不動産登記を例にとって、行間から学ぶと言うことはどういうことかの
ケーススタディをしてみましょう。
ここでは、実際に僕が悩んだ事を簡略化して説明します。
■課題
・抵当権抹消登記に必要な資料を準備する
■要件(一応書いてみたけどスルーしても問題なし)
・不動産抹消登記に必要な資料は以下の通り
イ)登記原因証明情報
→今回のケースでは解除証明書
分かり易く言うと返済が終わり抵当権が消滅した事の証明
ロ)登記済証(または登記識別情報)
→今回のケースでは抵当権設定登記1通と
抵当権移転登記1通の計2通
平たく言うと権利証にあたります
ハ)委任状(金融機関から不動産所有者側への登記手続きの委任)
二)資格証明書
→今回の場合は代表者事項証明書
ホ)変更証明書
→今回の場合は履歴事項一部証明書
ヘ)登記申請書
→これが本体
■疑問
印鑑証明が不要なのはなぜか?
ポイントを言うと、金融機関から発行される
解除証明書(抵当権が消滅した事の証明)の印鑑や
金融機関からの委任状の印鑑を印鑑証明と照合しないで
これらの申請は処理されます。
何故でしょう?
不動産登記というものが分かっている人にとっては即答
不動産登記というものが分かっていない人にとっては完全に謎でしょう。
理由は登記済み証があるからです。
・・・
分からない?
登記済証、平たく言えば権利証を提出できるのはどういう人か?
権利を持っている人です。
家の権利証って大事に持ってますよね。
それは、その権利証が家の所有権などを証明するからです。
つまり、登記済証を提出できる時点でその人は正当な権利者と見做すわけです。
従って、印鑑証明は不要である。
こういうことを教えられない状態で疑問に感じて調べ尽くすことが
行間から学ぶということです。
実際に僕が感じた疑問はこれより数段複雑なのですが、
まあ単純化すればこんな感じになります。
そして、なかなか体系づけて説明されないけれど、
この考え方は不動産登記の基本の一つでもあります。
基本はどんな場合でも大切ですね。
学びの冒険者 原口直敏