめの一般書)との相性


新書版はコンパクトかつ手頃な値段で
提供される書籍です。
多くは、○○新書や○○ブックスなどというシリーズを
出版社の側で設定します。
このレベルでも、やはり学びたい本はあるものです。
本よりA5版ノートの方が大きくなりますが、
それほど邪魔にはなりません。



■ノートの厚さは30枚!

ノートの面積は良いとして、
厚さはどのくらいのものが良いでしょうか?

これについてもこだわりがあり、
おススメは30枚!

40枚、50枚だと、正直邪魔に感じてくるのです。

そして、さらに重要なポイントは、
30枚くらいのノートだと達成感を感じやすいということ。

この程度なら、一冊潰すのにそれほど時間はかかりません。
そして、ノートを潰した分だけ達成感を感じられます。
これは、モチベーションを上げますよ。

それに、一冊の本について専用のノートを作った場合、
30枚程度のノートだと7、8割程度まで使うので
あまり無駄な感じがしないということです。



学びの冒険者 原口直敏