「日本の地震地図」という本を読んだ。(ところどころ、だが)



この本を開いて、まず最初に、「うん?」と首を傾げたことがある。それは、表紙を開くとすくにでてくる、「地震動予測地図」というタイトルの図である。



「先の能登地震はどういう位置付けだったんだろう」と思って、能登の辺りを見てみたら、なんと「30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率」は、能登半島は0.1%以下または3%以下という位置付けであった。そういう評価だった地域で大きな地震がつい先日おこったわけである。



で、わしが思ったのが、「この予測地図を信じてはいけない」ということだ。



ただ、この図をどう読むか、であるが、「能登半島では、震度7以上の地震は起こらない」といってるわけではない。あくまで、「能登半島で、震度6弱以上の地震がおこる確率は3%以下である」と言っているわけである。だから、別に、起こった事とこの図が示していることは矛盾したりするものではないのだろう。



しかし、・・・、である。



この図は、見た人に誤った考えを与えてしまうのではないだろうか、ということである。



「誤った考え」って、どういうことなん?



例えば、「確率が低い場所では、まあ、わしが生きてるうちは大丈夫じゃろう」とか、「確率の高い南海トラフの地震が先に起こるだろう」とか。「確率が低いところは地震は起こっても大きな地震は起こらんのじゃないか」とか。



この図を見せられてしまうと、そんなふうに思う人がいてもおかしくないと思うのだが。



だから、この図は、ホントのホントにこの図が示すことを完璧に理解できる人が「手持ち」で持ってる資料でいいのではないだろうか?



「専門家じゃない人」用には、まずは「震度7の地震はどこで起こっても不思議じゃないし、今の科学力では場所の特定はできない」ということを太字で、伝えた方がよいのではないだろうか。それを知ってもらった上で、地域別に説明をする、とか。



とにかく、現在の「30年以内に発生確率○○%」ってのは、個人的にはやめた方がいいと思う。



確率、という話しでは、今、天気で「降水確率」というものがある。「降水確率」はわし的には、まあ参考にできる、と思う。そもそも、確率を示すのであれば、「降水確率」くらいの信頼度が必要なのではないだろうか?



先の、「地震の確率」って、ふつうの人が適正に使えるものなのだろうか?かえって謝った解釈をしてしまわないだろうか?専門家が手持ち資料として持っとけばいいくらいのデータじゃないんだろうか?



「南海トラフの地震」はこれまでの事実からも、起こることはほぼ間違いないのだろう。それなら、南海トラフ地震は南海トラフ地震で個別にちゃんとていねいに、みんなが理解できるように説明すればいいのではないだろうか。日本で起こるさまざまな地震と比較してもしょうがないし。



「日本の地震地図」という本を読みながら、まず、そんなことを考えたのです。