マインドフルネスが、精神病の中でも、統合失調症に適用できるのか不可なのか、ということには、かなり厄介な問題をはらむように思われる。

 

まず、統合失調症であっても、いわゆる急性期のそれと、寛解時のそれとでは、病相がずいぶん異なり、一概に適用可だとか不可だとかは言えないであろう。

 

とりわけ、統合失調症の急性期においては、いわゆる病識が薄いのであって、彼の幻覚や妄想を、現実と峻別する能力に欠ける場合もあるだろう。残念ながら、そのような状況下においてまで、この療法を実施することは、適切ではないのかもしれない。

 

だが、彼にとって、彼の精神世界と、現実を峻別できないところに、その病気の本質があるのであって、その一刻も早い回復が望まれることには変わりはない。