成長は【らせん】を描く | 学びの冒険者 原口直敏Side←L "The Logical Brain Monster"

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学ぶための方法や時間活用術、戦略、Tips、実績等々。
苦手な人も、得意な人も、必要に迫られちゃった人も、
学びについて語り合おうじゃありませんか!



学びを含めてあらゆる成長は【らせん】を描きます。
この事を意識するのとしないのとでは、達成力に大きな差が出てくる。


よく波があると言われたりもするけれど波じゃなくて【らせん】なんです。
しかも徐々に大きくなっていく【らせん】です。
一度に説明できないので、縦の変動と横の変動に分けて説明します。



1.縦の変動は【再構成】と【発現】によって発生する

それがどんなスキルや知識であっても、覚えたり修得したりすることは
単純に新しいものが付け足される訳ではありません。
既存のスキルや知識と統合する必要があります。

英語で「book」と言う単語を知ることは、
「本」と言う言葉の領域を脅かすことになる訳です。
これが「本」と「書籍」の関係なら、どちらを使ってもそう大差ないのですが、
「本」と言う言葉を使う状況と、「book」と言う言葉を使い状況は明らかに違う。
使う言語体系によって明確に分ける必要があります。
さらに、「book」には予約すると言う意味もあります。
これは「本」と言う言葉には全くない概念です。


このように、「book」と言う言葉を覚えると言う単純なことでさえ、
脳内のスキルや知識のネットワークの【再構成】が必要になります。
つまり、こんな感じになる訳です。

【学習】→【再構成】→【発現】


この中で意識的な行動が必要なのは【学習】と【発現】のフェーズです。
【再構成】は無意識下で行われます。
日々のレベルでは睡眠時間がこれに当たりますし、
もっと長いスパンやもっと短いスパンでも起こります。
そして、一つの分野の学習が進むにつれ、同じ時間に処理できるものが
どんどん大きくなっていきます。
それは、その分野として必要な体系の構築が進んだため、
その分野のスキルや知識を組み込むのが容易になっていくからです。



2.横の変動は新しい知識体系の【自問作用】

子供は好奇心が強くよく質問をしますよね?
それはなぜだと思いますか?


これは僕の仮説ですが、子供の知識のネットワークは
大人ほど発達していないので欠けているピースがあちらこちらにあります。
そのため早く欠けているピースを埋めようとするのが沢山の質問なわけです。


そして、新しいことを学ぶ場合も同じことが起こります。
新しい体系を構築しているので、あちこちに欠けたピースが出てくるわけです。
その分野だけをとりあえず覚えるには直接関係ないと思われる部分で
色々と疑問が出てきます。
例えば、需要供給曲線を学んで
「AKB48の商法を需要と供給でどう説明するか?」
と言う疑問が出てきたとします。


勉強が出来る人はここをすっ飛ばしません。


・そもそもAKB48の供給しているものは何だろう?
・CDを何百枚、何千枚と買っている人にAKB48は何を供給しているのか?


これ、解明出来たらかなりビジネスセンスが良いはずです。
需要の方の説明は結構世の中的にも語られますけど、
供給側、ビジネスサイドとしての説明ってあまり見ませんからね。


こんな感じで構築段階で良質の知識ネットワークを築いておけば、
あらゆる分野にまたがって勝手に学習がはかどっていくようになるのを
勉強が出来る人は体験的に知っているのです。
それがなぜ分かるかと言うと、一定水準以上に勉強が出来る人からは
こういう質問をしてもレスポンスがどんどん返ってくるからです。
ただ、暗記だけの人はこういう質問に答えられないし面白がらない。


そして、これら周辺知識的な疑問は、【再構築】でもなく【発現】でもないフェーズで
出てくることが多いのです。
そして、学習が進んで行くほど、この【自問作用】は
アメーバのようにより活発になっていきます。


と、このようなわけで、成長はらせんを描くと言う意味が分かって頂けたでしょうか?
重要なのは、学習にしても成長にしても一直線じゃないことです。
これさえ分かっていれば、無駄な焦りに振り回されることはないでしょう。



原口直敏