本当のことを言うと、クライエントの心が傷つく場合、「本当のこと」と「クライエントの心」は、どちらが大切にされるべきか。また、言葉は人の心を傷つけることもあるとも言われるが、言葉をどのように使うべきか。

 

まず、スピリチュアル・ソーシャルワークにおいて、「真理」が尊重されることは言うまでもない。そして、スピリチュアル・ソーシャルワーカーは、クライエントに対して、たんなる言葉ではなく、「言霊」を投げかけるのである。

 

言葉と言霊の相違は、「愛」の有無である。言葉には必ずしもいつも愛があるわけではないが、言霊は常に愛に満ちている。不動明王は、怒りによって衆生を導こうとするが、その怒りは決して憎しみではないのであって、愛ある怒りなのである。

 

したがって、スピリチュアル・ソーシャルワーカーは、クライエントに本当のことを叩きつけて傷つけるのではなく、愛ある言霊の力をもってしてクライエントを導いていかなければならないのである。