都会で生活する人は、視覚的にも聴覚的にも刺激が多すぎますから、
知覚の回路をオフにせざるをえません。

その防衛システムとして、都市生活者は自ら進んで
知覚をオフにしているのです。

しかし、身体のバランスを乱す知覚的なノイズから身を守るために
感受性の回路を遮断することは、
ときには自己防衛上ほんとうに必要な知覚情報まで
とりこぼすことになりかねません。


「疲れすぎて眠れぬ夜のために」内田樹 著
 (角川文庫)より